
昨日は東京へ仕事に出かける糸駒を見送ってから、野村たかあきさんのでくの坊を訪ねました。今年は、少しばたついていて野村さんの『暮れ展』に行けないかったんです。でも『鬼の版画ごよみ』がないと年が越せませんから、遅ればせなのですが分けてもらいに行ったんです。
しばらく訪ねないでいた間に、野村さんの工房『でくの坊』がなんかすっきりしてしまってました。無沙汰を詫びながら声をかけたら野村たかあきさんと奥さんの二人が笑顔で出迎えてくれました。嬉しいことです。
来年の『鬼の版画こよみ』、まだ在庫がありました。良かったです。欲しい方はさ、『でくの坊』(電話・FAX 027-243-7061)へお問い合わせください。
これで、来年も元鬼で過ごせます。ありがたいことです。
『でくの坊』には懐かしい作品が飾られてました。左は『鬼ころ』、野村たかあきさんの出発点になった木彫です。私が知り合ったころは木彫が仕事だったんです。
右の版画も懐かしいです。1887年、30年前の木版画作品です。私の居間にかけてある木版画作品はこれより少し前の彼の最初の作品の一つです。柔らかな鬼の姿が大好きでした。
絵本『しにがみさん』も並んでました。
「あれ、再刊したんだ」
「そうなんです、再刊できたんです。再刊を希望する皆さんの声が出版社にも届いて…」
落語の「死神」を題材にした絵本なんです。初版の時結構な評価をもらった作品だったんですけど、出版社の都合で停まってしまってたんです。良かったです、再刊されて…
で、その隣に、『ねこのさら』ってのが並んでるではないですか。
「新刊ですね、『らくごえほん』、継続することになったんですね…」
「そうなんです、また始められることになったんです。それも柳家小三治師匠が監修してくれることになったんです」
「それはよかったですね」
「なかなかかわいいね…」
「キキちゃんに見てほしかったな、キキちゃんのために差し上げます…」
「ありがとう…」
キキはなんと言うかな…、この猫見て…
『ねこのさら』は、文・絵:野村たかあき 監修:柳家小三治(人間国宝) 発行:教育画劇
詳しくは絵本ナビでご覧ください、こちらです。
それでね、『鬼の木版画ごよみ』をいつもお世話になっているみなさんのところへお届けに歩いたんです。広瀬川の遊歩道は柳の葉が散りはじめていました。一番遅くに落ち葉するんですよね、柳は。
熊野神社の冬桜、きれいに咲いてました。焙煎館にはもうロウバイが届いてました。
「今年はもらえないのかな…、なんて思ってたんだけど…」とかさ、
「よかった、魔除けが来てくれて…」とか、皆さんに喜んでいただけました。
こよみ配りを終えて、中央通りの広場に来たら子どもたちが楽しそうにパレットの上で遊んでいました。
見てたら、2年前のこと思い出してちゃいました。
2年前の12月9日のことです。狩野動物病院でキキは『腎不全』の診断が確定したんです。その帰り道、この広場でキキといろんな話をしたんです。
そいで、一緒に頑張っていこうぜってことになったんです。新しい日めくりが始まった記念日になったんです。
私にとって忘れられない日でした。キキと『死』を意識しながら暮す、暮らさなくてはいけないことになった日なんです。
一年後、去年の12月8日のこと、365枚目の日めくりめくった日にキキはこんなこと言ってたんです。
(≡^~^≡) (≡^~^≡) (≡^~^≡) (≡^~^≡) (≡^~^≡)
<あんね、ちょいと考えてたんだけど、おヒゲはさ、あたしが病気になったからって勝手に自分の方が長生きすることを前提にものを言ってる気がするのね。それっておかしくない、おヒゲの方が先に逝くかもしれないのよ>
「そうかな…」
<それでさ、おヒゲが先だったらさ、キキが歌を唄ってあげることにしたの>
「何を歌うの?」
<♪♪〜 かあいそうだよ牡丹餅さんは
搗かれて焼かれて叩かれて
お椀の舟に箸の櫂
お腹に一夜の宿を借り
明日は出て行く下関 〜♪>
「なんだい、そりゃ……」、私の日めくりの最終章だそうです。牡丹餅なんだ、私は…
(≡^~^≡) (≡^~^≡) (≡^~^≡) (≡^~^≡) (≡^~^≡)
二度目の356枚目の日めくりをめくることはできませんでした。もしめくってたら、キキはどんな歌を歌ってくれたかな…
いろいろ思い出します。毎日が記念日なんです。とりわけ昨日は…
<今日はさ、子供会の餅つき大会のお手伝いでしょ、ちゃんとやってこなくちゃだめよ。
うだうだしてないで、お米ちゃんと蒸しといで…>
はい、あんじゃあないように、ちゃんとやってきます!
直派若柳流の若柳糸駒ことユキ子でございます。
祖母の初代若柳吉駒、そして伯母の二代目吉駒の下で修業して参りました。
初代吉駒が始めた美登利会は、来春で75回目の節目を迎えます。予定通り、4月8日に開催いたします。
亡くなりました二代目吉駒の遺志と教えをしっかり守って、一生懸命つとめてまいりますので、これからも引き続きよろしくお引き立ていただきますようお願い申し上げます。
今春の第74回美登利会の舞台の様子はコチラでご覧になれますす。
お稽古場は前橋市城東町四丁目です。詳しくはコチラをご覧ください。
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