加地尚武の佐倉新町電気街

「福音の少年 Good News Boy」シリーズ(徳間書店 徳間デュアル文庫)著者による電脳生活と意見。

【じけん】生きていない人が生きている人を殺す。

2008年11月23日 16時25分10秒 | 社会時評なんちって
「ペット処分され腹立った」 小泉容疑者、出頭時に語る(朝日新聞) - goo ニュース

不謹慎だが、「意外な犯人と動機」という気がした。
年金に絡めて名を売りたい過激な政治結社のしわざ、くらいに思っていたのだ。
(それにしては「犯行声明」というものが出ないと思っていた)

犬が動機だとは思わなかった。(これまた不謹慎だが)橋本忍脚本監督の「幻の湖」という愚作映画を連想した。
復讐というのは、推理小説における殺人の動機ベストワンだろうけど、この動機であの犯行まで思い立つなんてストーリー、どんな推理作家でもなかなか書けないだろう。

しかし、この人物の動機そのものについて、あれこれ分析してもはじまらないだろうと思う。こんな、心が後ろ向きの、「生きていない」人間は、過去のどんなささいな恨みですら動機にしうると思う。それがペットのことだったり、学生時代のいじめだったりするだけのことだ。

この男は、生きていない。
人生のどこかで生きるのをやめてしまったのだ。
未来へ向かうべき生のエネルギーを遮断したために、ダムが小さな穴から決壊するように、遠い過去の、(人生の全体から見れば)ささいな出来事からあふれ出したのだ。

池田小学校殺傷事件の宅間と同じ意味で、生きていない人間に「死刑」が有効なのかどうかわからないが、あの人物と同じ意味で情状を酌量する余地も無いのではないかと思った。

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