詩集「2N世代」

詩作品、短編、評論、エッセイ他: Blogタイトルと内容がこの数年異なってきた。タイトルを変えたほうがいいかもしれない。

Louis Aragon : Les yeux d'Elsa

2010年09月18日 19時34分45秒 | Art & Literature & Movie & Music

Louis ARAGON et Elsa TRIOLET: Photo
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Louis Aragon :
Les yeux d'Elsa par Jean Ferrat:
Louis Aragon の詩作品によるシャンソンなら私はむしろこちらの方が好きだが。
Louis Aragon :
Aimer à perdre la raison par Jean Ferrat:
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「エルザの瞳」はシャンソンの名曲となっていて、石井好子さんも60周年記念リサイタルで、解説をいれて歌われた。エルザ・トレオノへの愛の歌だ。アラゴンの詩は結構シャンソン歌手達に歌われている。Jean Ferratも共産党員、そしてLouis Aragon もまた。時代ゆえなのだろうが、Communist歌手は60年以前の30年間ならシンパも入れると軽く7割を超えるのではないだろうか。勿論シャンソン論で政治色を語られることは、特に日本では決してないが。従って日本では「エルザの瞳」はエルザへの激しい愛の歌以外の何ものでもない。
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今日みすず書房刊「シュルレアリズムという伝説」飯島耕一著p.51-p.52を読んでいて、興味深い記述にであった。以下に引用する。
ジャン・シュステルは(中略)第二次世界大戦後のパリでのアラゴンとエルザの振る舞いについて述べ、戦後フランスの悪質な作家国民委員会、CNEの中心にいて牛耳ったのは、アラゴンではなくその妻である凡庸な作家、エルザ・トリオレであるとし、彼女は策謀の専門家だったとしている。スターリンの弟子である彼女は、マヤコフスキーの自殺した年である1930年にシュルレアリズム運動からアラゴンを無理矢理引き離して以来、アラゴンを言いなりになるように仕立ててきた、というのである。
エルザのイメージ、この曲のイメージを完全に覆す記述である。興味をもたれた方はたくさん出ている「ルイ・アラゴン論」を読まれることをお勧めします。
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ついでに同書p.106からの引用を追加
サルトルの予言は米ソの冷戦による対立構造までは見抜いたが。無理なからぬこととは言え68年以後、ソビエトの官僚主義の批判はしたが、その崩壊までは見通せなかった。現在の状態をブルトンに示しても大きな動揺は見せないだろうが、サルトルに見せたら動揺することになろう。もしアラゴンに見せて、ブレジネフをはじめとするソビエト共産党からの勲章がモスクワで売られているのを知らせたら、驚愕ではすまないことだろう。日本共産党の不感症は処置なしの重症以外のものではない。
飯島耕一氏の筆はシュルレアリスムの研究者の独自性が光っている。シュルレアリスムのガラスを通せば、誰にでもこう見えるのだけれども。
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Louis ARAGON et Elsa TRIOLET : Video



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