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宮本輝『錦繍』

2009-01-04 | ま行の作家
「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で

まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」

(冒頭本文より)


十年前に離婚した夫婦が、紅葉に染まる蔵王で再会する。

そして、彼女は彼に一通の手紙を書き綴る。

以後、手紙のやりとりが続き、季節が巡っていきます。


さて感想。


はっきり言って、かなり地味な作品です。

ドラマチックな出来事も、スリリングな展開もありません。

しかも登場人物たちを、あまり好きにはなれない^^;

それなのに、なぜ面白いのでしょうか。


業…。人は、してはいけないことをしてしまう生き物なのです。

そして、優しさや醜さがあるのも、人間だからなのでしょう。


最後の手紙が心に染みるし、ラストがすごくいいです。

美しい日本語も印象的な作品でした。★★★★★


若い時に、この作品を読んでも、良さが分からないかもなぁ。

また、それぞれの立場などで受けとめ方が違うのかもしれません。


ダリア園に行って、夜空を見あげたくなりました。

あと、モーツァルトも聞きたくなる。

くっついたり離れたりする現代の軽い恋愛ものとは違い

もっと重くもっと深い愛のお話でした(*^_^*)


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (板栗香)
2009-01-05 20:30:54
こちらにもお邪魔しま~す。
実はこの本、私無茶苦茶好きなんですよ~最近久しぶりに再読したのですが、やはりある程度人生経験を積んでいないと分かりにくい部分はありますよね。だから若い時に読んでもあまりピンとくるものがないかもしれませんね。(苦笑)
確かに主人公2人の事はあまり好きになれなかったのですが、再読の時はそれが気にならなくなっていたんですよね~私も人間が丸くなってきたのかしら。(笑)
そして、とても美しい日本語の小説ですよね~(*^-^*)
返信する
日本語も風景も美しい (naru)
2009-01-07 07:39:00
板栗香さん こちらにもコメントありがとう
ございます。
板栗香さんも最近再読されていましたね^^
人間の「業」を描いた作品なので、ある程度
年齢をいった方が、より楽しめる作品かも
しれません。
読み始め男が最低で「なんじゃコイツ」と
思いました^^;最初可哀想かなと思った女性も
だんだんむかついてきました。
私はまだまだ人間丸くなってないみたい^^;
決して交わることはないけれど 別々の道を
前を向いて歩いていくところが好きでした。
奥深さを感じ、いつまでたっても色あせない
作品かもしれませんね^^

返信する
Unknown (ia.)
2009-01-09 01:37:34
こんばんわ。
私もこれ好きです~!
ストーリーもうろ覚えなんですけど、きれいな物語だったなぁと。
宮本輝さんの描かれる男性って、ダメ男なのに憎めないんですよね(笑)
たぶん本棚に残ってると思うので、私も再読しようかなぁ。
返信する
Unknown (naru)
2009-01-09 22:04:23
ia.さん こんばん。
あ、ia。さんも好きでしたか^^
評価の高い作品ですよね。
読み始め古めかしい気もしたんですが
一気に読みました。
人間の業を描いた作品だと思います。
ヒロインの父親の言葉に「人間は変わって
いく。時々刻々と変わって行く不思議な
生き物だ」という言葉が印象に残りました。
お互いが戻ることはないのに、清々しい
ラストでした。
蔵王の美しい景色目に浮かびましたね(^_^)

>宮本輝さんの描かれる男性って、ダメ男なのに憎めないんですよね(笑)

実は宮本輝さん初読みです。
お恥ずかしいかぎりです^^;

違う作品も読んでみようかな。

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