真っ青な秋晴れの空の下、庭園鑑賞学講座の締めくくりとして、清澄庭園の見学会が行われた。尤も講師の河原氏に言わせると、この庭園の見所は水にあり、雨に濡れる石の風情は他に比較できる所は無いと行っていたが・・・・ この庭園の最も大きな特徴は5t・10tはあろうかという巨石を自由に使いこなし、枯山水のような使い方ではなく、池や庭園の各所に自由に使いこなしていることにあると言う。更にこの庭園は池の形と、島や入り江が複雑に配され、回遊式庭園としては抜群な環境を持っていると評価していた。この原因の一つは庭園の歴史にあると言う。河原講師に言わせると、ここは紀伊国屋文左衛門の別邸後とも言われるが確証は無い。安静年間の江戸切絵図によれば下総国関宿の城主久世大和守の下屋敷として記載されていると言う。維新後徳川慶喜や前島密の所有となっていたが、明治11年岩崎弥太郎が買収、三菱社員のための深川親睦園を開設した。その後19年に京の庭師磯谷宋庸を招き本格的に改修を始め、そのときには庭園は隅田川・仙台堀と水路で繋がり、巨石の運搬が出来る体制が整えられていた。完成は明治24年であった。関東大震災に措いても、大きな被害を受けたが、この庭園には近隣の住人一万人が避難したとの事である。岩崎家では修復不能として転用を企てたが、東京市の説得で東半分が大正13年東京市に寄付された。ここで京風の庭から江戸風の景色に変えられている部分が有るらしいが詳細は聞き漏らした。要するに、小石川後楽園や、六義園と違い明治になってからの日本庭園がそのまま残されているとの事であり、その池を中心とした風情は旧古河庭園や旧岩崎庭園・皇居東御苑とは違ったものがあるのだろう。先生について庭園を巡ると、なるほど池とその周辺に配された石が抜群である。特に各地から取り寄せられた石の按配が素晴しい。先生の言によれば、雨に濡れた青石は本当に青く色を出すとの事。雨の日に是非来て見たい物だと思った事であった。先生は10月から引き続き月一回のペースで講座を開くとの事。実習は六義園でしめるという。申し込んでみようかな・・・・ それとも旧古河庭園のガイドボランティア養成講座とやらに参加してみようかな・・・
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