バイクのブログ(YSP大分)

前はYSP大分の公式ブログでしたが、そちらでは少し書きにくいこともこちらで書いていきたいと思います。

オフのエキスパートへのキーワード 「トラクション」(ヤマハ・YSP大分)

2011-05-25 06:45:50 | モータースポーツ
山を自由に駆け回るオフロードバイク
でも、それを自由に操るのは、案外難しいもの。

そこで、ちょっとディープな話になりますが、

今日も、もっとうまく操るためのヒントを一緒に探して見ましょう。

今回の走りのヒントのキーワードは「トラクション」です。



さて「トラクション」とはなんでしょう。

クルマ関係の辞書によると「タイヤがスリップせず
クルマを前に進める状態」のことを一般にはいうようですが

オートバイ、バイクレースにおいては、
路面にエンジンパワーが伝わっていることを指し、

それが十分な状態を「トラクションが高い」と表現します。




この「トラクション」、目には見えませんが、
オートバイのコントロールに大きな影響をあたえています。

逆に、アクセルが開いていない、
トラクションがかかっていない状態の時は

非常にバイクは安定しないもの。

下の写真、#1成田選手の走り、アクセルが開き、
タイヤはがっちり地面を蹴っているにも関わらず
むしろ安定しているように見えます。

ここが実は、トラクションのなせるわざ

エキスパートと初級者の決定的な違いなのです。




各セクションごとに
トラクションとの関係を見てみましょう。

まずはコーナーリング。

わずかながらもアクセルを開け、
適度なトラクションをうまく与えることで
安定したコーナーリングが続けられます。

写真はタイヤが砂を巻き上げることで
後輪が地面を蹴っているのがわかりますが、
この砂地でこれだけの砂を巻き上げるには
けっこうパワーがかかっていないとできません。

しかし、このおかげで
フロントステアリングも安定した軌道を描き
スムースなコーナーリングができるのです。



また、オフロードの凸凹の路面では、

しっかりアクセルをあけ、
トラクションをかけ続けることで
フロントタイヤは直進性を保ち
左右に振られがちなハンドルを安定させることができます。

しかも、後輪が地面を蹴ることで
前輪はわずかに浮く形となり
凸凹の影響を最小限にすることができます。

下の写真、後輪からルーストがあがってますが
YZのフロントフォークが、
伸びきっているのがわかりますか。

この状態はサスペンションが
非常にやわらかく吸収のよい部分なのです。




このトラクション
有効に効かせるためにはタイミングも大事です。

下の写真のように、
フロントアップをするような場面を考えてください。

ここぞ、というときにうまく前輪を
浮かせるためには、自分の思うタイミング、
ピンポイントでパワーをかける必要があります。

ですが、エンジンはアクセルを開ける操作をしてから
駆動力がタイヤに発生するまで、少し時間がかかりますので

比較的エンジンの回転が元気のよいところをキープしておく、
また常に駆動力が期待できるギアを選ぶことなども大事です。

あわせて半クラッチなども
タイミングを確実にするには重要ですね。



ですが、オフロードの初級者は

パワーバンドをキープできないのでパワーを引き出せず、

また、アクセルを開けるのを恐れ、
かけられるトラクションの絶対量もわずかです。

(もっとも公道では、誰しもそういう乗り方しかできませんが)

しかしオフロードでは

トラクション不足はバイクの安定を失うことにつながり
積極的なコントロールもままならないため、

地面の凸凹に、されるがままに振られてしまいます。

それは、荒海で流されるがままの小船に乗っているのと同じこと。

あおられて、あおられて・・最後は沈没です。



以上のようなことから
練習のポイントが見えてきます。

1、いつでも好きなときにトラクションを取り出せるようにする

これは、エンジンの反応がよいギアをきちんと選択し
また、場合によっては半クラッチなどで補うことも必要でしょう


2、自分でかけられるトラクションの絶対量を増やす

地面にタイヤを押し付け、どれだけパワーを
地面に伝えられるか、ということに挑戦すること

そのためにはライディングフォームなども大事です。



また、よりトラクションをかけやすくするために
バイクをセッテイングすることも重要です。

それには多くのパーツが関わっています。

例えば、タイヤ。

純正のオンオフタイヤから
ブロックパターンのモトクロス/エンデュ-ロタイヤに
交換するだけで大きくグリップはあがります。



それにより、同じ操作をしたとて
トラクションは格段にあがるでしょう。

また、大胆なアクセルワークができ、
それがさらにトラクションをかけやすくします。
そしてコントロールの幅が大きく広がります

単に「すべらない」以上の効果が得られるのです。




また、スプロケットなどの交換により
タイミングを取りやすくすることもできます。

市販バイクに装着されている純正のスプロケットは
高速道路などの走行も考えているため

1速と2速、3速と4速というように
ギアとギアの間が離れており

平均速度の低いオフロードでは
トラクションがかけにくくなっています




ここぞ、というときの反応が悪いと

バランスを崩したときに
回復させる操作がやりにくくなります。

それも大きめの社外スプロケットに交換するだけで
絶対的な駆動力が増し、ギアとギアのつながりもよくなり

かなりタイミングを取りやすくなります。




他にもサスペンションや
キャブレターセッテイングなど

トラクションにかかわるパーツを調整することで
劇的にオフロードでのコントロール性をあげることができます。

ライダーの心情としてはつい、マフラー交換や
インジェクションプログラムの変更で
「パワーアップ」をやりたがるものですが

オフロードバイクではエンジンパワーがありすぎても
滑ってしまい、「トラクション」の面から見ると
逆にマイナスだったりします。

地面をとらえやすいパワ-特性が必要とされるのは
トラクションという観点から見ると理解しやすいのです。

ゆえに、適正な調整ポイントを探し出すのは難しい作業で
オフ経験のあるメカニックでなくては難しいでしょう。




以上のようにポイントを明確にした練習方法と
それにあわせたバイクのリセッテイングにより
あなたのレベルは、きっと大きくブレークスルーすることができるでしょう。


しかし、オフロードはリスクも高く
骨折などのケガでやめる人の割合がけっこう多い競技。

プロになるならそんなこと怖がってられませんが、

社会人の方が、そういうリスクを最小限にするためには
ゴルフなどの競技以上にコーチングが重要です。

練習は必ずベテランのアドバイスのもとに
自分にとって無理のない適正な練習をしましょう。






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