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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

バックキャスティング

2021-02-25 22:30:53 | 建築法規・施策
※今日のブログは単なる実況。

昨日、今日と結構ギョーカイを揺るがす出来事がありました。結構拡散されてるんじゃないかな。私も便乗。

第5回再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースがYOUTUBEにてライブ配信が行われました。

昨日の17:30-19:30の配信ですが、現在は下の通りアーカイブで視聴することができます。

第5回ですが、私は初めての視聴でした。
過去の議事録を見ると、会議の主目的は再生可能エネルギーに関することですが、昨日は住宅の省エネルギー化に対する内容でした。

つまり、「自然エネルギーを活用したほにゃらら」ではなく、そもそも「住宅の断熱化」が前提にないといけないんじゃないの?なんでそれができないの?という会議内容でした。

参加メンバーはお偉い先生方と国交省と経産省のお偉い方々、そして河野大臣と副大臣。

そこで吠えてたのが東大准教授の前先生
37分頃から約20分ほど吠えてます。(←視聴お勧めポイント)
そこではピン(一生懸命省エネに取り組む工務店)とキリ(取り組んでいない工務店)、各省庁に対して、

なんで国交省は「キリ」に合わせた施策を作るんだ。
それは国民のためになるのか!

というような事を超早口で河野大臣に訴えていました。

痛快なお話でした。
私はfacebook上でしかその反応を見ていませんが、「ピン」の方々は盛り上がっていましたね。
日本の住宅がダメな理由が大臣に直接届いた!って。

その後の質疑応答は、揚げ足取りと言い訳の泥試合になったので、正直つまらなかったですが、

最後の5分
河野大臣のまとめがさらに痛快(←視聴お勧めポイント)

バッサリ国交省をぶった切るもんだから、これまたfacebookでは「ピン」の方々大盛り上がり。

ただいくつか残念に思いました。
省エネ基準の適合義務化が主な話題だったのですが、住宅ギョーカイにおいて、その義務化ができないのは「工務店の技術が追い付かないから~」「その工務店を国交省が守っているから~」みたいなことが指摘の中心だったんです。

でも、省エネ基準を適合させるのは、「設計事務所に所属する建築士」の仕事なんですよね。
2時間の会議に「設計事務所」や「建築士」の話題はほぼ出ず。

僕って幽霊みたいな存在なのね。

そして、2050年のカーボンニュートラルを目指すためには、「現在から未来を考える」のではなく「未来のあるべき姿から今やるべきことを考える」いわゆるバックキャスティングで進めなければいけないというのが、大きなキーワードになっていました。

しかし、私たちが今作っている建物が2050年も残っている予定なんです。
2050年ころの街並みって、今作っている建物のことで、2050年のカーボンニュートラルを目指すのならば、もはや遅いくらい。
急ぐとしたら、今日から、今から始めないと間に合わないよっていう・・・。

そして、今後超高断熱化が急速に進んだ時、
果たして「そこそこ」で快適性や省エネを設計する「私」は生き残れるのか!?
不安~。

だとしても、
約2年前にこのブログで「最高にダサい話」をした時に比べれば、少し明るい兆しが見えてきました。

もう、期待しちゃうから(はーと)

そしたら今朝です。
前先生が、ピンの方々に対しても一言。
他の頑張っている人を、ディテールの違いを取り上げて攻撃しちゃだめよ。
細かい仕様の違いでセクト争いを繰り返しては、共倒れするだけですよ、って。

まるで住学じゃないですか!
この多様化した時代に「最高の方法」なんて無意味。つーか、ない。
多様に応えられるように、共存共栄していかなきゃなんです。
「小さい」も多様の一つに入れるように頑張らないと!

沁みましたねぇ。

多分、昨日今日が節目になるんじゃないでしょうか。
見ることができてよかったです。

接待関連は連日報道されまくりですが、この件は報道されることはないと思います。
ぜひ、皆さんも上にある(←視聴お勧めポイント)の時間帯だけでも構わないので見ていただきたいです。

おまけ
今日のハート君


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