加地尚武の佐倉新町電気街

「福音の少年 Good News Boy」シリーズ(徳間書店 徳間デュアル文庫)著者による電脳生活と意見。

雨の夜によみがえる三十年前。

2010年05月20日 03時00分00秒 | 音楽・映画のこと
ちょっと昔のことを書きたい。
三十年あまり前、わたしは京都の貧乏学生だった。父母は四国の田舎で八百屋をやっていた。月一回、仕送りが届くと、わたしは大学の近くにあるジャズ喫茶でコーヒーを飲んだ。

一日百数十円で過ごすこともある学生にとっては、学食よりちょっとうまいコーヒーが飲めて、下宿のラジカセとは比較にならないほど素晴らしい音質でジャズが楽しめるジャズ喫茶というのは、とても思い切った娯楽だった。

レコード、音楽というものは、いまよりもずっと高価なものだった。

だから、月に数度、ジャズ喫茶にいるときは、ほんとうに一音一音耳に刻みつけるような気持ちでレコードを聴いていた、と思う。

「音楽鑑賞」などという言葉は、ふつうコンサートホールに足を運ぶイメージがあるだろうが、あのときのわたしは学生の身でささやかに「音楽鑑賞」を楽しんでいた。

ジャズ喫茶で過ごしたころに聴いて感動したレコードは、ほとんど覚えている。
さすがに吹き込んだ年代や、レーベルや演奏者全員は暗記していないけれど、ジャケットや主な曲は鮮明に思い出せる。

下のレコードもその一枚。もし一度も耳にしたことがなければぜひ。
ジャズの超名盤。詳しくはアマゾンのレビューで。

ホワッツ・ニュー
ビル・エヴァンス・ウィズ・ジェレミー・スタイグ,ビル・エヴァンス,ジェレミー・スタイグ,エディ・ゴメス,マーティ・モレル
ユニバーサル ミュージック クラシック

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