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百田尚樹『永遠の0』

2008-09-16 | は行の作家
宮部久蔵。大正八年東京生まれ。昭和二十年八月、南西諸島沖で戦死。

祖母の最初の夫で、ぼくにとって祖父にあたる人は、神風で戦死した

海軍航空兵だった。


天才的なパイロットとしての技術を持ちながら「生きて妻のもとへ帰る」

と口にし、仲間から「航空隊一の臆病者」とさげすまれていた男。

そこまで「生」にこだわっていた祖父が、何故特攻を志願したのか。

次第に彼の過去が明らかになっていく。


さて感想。

こ…これはすごいです。

児玉清氏が絶賛されているのも分かります。

驚愕の真相。そして胸をうつラスト。

愛の物語でもあり、とても読み応えのある作品でした。


前半は戦争そのものや、戦闘機・戦艦のお話です。

実は以前読んだ時はここで挫折したんですが…。

ところが、後半からはぐいぐい物語に引きつけられていきます。


久蔵の孫の目線で物語が語られるんですが、読者も一緒に祖父の

過去を追っている錯覚に陥りました。


兵の命など鉄砲の弾と同じくらいにしか考えていない、エリート参謀たち。

彼らの驕りや油断、軍のメンツのために、若い命が散っていったんだね。

そして、女たちの人生も大きく変わっていくことに…。


ご存知とは思いますが、特攻とは敵の戦艦へ体当たりして、自爆することです。

彼らとて、決して決して死にたかったわけではないのです。


そして、宮部の存在がまわりに与えた影響とは…。

後半はポロポロと、涙が止まりませんでした。


私は戦争のことや、この国のことをあまりにも知らなさすぎたんやなぁ。

重い事実ですが、目をそむけたらあかんなぁ…と。


自分の信念を持ち、突き進んだ久蔵はとても魅力的な人物でした。★★★★★


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ちきちき)
2008-09-16 21:16:55
ほほう。
読むの楽しみにしてます。
また読んだら来ますね~。
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Unknown (naru)
2008-09-17 21:53:43
前半はのれんかったけど、後半は良かった。
でもけっこう重いし辛いで。
まぁテーマが戦争やから、しゃあないねん
けど。
私は『ボックス!』の方が好きかな。
読んだらまた来てね~。
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Unknown (藍色)
2008-10-03 03:49:05
こんばんは。
読みました~!。
読み応えありましたね。
ほんとに後半は、何度も涙が出ました。
生還に執着し続けた久蔵の熱い想い、
戦争の理不尽さ怖さまで、しっかり伝わってきました。

最後の舞台を大阪にしたのも、チョットらしいなって思ったり。
十回で一回当たるパンチや、リーチの長さなど、ボクシングのことが出てきて、
このころから、構想してたのかも、なんて妄想しちゃいました(恥)。
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Unknown (naru)
2008-10-03 23:16:30
藍色さん こんばんは。
本当に読み応えたっぷりでしたね。
戦争の悲惨さを、真正面から捉えた
作品でした。
私も後半は涙がポロポロ止まりません
でした。
作家の想いが伝わる作品でしたね。

ごく普通の人間が死ななければならな
かった。こういう時代があったことを
忘れてはいけませんね。
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Unknown (ia.)
2008-10-18 01:54:44
こんばんわ。
これ、良かったです。
前半は少しややこしかったのですが、頑張りました(笑)
零戦や特攻など、私の認識とは違うことも多く、重く受け止めました。
ラストもビックリしながら感動的でした。
児玉氏も絶賛なのですね(笑)
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Unknown (naru)
2008-10-22 19:16:49
ia.さん こんばんは。
この作品、良かったですよね~。
前半頑張ったというところ…分かります^^
戦争の悲惨さもありますが、なんと言っても
「大人の愛」がある作品だな~と。
後半の登場人物たちも好きでした。

児玉清さんオビで絶賛してはります。
心を鷲掴みにされたらしい^^
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Unknown (くじら)
2008-11-03 08:37:24
naruさん こんにちは。

「ボックス」も面白かったけど、こちらの作品も読み応えがありました。久蔵の生きた真実が胸に迫りました。

百田さんは筆に力のある作家ですね。これからも、とても楽しみです。

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Unknown (naru)
2008-11-04 21:30:49
くじらさん こんばんは。
読み応えがありましたね。
百田さんの作品は映像が浮かびます。
久蔵さんの真実...胸に迫りますよね~。
私は戦争は日本が弱いから負けたと思って
いたのでちょっと衝撃でした(*^_^*)
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Unknown (mint)
2008-11-10 17:36:44
こんばんは。
ホントに読みごたえがあって、
作家の思いが伝わってくる作品でした。
戦争という理不尽な世界で自分の生き方を
貫こうとする久蔵が素晴らしいし、
その姿には何度も泣けました。
読み終わってしばらく圧倒された感じでした。

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Unknown (naru)
2008-11-10 21:12:37
mintさん こんばんは。
すんごい大昔の話じゃないんですよね。
わずか60年くらい前のことと思うと
愕然とします。
読み応えがありましたね~。
これは偉大な愛の物語だと思います (*^_^*)
キャラも良かった。武田と景浦とか。
ラストもすごかったです。

でも久蔵には生きて帰ってきて欲しかった
な~。


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