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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

建築基準法通りに作って、何が悪いのか。

2012-11-12 23:23:00 | 建築法規・施策

コンプライアンス宣言など、法令遵守を謳うととても誠実でお堅いイメージになります。

建築基準法についても、当然遵守が基本ですが、それを守っているからと言って、誠実や真面とは言えません。

建築基準法が求める耐震性能は、全ての建物に当てはまる条件ではなく、木造住宅 に関してはごく平均的な形状で雪が積もらない場合だけです。

バリアフリーもお粗末で、基準法ギリギリの階段を作ると、手すりなしでは降りるのをためらうレベルです。(建築基準法では、階段の手すり設置が義務付けられています)

省エネに関しては、話題すら上がっていません。

建築基準法は、国民の生命と健康、財産を守るためにあるはずなんですが、中身は増えすぎた建設業界の生命と健康、財産を守る内容としか言いようがありません。
これでは、建物の質はバラつくばかりですし、法令遵守なんて当たり前ってだけで何のメリットもありません。

それでも少しずつ、性能を評価する時代に移行しつつあります。しかし、新潟は根っからの保守圏なので、平均以下のスピードです。これからもっとアピールしないとですね。


2 コメント

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仰る通りと思います。 (ちーすけ)
2012-11-14 18:01:10
仰る通りと思います。
建築基準法を満たしたからといって安心できる住宅なわけでは無いと感じていました。ですが、やはりプロの方に実際にそう言われると、相当大きな問題なんだと思います。

そこで、耐震性に関わる問題について一つ質問なんですが、
新潟県では耐震等級は最低2等級以上でないと安心できないと思ってます。積雪の問題以外にも大きな理由として、地震地域係数Zってものがあります。私には不合理な項目にみえますが、新潟では耐震等級を検定する場合、一般的にZ(0.9)適用でやるものでしょうか?

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ちーすけ様、コメントありがとうございます。 (ju-su)
2012-11-15 00:22:35
ちーすけ様、コメントありがとうございます。
ちーすけ様が疑問に思えたその時に、この答えが出ているような感じもしますが、あえてこのブログ風にお答えします。
まさにこの記事の結論でもあるのですが、60年以上使い続けている法律に対して、設計者が内容をよく理解して、どのように判断するかが大切という事じゃないでしょうか。
記事自体はダメな法律的な書き方ですが、本当にダメなのはその法律を理解しないことと、使いこなせないことです。
使う人が何を目的としているのか。
コストダウンを最優先として、部材を減らすために危険側に数値を変えるケースもあるかもしれません。
安全を最優先すれば、係数を1.0にしたり、他地域の様に1.2を採用するケースもあるかも知れません。
また、地震地域係数に関しては、時代背景も影響するのではないでしょうか。
もし同じ質問を2004年より前にされていたら、私は「妥当とは言い切れないにしろ、危険側でもない」と答えているような気がします。
2007年ころであれば、「0.9はありえません」と答えている気がします。
じゃぁ、今はと言われると、安全側を見て1.0が妥当とも考えられますが、そもそも許容応力度計算は中規模地震を想定した計算でもあるので、耐用年数はおおよそ50~60年程度です。
少しひねくれた考え方をすれば、大きな地震を2回経験したんだから、この先50年の間に再び地震を経験する確率を考えれば、まさに0.9位が妥当とも考えられます。
ご質問は、(新潟において)一般的に0.9を使っているかという事なので、一般的な事を言えば0.9を適用していると思います。
ただし、先ほど書いたような時代背景で計算が影響されるのは、あまり望ましくありません。
その影響を受けないように計算の最終結果として、検定比を少し安全側にはたらくようにしておくのが、設計者のセンスだと思います。
少し漠然としすぎでしょうか。
要は「余裕のある設計」を心がけるという事じゃないでしょうか。

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