遥か昔、小学1,2年生の春の遠足は○○○。
Y先生に引率され、桜の名所だったその場所まで、
わたしたちは声を揃えて歌いながら歩いた。
「青葉若葉に陽が揺れて 春は○○風薫る
今日はうれしい遠足だ 我らは○○の1、2年」
ピカピカの1年生と、ホヤホヤの2年生にとっては
難しい歌だったのだ、 と今頃になって驚いている。
歌いやすいメロディだったけれど。
あの時、桜花はすっかり散り果てて新緑が眩しかった。
木洩れ陽の下で、肩を並べて食べたおにぎりの美味しかった
ことや、友達らの笑い声、表情など 今でも鮮明に蘇り、
なつかしく脳裏を駆け巡る。
今、桜並木だった大門までの通りは、すっかり様変わりして
いて当時を偲べるものはない。
毎年お花見で賑わった○○○は、森林公園になり多くの
人々が憩う絶好の場所となっている。
昨日、「南はお祭りで混んでるから北へ行こう」 主人の
提案で北へ向かった。 森林公園には車がいっぱい。
そこを通り抜けて北へ、北へ。
予てから行ってみたいと思っていた○明山へ。
まだ入学前の幼い頃、一度だけお参りした憶えがある。
それ以来のことだから何十年ぶり?
漂泊の俳人 種田山頭火 も訪れたことがあるという。
境内は人影がなく静か。
山の上の奥の院まで登ってみた。
○俣の町が一望できる頂上からは、遠くアクトタワーや
センタービルなども見える。
頬を撫でる風が心地よく、ウグイスの囀りが耳にやさしい。
奥の院の前にイノシシの石像1対。 これは何?
何でイノシシを?
奥の院までの山道、杖なしでは少々きつかった。
「今度は杖を持参でまた来よう!」
凧揚げ会場や街中の雑踏とは無縁のこの静けさの中で、少々
疲労感は覚えたけれど、わたしたち夫婦は大満足。
よい一日を過ごしたのだった。
むせ返るような青葉若葉に陽の光が眩しく揺れていた。