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映画『魔女と呼ばれた少女』 ~戦場から生まれたファンタジー

2013-09-02 07:30:21 | アフリカ映画
ここのところ、難民、紛争に関連した映画をご紹介している。このノリで、今日はこの映画、『魔女と呼ばれた少女』についてご紹介したい。


日本では2013年3月に封切された映画で、私個人ももちろん拝見させていただいた。戦争を題材とする映画でありながら、これまで私が見てきたそれとは一味異なったものであった。凄惨なストーリーの中にも、ファンタジックな展開、出会いと冒険が描かれている。


私の乏しい芸術センスと陳腐な文才でこの映画を描写するにはあまりに荷が重い。『魔女と呼ばれた少女』公式サイトから、映画紹介文を引用させていただくことにしよう。


(映画紹介文)
ひとりの少女の物語に アフリカの"今"をちりばめたファンタジックな現代の神話
平和な暮らしを送っていた水辺の村から突然拉致され、反政府軍の兵士となった12歳のコモナは、死んだはずの人たちに導かれ、全滅必至のゲリラ戦から生還する。亡霊の見える力が次々と勝利を招き、ボスからも"魔女"と崇められるコモナだが、敵を撃つその銃はどこから来たのか、山から集める黒い石はどこへ行くのか、彼女は何も知らない。
やがて自分も殺される運命を悟ったとき、密かに愛を育んできた少年兵と、命をかけた逃避行の旅に出る-。


現代のミューズが"戦争映画"にリリカルな魔法をかけた…… 世界の狂気に祈りを込めて
カナダの気鋭が綴る映像詩 監督は、アフリカの子ども兵士問題に衝撃を受け、取材を重ねてきたカナダ人のキム・グエン。10年間あたため続けた祈りが、未だ紛争の絶えないコンゴ民主共和国を舞台に、生と死、現実と幻想が交錯する魅惑的な映像詩として結実し、本年度アカデミー賞(R)〈外国語映画賞〉にノミネートされた。さらに、監督自らストリートで見出した主演のラシェル・ムワンザが、機関銃を携える凛々しき女神のカリスマ性から、恋する乙女の可憐さまでを見事に演じ、アフリカ女性初のベルリン国際映画祭〈銀熊賞・主演女優賞〉を受賞。期待の新鋭とミューズとの運命的な出逢いが、少女のまなざしを通してのみ描かれる本作にリリカルな魔法をかけ、悲惨さばかりを強調しがちな戦争映画と一線を画す、忘れ得ぬ傑作が誕生した。

『魔女と呼ばれた少女』公式サイトより)



そしてこの映画の画評を、ジャーナリストで、元アナウンサー、UNHCRで難民支援にあたったご経歴もお持ちの根本かおるさんが、「根本かおるの社会派映画案内~スクリーンの向こうに故郷(ふるさと)が見える」で紹介している。美しい日本語と鋭い切り口の画評は必見!ぜひご覧あれ。



この映画、ちょうど8/31より、飯田橋のギンレイホールで上映が始まった(→上映スケジュールはこちら)。この二週間が劇場鑑賞のチャンス!時折しも、コンゴ東部では新たな紛争が進行する日々。私ももう一度映画館に足を運び、いろいろ振り返ってみたいと思う。


作品データ
『魔女と呼ばれた少女』
REBELLE
監督・脚本:キム・グェン、2012年、90分、フランス語
制作国:カナダ、配給:彩プロ

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