虫も人もそうですが、灯りに集まるのは本能的な習性です。
ですからネイティブディメンションズでは、どこかに象徴となる照明器具を取り付けて、そこに自然と集ってくつろぐという様な演出をよくします。
シンプルな照明計画が世間の主流に思えますが、それに逆行するというか設計を初めた頃からの癖になっています。
ホームページの過去の施工例を見ていただくと一目瞭然です。照明器具に注目して施工例を見る事は少ないと思いますが、意識して見ていただくと象徴となる照明器具が見つけられると思います。10年以上、相変わらずな設計が続いています。
ただし、見つけれない場合、ダウンライトばかりでシンプルな部屋になっている場合、そこにはダウンライトで結構ないたずらをしています。
ヒント:規則正しく並ぶばかりがデザインじゃありません。代表的な例として、欧米の外構は左右対称、シンメトリーのお庭ですが、日本庭園で左右対称の庭なんて、まずお目にかかれません。アンバランスから生まれる美という特殊な美意識を持つ日本人の感性を活かしながら照明計画を行っています。
それくらい照明にはこだわりを持っていますし、勿論ミニストックにも象徴となる照明器具を選んでいます。
また、時代性を考慮して器具は原則LEDか蛍光灯としています。一部、ミニクリプトン球の器具がありますが、蛍光(LED)ランプに交換可能です。
ランプの特徴(「自立循環型住宅12」’09.09)等については、過去に記事にしていますのでそちらをご覧ください。
ミニストック的な話題として、照明の配置については相当悩まされました。これはプランも含めてですが。
ミニストックはほぼワンルーム形式の間取りです。
ワンルームの一番難しいのが照明計画です。
どこに居ても見渡せる程の連続性が、家族とのコミュニティや暖房計画などを有効にする手段ですが、ワンルームの最大の欠点は、夜、灯りの点いていないスペースがあると不気味に見える事。
不気味を解消する為に、使ってもいないスペースの照明を付けるのは勿体無い事です。
我慢したらいいと思われるかもしれません。我慢できる方はそれでいいのですが、以前、こんな事がありました。
中越地震は、これから夜になろうかというpm18:00前に発生しました。そこから一晩中不安な思いのまま深い夜を過ごす事になったのです。
この経験は、あるご家族の心の傷となり、設計するに当たって「暗い」と「明るい」をスゴク深く考える経験をさせていただきました。
ミニストックはそれを踏まえ、ただ連続しているワンルームでなく、照明を点けていなくてもその暗がりが見えにくい配置になっている事、暗がりが発生しにくい連続性のあるスイッチ計画を充分に検討しました。
たかが照明、されど照明です。
灯りを使えるのは人だけで、灯りを使いこなす提案を行うのが設計士の役割です。
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