猫のキキとヒゲおじさんのあんじゃあない毎日

『あんじゃあない』って、心配ない、大丈夫っていう群馬の言葉、いい歳こいたキキとおヒゲのどうってことない前橋の暮らしです

100年前の馬場川通の中心は料亭岡源、新たに誕生した白井屋ホテルの並びにあったのです。福田貂太郎さんの絵でご覧ください

2021-11-25 07:36:44 | あんじゃあない毎日

福田貂太郎さん(1905~1999)が描いた馬場川通、料亭岡源の玄関口です。「明治末期の旗楼岡源の光景也」と書かれていますから、100年ちょっと前の馬場川通です。

 前日、白井屋ホテルの前を通ったら素敵な賑わい、それで思い出したんです。去年の11月に「白井屋ホテルの感想②」を書いた時、しばらく前に今知奇で開かれたハラサワコレクションの展覧会で撮らせてもらった福田さんの絵を紹介したことを思い出したんです。一年経ちましたので再び紹介します。

 
昨日の白井屋ホテルはクリスマスのイルミネーションのセットをしていました。どんな風景になるのかな、楽しみです。この通りは、その昔、前橋の花町の中心だったんです。


白井屋ホテルの隣の「こまち」のビルの隣に木造の建物があります。現在は個人のお住まいになっていますが、「清元」という旅館でした。もちろんこの辺りは前橋空襲の被災地ですから、戦後の建物です。初代吉駒と二代目吉駒の師匠だった若柳寿慶師の夫人がここを清元の稽古場に使っていたそうです。


その隣が群馬銀行前橋支店です。この場所に、料亭岡源はありました。福田貂太郎の絵にある料亭への橋掛かりは、ここの馬場川の風景なのです。

 
福田貂太郎の岡源の絵の左下に墨で書き込みがあります。読み下してみます。

……明治末期の料亭「岡源」の風景です。子どもの頃、この通りを毎日のように通りました。そのたびに、眺めていたこの建物の記憶は、薄れたとはいえ、今でも眼の底に焼きついています。
最近訪ねてこられた人に、岡源の店の写真を見せられ、懐かしさに胸がふくらみました。川をのぞいては、流れの音を聞き、泥土の道を駆け回った少年の日に引き戻された気持ちになりました。そして、にわかに絵心がわいて、写真に記憶を加えて、この絵を描きました。

今風の言葉に書き直すとこんな感じです。福田貂太郎にとって、前橋空襲で焼失した岡源の建物は、馬場川通の風景の記憶そのものなんですね。


喫茶店「こまち」で見せてもらった詩人の伊藤信吉さんの句です。「なんか書くものないかな」って、コーヒーをすすってた伊藤さんに声をかけられ、「お手元の本に書いて構いません…」と答えたら、本の表紙裏にこの句を書かれたと、店主の北原雄一郎さんから聞きました。「古き日の馬場川通り也」、詩人の遠い記憶です。崖下の街は、かつては花街だったんです。糸繭の取引が最盛期の頃には、200人を超す芸妓がいたって聞いています。ユキ子さんの祖母の初代吉駒とその娘の二代目吉駒は、そんな花柳界の舞踊の師匠でした。

 料亭岡源は前橋空襲の後、現在のアーツ前橋の場所で再建されました。私が大人になってこのまちに戻ってきたときは、料亭の姿はなく、ボーリング場とレストランになっていました。

白井屋ホテルがオープンして一年経ちます。何か素敵なものが生まれ育つ予感が少しずつ現実になってきています。街は変わります、変わらなくちゃいけないのです。

 

  
昨日の朝食後の一仕事はいただき物のクワイのうま煮づくりでした。出汁とって、皮剥いて、水に晒して、煮汁を仕立てて、30分ほど煮てそのまま煮汁に漬けておきます。ほっくりしておいしいですよ。

  COCOがベットの上の陽だまりでお天道さんと遊び始めたので、西片貝のワークマンへ買い物に出かけました。赤城山の上には厚い雲、新潟との県境の山並みは雪かもしれません。風がすごく冷たいです。

  温かい靴下3足、手袋一つ、ボトムス1本を買いました。寒さ対策です。帰りにまん丸に刈り込まれたヒイラギに白い花がたくさん咲いていました。冬がすぐそこです。

 

 
午後1時ごろ街へ出かけました。中央駅脇の広瀬川の水面には風波が立っていました。カルガモたちは風が当たらない側の川岸に寄っていました。「ひろ子」へ漬け込んでおいた赤大根を届けて、青井食堂でカツ丼に挑戦しました。ご飯を少し残しただけ、おいしく食べられました。

 
それからちょいと用足しして、風の街を歩いてきました。東和銀行本店北側のプラタナスがきれいでした。

 

 
わが家のヤマモミジも散り始めました。この木の葉が散ると秋が終わって冬になります。でも、玄関先の植木鉢の中ではタツナミソウがまだ咲いています。このタツナミソウは、岡源のあった馬場川通にほど近い初代と二代目吉駒の稽古場の庭で暮らしていた草です。いつまで咲いているつもりなのかな…

 家に戻って菊花を茹でて甘酢に漬け込みました。菊の花と遊ばせてもらうのもこれがこの秋最後の気がします。もう畑に食用菊を見かけなくなりました。

 


夕食はクワイと一緒にY.H.さんが手作りして送ってくれた秋刀魚の燻製を使ったパスタを作りました。サンマとアスパラ菜、ニンニクとディルを聞かせてソースにしました。おいしかったです。ごちそうさまでした。

  野菜スープは、大根、人参、キャベツ、シメジ、茎ブロッコリー、玉ネギです。そして、野菜のチーズ焼きは、ズッキーニ、ナス、赤ピーマン、椎茸でした。

朝の冷え込みは冬を感じます。秋は足早です。ひろ子の記念酒を送った北海道は急な大雪みたいです。荷物はちゃんと届くのかな…

 

11月24日の体温  7:30 36.5℃  12:30 36.6℃  21:30 36.4
 11月25日 7:30 体温 36.4℃  血圧 最高116 最低64

 

 若柳吉駒でございます。
私が祖母の初代吉駒の手ほどきを受けたのが2歳の時でした。3歳で美登利会の初舞台を踏ませていただきました。以来、伯母の吉啓師と二代目吉駒の指導の下、精進してまいりました。そして、第75回の舞踊会から美登利会を引き継いでおります。
第78回美登利会は、来春の4月10日開催の予定で会場を手配いたしました。会員一同、これまで以上に精進を重ねてまいりますので、なに程よろしくお願い申し上げます。

第77回美登利会と三代目吉駒リサイタルの舞台はこちらでご覧になれます
第76回美登利会と三代目吉駒襲名リサイタルの舞台はこちらでご覧いただけます

お稽古場は前橋市城東町、詳しくはこちらをご覧ください


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