最近はサブスクで映画を見るばかりで
たまには映画館で、と思っていたら
丁度、大好きなフランスの映画監督、フランソワ・オゾンの映画が公開されている、と言うことで、観に行って来ました。
それも朝早くの回
8時20分に始まる回。
家を7時半に出て、満員電車でぎゅーぎゅーの鮨詰め状態になりながら行って来ました。
(映画が終わるのが10時10分、午後からたくさん時間があるのが良い)
こんなに早くに観に行く人いるのか、
と思っていましたが、6人ほど同じような人がいましたよ。
では、簡単なあらすじと感想を書かせていただきます。
[あらすじ]
80歳のミシェル。
パリでの生活を終え、人生の秋から冬に変わる時期を自然豊かなブルゴーニュの田舎で1人暮らしをしている。
秋の休暇を利用して訪れた娘と孫に彼女が振る舞ったきのこ料理を引き金に、それぞれの過去が浮き彫りになっていく。
人生の最後を豊かに過ごすために、ミシェルはある秘密を守り抜く決意をする。
ミシェルを演じているエレーヌ・ヴァンサンがチャーミングで魅力的です。
1人だけれども、食事を作り、掃除もして丁寧に暮らすミシェル。
親友のマリー=クロードと森の中を散歩したり、おしゃべりしたり、2人は姉妹のように仲良しだ。
人生の秋にこんな友達がいるといいなぁと思いました。
そしてパリから来た娘
過去に何かあったのか
母親に対してひどい言葉、ひどい態度。
それを見ていたら、私も胸が痛かったです。
ミシェルの作ったキノコ料理を食べて危うく命を落としそうになった娘は、孫のルカを連れてさっさとパリへ。
優しい孫に会えなくなったミシェルは、ひどく落胆して親友に愚痴をこぼします。
眠れない、食欲もない。
この娘もひどいのですが、親友のマリーの息子も、刑務所に入っていて、マリーはそれを気に病んでいます。
漸く出所してきた息子は、パリへ向かいミシェルに対してひどい娘に態度を改めるようにと、説得します。
場面が変わって、ミシェルは、娘のヴァレリーが死んだと言う知らせを受け取ります。
色々と悩みを抱えていた娘は、ベランダから飛び降り自殺したと言うことになります。
もう二度と孫のルカと会えないと思っていたミシェルですが、娘の死によって田舎でルカと暮らすことになります。
心の底から幸せそうなミシェル
親友に「ほとほと、あの娘には困っていたの。悪いけど、死んでくれてほっとしたわ。」
娘と母親の間にあった事
娘のヴァレリーの本当の死因は?
色々なところに秘密が隠されている。
そして、秘密が完全に明かされるわけではない
タイトルからは一見穏やかに見える映画ですが、サスペンスフルで中々に毒を含んでいる内容でした。
親友のマリーが病に倒れた時に、ミシェルにある告白をするのですが
「良かれと思ってやった事が大事なの。」
と、マリーに思いを伝えるミシェル。
この部分がこの映画の肝だと思います。
見応えのある心に様々な思いが湧き起こる素晴らしい映画でした。
フランソワ・オゾンの映画は、最後にふわっと暖かい希望を感じさせてくれます。
そこも好きなところ。
それにしても多作です。

ブルゴーニュの自然が美しい

娘と孫のために2人でキノコ取りに行く。

辛辣な娘
ある事で母親を憎んでいる
(それは映画の中で明かされます)
でもそこは親子、お互いに複雑な感情が。


父親との暮らしではなく、祖母と暮らすことを選ぶルカ
ルカが、可愛くて優しくて心慰められました。

マリーの息子、ヴァンサン
ミシェルを母親のように慕っている。
私達の年代の女性が見ると色々と身につまされる部分もあるし、癒される部分もあります。
オススメです。
風景が美しいので、映画館でぜひ。