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狭いベランダで育てているバラのこと、趣味のこと、トールペイントのことなどなんてことない毎日を書いていきます。

壮大な愛と反戦の物語、映画〈イングリッシュペイシェント〉

2024-09-07 10:52:00 | 映画
 


木曜日の夜に念願の〈イングリッシュペイシェント〉(1996年)をU-NEXTで見ました。
 
あまりにも素晴らしい映画だったので、今も感動を引きずっています。
 
舞台は第二次世界大戦末期のイタリア
撃墜されたイギリスの飛行機から全身火傷をおった男を助け出す
 
その男(レイフ・ファインズ)は記憶を失っていたため〈英国人の患者〉と呼ばれ
余命いくばくもない彼を看護師のハナ(ジュリエット・ビノシュ)は、空爆で破壊された修道院で看病する事にします。
 
看病される中で次第に記憶を取り戻す彼。
 
彼はリビアの砂漠を探検し、泳ぐ人々が描かれた洞窟を発見したハンガリー人、アルマシー伯爵でした。
アルマシーは、探検隊の一員であるイギリス人女性キャサリン・クリンフトン(クリスティン・スコット・トーマス)と激しい恋に陥る
ですが、彼女は同じく探検隊の一員である
ジェフリー・クリンフトンの妻だったのでした。
 
過酷な砂漠、そこで2人は運命に抗いながらもどうしようもなく惹かれ合い愛し合うようになります。
 
砂漠の美しい陰影、泳ぐ人々が描かれた洞窟
愛し合う2人
映像が芸術的で美しくてそれを見ているだけで胸に響く物がありました。
 
その2人の愛と苦悩、そして戦争、看護師ハナの恋、それを取り巻く人々と物語は幾つもの要素が重なり合って壮大で素晴らしいストーリーを紡いでいきます。
 
役者さんも皆素晴らしい。
レイフ・ファインズもクリスティン・スコット・トーマスも魅力的で
あってはいけない恋だと分かっていても、必然であると納得してしまう力のある演技。
また生き生きとしたエネルギーを感じさせるジュリエット・ビノシュが優しく包容力のある看護師の役を巧みに演じています。
(アカデミー助演女優賞を受賞しています)
 
最後、2人の恋は悲劇を生みキャサリンは命を落としますが
洞窟でアルマシーとキャサリンが過ごす場面が哀しくも美しく涙なしで見られません。
 
アルマシーは大きな傷をおったキャサリンを助けるために
砂漠を歩きイギリスの部隊の軍事基地に辿り着きます。
その時の言葉
「女性が怪我をしてるんだ、医者とあのジープを貸してくれ、妻が怪我をしてる。」
今までキャサリンの事を妻とは呼べなかったのですが
思わず妻と言ってしまう。
切ないです。
 
しかし、アルマシーと言う名前からイギリスの兵士はドイツ人だろう、と決めつけて捕虜として連れ去ろうとします。
 
ハンガリー人のアルマシー、イギリス人のキャサリン、ハナはカナダ人、ハナと恋に落ちるキップはインド系イギリス人
 
アルマシーの友人であるマドックスは劇中で言います。
「イギリス、アラブ、ハンガリー、ドイツ、それがなんになる。」
 
国境など何の意味もない
 
強い反戦の言葉として心に残りました。
 
ラスト、アルマシーはハナに痛み止めの注射モルヒネを全て打って安楽死させてくれ、と無言で頼みます。
 
戦争は終結し、これからの平和な日々に向けて歩き出すハナそして兵士達。
希望が垣間見えるシーン、そして争いの無意味さを問いかけるような最後でした。
 
とにかく美しい映像と音楽とストーリーで12分に堪能した2時間40分の映画でした。
 
アカデミー賞を7部門受賞しています。
 
見た方それぞれに推しがあるようですが
私はレイフ・ファインズ推しです。
 


この映画を大画面で見たいです。
午前10時の映画祭に期待しよう。

原作はマイケル・オダーチェの〈イギリス人の患者〉
とても美しい文体で書かれているそうです。

 


 
 
 
 

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