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薬丸岳『悪党』

2009-09-28 | や・ら・わ行の作家
ある日、一人の女子高生が、男たちに陵辱されたうえ殺される。

この世のものとは思えぬ、苦悶の表情を浮かべたまま。

それが、あなたの愛する娘なら、恋人なら、姉妹なら、妻なら

あなたは加害者を赦すことが出来ますか?


さて感想。


読み応えのある作品でした。

小説の世界に、一気に引きずりこまれます。

しかし、被害者遺族としての目線で物語が描かれているため

ものすごく感情が入ってしまい、読んでいて辛い。辛すぎる...。しんどい。

特に性被害なので、女性だから嫌悪感を感じてしまうからかもしれません。


反省せず、謝罪の言葉すらない犯人たち。被害者は、まさに殺され損。

そして彼らに下された判決は、償うにはあまりにも短い刑期。

彼らはその刑期が終わると、リセットされた人生を歩いていく。

そして、今幸せに暮らしているとしたら...。


一方、被害者とその家族には、ひどい現実が待っている。

決して消えることのない、加害者に対する激しい憎悪の焔。

癒えることのない心は、しだいに精神を蝕んでいく。


レイプは体を傷つけるだけではない。心をも殺す。

著者はどの作品もそうだが、一人でも多くの人に知ってもらいたいと

いう信念で書いていらっしゃるのかな。


それにしても、実力のある、注目の作家さんで、今後の作品も楽しみです。


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