Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

国分寺の素敵なお店

2009年11月22日 | 東京
 沖縄で仕事をするまで、長いこと国分寺市の住民だった。子どもの頃から国分寺駅周辺は私の遊覧テリトリーである。今も実家が国分寺にあるために、頻繁に戻るため、国分寺=わが街という意識には変化がない。
 国分寺に好きな店は数あるが、その一つが写真の中古レコードとCDの「珍屋」。何軒か同じ店が国分寺の北口側にもあるが、私が好きなのはこの南口にある地味な店である。まずドアが洒落た自動ドアでなく手動で「ガラガラ」って感じなのがいい。さらに気に入っているのがその品揃え。たぶん店長は私と同世代かあるいは少し上の世代なのだと思うのだが、1950年代から1970年代のアメリカや日本のフォーク、ポップに詳しそうな並べ方を感じるのだ。正直いうと、意外にロックには愛を感じない店で、それもまたポリシーが強く感じられていい(私がロックが嫌いなわけではないが)。
 今日はちょっぴりほろ酔い気分で「珍屋」に立ち寄る。ほろ酔い気分で中古CDやレコードを見るなんて、実に至福の時間ではないかい?ボーっとして、パタパタという音をさせながら、一枚ずつレコードを繰っていくその規則的なリズムが眠気を誘う。今日の店のBGMはピアノ、ベース、ドラムのスローなジャズ。なんだかすっかり気持ちがよくなって、ズルズルとこの場所に吸い込まれそうな気がした。それに怖くなって何も買わずに急いで店を出た。冷たい外気に触れた瞬間、買おうと思ったCDが思い出せなくなった。いったいこの店の中にはどんな時間が流れているんだろう。いやいや、これは私の酔いのせいかい?とにかく現実に戻って、何もかもゆっくり考えないと、どれも解決しないまま時が流れていきそうだ……。止めないといけない。ブレーキをかけなきゃ。