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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-05(lab)】第三者と当事者-快適な小さい家-

2017-06-04 20:42:04 | ministock-05(lab)
先週の水曜日までに捨てコンクリートまでの工事を終えて、木曜日から基礎の配筋工事に取り掛かっていました。

金曜日のお昼前に電話が鳴り、「配筋が完了し、(瑕疵保険の)第三者機関の検査もたった今合格したところです」と連絡がありました。

1日で鉄筋組み上げちゃったよ。さすが小さい家。
と、うれしくなって午後から検査に行くのをとても楽しみにしていました。

そして、現場に着いて一目見て(↑の画像)、唖然。

ダメじゃん。
あきらかにスラブの鉄筋が図面通りに配筋されていません。

金曜日の午後の時点で鉄筋屋さんがすでに引き上げていたので、明日から型枠屋さんに入ってこられたら手直しができなくなります。
すぐに工務店さんに電話して、図面通りの配筋になってないので、型枠は絶対に組まないでね。詳細はメールしますと連絡。

とりあえず現場をストップさせたので、その他に図面通りの基礎か検査を進めると、全部で5か所の手直しをお願いする場所がありました。

外部から派遣された第三者の検査は合格したんですけどね・・・

そして、改めて手直し工事に半日みっちり立ち会って、図面通りの配筋に直してもらいました。


アングルが違いますが、明らかに綺麗になってます。
最初の画像は配筋が細かい所と粗い所が入り組んでいるのが分かりますでしょうか。それが、超整然と整理されています。

これぞミニストックの基礎です。
単純すぎる故に超綺麗。

丈夫そうな基礎とか、地震に強そうとかじゃなくて、構造計画と構造計算を行って得られた、この単純さこそが強い基礎です。


私の心も晴れやかぁ~。

その他の手直し工事についても、職人さんと打ち合わせをして、無事設計図通りにしてもらいました。
話してみれば、単純な勘違いが原因。
疑問に思った時点で質疑を上げてもらえば、半日もかかるほどの手直しにはならなかったんですけど、「たぶん、こうだろう」と思ってしまったのが、ボタンの掛け違いの最初でした。私がもっと読みやすい図面を描かなければいけないという反省点でもあります。

作業振りと言えば、ごみを拾いながら一工程一工程とても丁寧に仕事をされるので、この職人さんで良かったなと思いながら立ち会っていました。

そして、つくづく思ったのが、第三者検査ってほんとなんなんだろって。

ここ最近もニュースで第三者委員会とか、当事者でない、客観的な調査こそが名探偵コナン張りの真実の追求方法のように扱われています。でも、一番知ってるのって結局当事者ですよ。当たり前。

第三者と称して、検査の前日くらいに図面を目に通すのと、1年近くかけて図面を作り上げてきた設計者を比べれば、図面と現場の違いにどれだけ気が付けるかって言ったら、そりゃ設計者だろうって。

問題なのは、設計者が現場検査を行わない事なのかもしれません。もしくは、構造図に関わっていないか。

しかし、設計事務所の場合、設計者はお客様から直接報酬をいただいて、お客様の代理人としてすべての図面を作成して、すべての工程を検査してます。
工務店さんからすれば、私は第三者。


そして、この建物を誰よりも知っている当事者でもあります。

当事者が行う第三者検査。
これが正しい工事監理なのでは。












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