猫のキキとヒゲおじさんのあんじゃあない毎日

『あんじゃあない』って、心配ない、大丈夫っていう群馬の言葉、いい歳こいたキキとおヒゲのどうってことない前橋の暮らしです

直派若柳流舞踊会第74回『美登利会』が開かれ、糸駒は晒三番叟をつとめました

2017-04-10 05:33:26 | あんじゃあない毎日

昨日、直派若柳流舞踊会『第74回美登利会』が開かれました。
写真はフィナーレです。今回のフィナーレは、前橋にある小さな遊園地・前橋るなぱあくのオフィシャルテーマソング『るなぱっ!』でした。私が園長になったときにつくられた歌なんです。

 歌っているのは、元宝塚宙組の遥海おおらさんです。おおらさんは、小さい時から二代目吉駒に日本舞踊の手ほどきを受け、若柳一吾という名取さんなんです。
みんな揃って、賑やかで楽しいフィナーレになりました。

 

 美登利会は先代の吉駒が始めてから80年になります。戦争中に開催を禁じられた期間がありましたんで、それで74回目なんです。長いことやってると、いろんなことがあります。今回も…
「皆さんにお詫びしなくてはなりません…」、開演の幕開けで吉駒がご挨拶です。隣りは糸駒(ユキ子)です。こういうことは普通の舞踊会ではないことなのですが…
「私、おっちょこちょいなもんですから、ちょいとひざを痛めてしましまして踊れなくなってしまいました。本当に申し訳ありません…」、そうなんです、おっちょこちょいな師匠は、付添いの弟子の不注意も重なって膝を痛めてしましました。そいで、師匠と弟子でお詫びのご挨拶になりました。

 口開けに吉駒が舞う予定であった常磐津の名曲『松島』は、糸駒が代役を務めました。吉駒の舞台を楽しみにしていたお客さまには本当に申し訳のないことでした。

ということで、口直しにかわいい子どもたちの舞台をご覧ください。

 

小菅あおいちゃん(6歳)の長唄『春駒』です。初春を祝う踊りをかわいらしく踊ってくれました。
後見は糸駒が勤めています。

 

遠山よしのちゃん(7歳)の長唄『羽根の禿(かむろ)』です。こちらも初春の風景です。松飾りが設えられた吉原の茶屋の前で、羽をついたり、手まりで遊んだり、あどけない少女の姿を描いています。

  天明5年(1785年)に江戸の桐座で初演された歌舞伎舞踊です。江戸の町の華やかさを伝えています。

 

生方文子ちゃん(10歳)の清元『子守』です。
今どきは子守りなんてしないですから、文子ちゃんも大変だったのではと思います。まして、この子守りは、お姉ちゃんが弟を面倒見ているのではなく、遠く越後から江戸へ子守奉公に出てきた幼い少女の姿なんです。文政6年(1823年)に江戸の森田座で初演された舞踊ですから。

 お使い帰りにとんびに油揚げを盗られてしまっちゃうところから始まるんです。こういう設定も今は考えにくいですよね。
理解するのがとっても難しい踊りに文子ちゃんはちゃんと挑戦してくれてました。よかったです。

 

若柳糸奏(高橋奏良さん)と若柳糸玖(高橋岳玖さん)の清元『神田祭』です。二人は姉弟です。小さなころから糸駒の稽古場に通ってきていて、奏良さんはこの春高校生になりました。
神田明神の祭礼に参加した粋な手古舞といなせな若頭、格好いいですね。

 岳玖さんは、この4月1日に『糸玖』の名を取りました。
江戸の祭りの賑やかで楽しい風情を上手に伝えてくれました。

 

 そこで、ちょいと舞台裏を。こちらはアナウンス席です。ステージの袖のところにあります。今回のアナウンサーは有砂順子さんです。後ろ姿ですみません。

 幕間、次の演目の舞台装置が設えられて、アナウンスが始まる直前です。大道具のヤマト舞台さんと照明の高橋さんが並んで座っている前で、若柳之津さんが出を待っています。そのずっと向こう、舞台がのぞける場所に坐っているのが吉駒です。昨日は舞台をつとめませんでしたが、この場所からみんなの舞台をずっと見てたんです。

 

そして、若柳駒弥(高山やよいさん)と若柳駒穂(高山真穂)の清元『玉兎』です。一人で兎と狸を踊り分ける一人立ちが多いのですけれど、直派若柳流では兎と狸の二人立ちで踊ります。
餅つきしたり、かちかち山のお話しが出てきたり、とにかく楽しい舞台です。

 真穂さん・やよいさん姉妹が楽しい物語を上手に見せてくれました。

 

糸駒は長唄『晒三番叟』をつとめました。
歌舞伎舞踊の三番叟は能の『翁』をベースに造られたと言われていて、いろんな三番叟があるのですけれど、この三番叟は歌舞伎の女形のために作られた珍しい三番叟なのだそうです。江戸の宝暦5年(1755年)の初演です。

 奉納された源氏の白旗が失われて騒ぎになっているところに曽我の二の宮が現れ、周囲から怪しまれないために厳かに三番叟を舞うという物語なのです。この曽我の二の宮は実は平忠度の娘如月姫、手に入れた源氏の白旗を振って布晒をみせるというお話らしいです。

 歌舞伎舞踊の中で布晒を初めて舞踊化した演目なのだそうです。あまり演じられることがなく、美登利会でも35年振りだそうです。
まあ、長い白布を振り回してお疲れさまでした。

 

  ということで、吉駒が踊れないという申し訳ない出来事があったのですけれど、なんとかフィナーレを迎えることができたみたいです。後援会長の茂木さんがご挨拶、隣に吉駒も並んでました。
夏の浴衣ざらい、秋の和楽会70周年記念の会では、舞台をつとめたいと申しております。お許しください。足を運んでくださった皆様にくれぐれもよろしくとのことです。

 

  会場を出ると、桜が散り始めていました。昼近くまで降り続いた雨でできた水溜りは花びらがいっぱいでした。

 私は、家に戻ると餃子を焼いていただきました。なぜかって…

  朝、FB見たらぜん家の渡辺さんが、「本日、地元JAファーマーズ朝日町店で午前中試食販売しております」だって。そいで、「すぐ行きます!」ってお返事して買いに行って来たんです。写真は、渡辺さんのFBから拝借しました。おいしかったです。

 

 

 直派若柳流の若柳糸駒ことユキ子でございます。
昨日、第74回美登利会にお越しいただいた皆さま、誠にありがとうございます。心より御礼を申し上げます。
来春は75回目の節目を迎えますが、4月8日に開催できますよう既に会場を確保いたしました。これからまtら一年、しっかり精進いたしますので、引き続き
よろしくご贔屓いただきますようお願い申し上げます。

74回を迎えます今春の美登利会は、4月9日前橋市民文化会館大ホールで開催いたします。昨春の舞台の様子はコチラです
お稽古場は前橋市城東町四丁目です。詳しくはコチラをご覧ください

 

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