難民映画祭2013イチオシ映画～『トンブクトゥのウッドストック』

さて、昨日からお伝えしている『UNHCR難民映画祭2013』。



今回の映画作品、ことしも選りすぐりのアフリカものが選定された。その中で、西アフリカ代表の大注目映画はこれ。

「トンブクトゥのウッドストック」


この作品は2013年のワガドゥグ・アフリカ国際映画祭（Fespaco、詳しくはこちら）公式出品作品。

マリで毎年開催されている音楽祭「砂漠のフェスティバル」（確か2月だったと記憶をしている）。サハラ砂漠に暮らす遊牧民トゥアレグの文化的アイデンティティの拠り所。まさにトンブクトゥの「ウッドストック」といえる大音楽祭だ。世界中から観光客を集め、魅了してきた。この映画は2011年に開催された音楽祭の様子を、出演者やスタッフ、観客の目を通じて詩情豊かに描いたものだ。

今年、この映画がFespaco、そして難民映画祭に出典された意味はきわめて大きい。2012年から危機が進行したマリ。イスラム武装勢力が北部を制圧すると、彼らは非人道的な形でイスラム法典、シャーリアの実践を住民に強要することから統治を始めた。女性の権利を大きく制限し、窃盗や姦通にあっては手首を切り落とした。トンブクトゥなどの文化遺産を破壊し、アフリカに残る希有で貴重な膨大な文字による記録を燃やした。そして人々には一切の音楽や踊りを禁止した。

こういった経緯から、2013年の今年、トンブクトゥで砂漠の祭典が開かれることはなかった。しかし映画という形で祭典を追体験し、そしてトンブクトゥ、マリ北部の人々、音楽・文化活動に携わる関係者に勇気と連帯感、支援のメッセージを示す、そんな意味合いをもった映画なのだ。

ンボテもこの映画はまだ見ていない。今からテンションがあがる。ぜひ足を運ぼうと思っている。

トンブクトゥのウッドストック
WOODSTOCK IN TIMBUKTU
監督：デズィレ・フォン・トロタ
ドイツ / 2013年 / 90分 / ドキュメンタリー
フェスパコ2013公式出品
英語音声 / 字幕付き




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