先週の日曜日、インドネシアで開催されたスーパーバイク世界選手権にて
ヤマハYZF-R1を駆るトプラク・ラズガットリオグルがrace1で2位に入り、
年間優勝を決定しました。
このクラス、ヤマハは2009年以来のチャンピオン(ベン・スピーズ)というからかなり久々です。
ここ6年はカワサキのジョナサン・レイがチャンピオンを独占、強さが際立っていましたが
それをさらに上回る素晴らしい活躍が光るシーズンでした。
ヤマハはご存じのようにロードレース世界選手権 MotoGPにおいても
ファビオ・クアルタラロがチャンピオンを獲得しており、
世界のスプリント2大レースを日本のヤマハが制したことになります。
YSPなのでヤマハの活躍がうれしいのはもちろんですが
どのクラスもかなり競争が激しいので、
一喜一憂、落ち着いてみてられません。明るい結末でよかったです。
さてトプラクが乗ったのが市販ベースのYZF-R1、
ファビオが乗ったのがプロトタイプのYZR-M1と違いはありますが
共通点はどちらも「クロスプレーンエンジン」であること。
ビッグバンと呼ばれる不等間隔爆発であり、
またクランクの構造などによりスムースなトルク特性が特徴となるエンジンで
そのおかげで過不足なく必要なだけのパワー/トルクを取り出しやすいため、
限界まで攻める走りには非常に有利に働くそうです。
市販車ではYZF-R1、MT-10に採用されています。
世界一を取ってくるようなエンジンを積むバイクが普通に買えるなんてさすがは日本。
・・と、もっともっと評価されてもよいのでは、なんて思うのですが。
(海外の人の方がその認識は高い傾向にありますが)
気が付けば2004年のYZR-M1&ロッシのコンビから始まり、もう17年になるこのエンジン、
いまだに輝きは失っていないとはいえ、最近はパワーについてはちょっと物足りなさも見え隠れします。
今シーズンはファビオ・クアルタラロからはモアパワーを求める声も多々ありましたね。
まぁクロスプレーンならではの扱いやすさあればこその年間チャンピオン、
数少ない世界を制す力を持つ日本の技術力の結晶であることは間違いないでしょう。
仮にヤマハでなくても、パワーで押し切るような剛腕マシンよりも、
コーナーリングで切れ味鋭いバイクで勝つ方が、日本らしくて好きと思うのは私だけでしょうか。
来年も最後の最後まで、勝利への期待をもって見守ることができれば幸いですね。