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映画『ローズとその家族』~UNHCR難民映画祭を振り返る

2013-09-01 07:30:13 | アフリカ映画
ここのところ話題にさせていただいているUNHCR難民映画祭(→第一話第二話)、今日は過去の映画について振り返ってみたい。

(昨年開催の「難民映画祭2012」リンクバナー↓)
難民映画祭

昨年の「UNHCR難民映画祭2012」では、15本の映画が上映された。うち、アフリカ関係の映画は実に7件(ンボテ数え)。充実の内容であった。予定が重なり、本当に見たい映画を見ることができなかったのが悔やまれた。

その中でも強烈な印象に残ったのがコンゴ東部を舞台とした記録、「ローズとその家族~戦果を生き抜いた一家の軌跡~」だ。


(映画紹介文)
90年代後半、ローズとその家族は暴力で荒廃したコンゴ民主共和国の戦火を逃れ、アメリカに渡る。人権活動家として赦しと和解を訴え続けるローズ。やがて10年以上もの歳月を経て、彼女はアフリカに残してきた一人の娘と再会を果たす。しかし一家はその背後に隠された辛い過去と向き合うことを余儀なくされる。。。


アメリカに逃れた家族。コンゴにとどまった家族。引き裂かれた家族がそれぞれの道を歩む。そして残された家族も渡米し、新しい生活が待っているはずであったが。。。家族を隔てた時、失われた時間、そして言語も文化も環境も違う、新しい土地でのあまりに厳しい現実であった。絶望に拉げる少女。家族が寄り添い、困難をきずなで乗り越えていく物語。

この映画の原題は’Pushing the Elephant’(巨象を押しのける)。人権活動家として立ち上がったローズは、実体験を国際社会に訴える。小さな力でも、この巨像を何とか動かしていかなければ、歴史は変わらない…。彼女が国際社会のトリビューンで訴えた言葉は、人々の心を動かした。


映画の画面が暗転し、幕が下りた時、あまりに壮絶で重たい現実に、身も心も固まりきった自分がそこにいた。

そしてこの映画上映後の恒例トークセッション、光栄にもンボテが担当させていただいた(→こちらをご参照)。

かなりシビアな映画ということもあり、会場を少し明るくするためにも、明るい元気なアフリカをトークしちゃえ!!ってことで、お約束、前田敦子ネタ、コンゴビールネタなどを、用意するにはしていったが・・・・とてもそんな陽気なコンゴの話をしている空気ではなかった。

プログラムを切り替え、前史から独立、今日に至るまでのコンゴの壮絶な歴史についてお話しさせていただいた。そして大湖地方で進行してきた危機、フツとツチ、ルワンダ、大国の介入などに話を進めた。その歴史と政治の悲劇が、家庭を引き裂き、個人の生活を破壊してきたのだ。こみあげる気持ちと戦いながらのトークとなったことが思い出される。


ローズとその家族~戦果を生き抜いた一家の軌跡~
Pushing the Elephant
監督:べス・ダベポート、エリザベス・マンデル
アメリカ / 2010年 / 83分 / ドキュメンタリー



(おわり)

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