自民党の衆院選マニフェスト公表を受けて、1日付5大紙は社説で論評した。
特に日本経済新聞は、第1面はもとより、第2面から第5面までスペースを大きく割いて特集記事を掲載して検証している。
全党のマニフェストの比較検討評価がなされる中、日経の、識者による採点には「なるほど感」が高まるが、それによれば自民250点、民主210点で自民マニフェストが僅差勝ちしている。
このことを証明するのが産経新聞で、民主党との違いを項目ごとに挙げている。
■社説タイトル
●朝日:自民党の公約―気迫が伝わってこない
●産経:自民党公約 米へのミサイル迎撃評価
●日経:目標は掲げたが筋道見えぬ自民公約
●毎日:自民マニフェスト さあ公約を比べよう
●読売:自民党政権公約 「責任力」に見合う具体策示せ
■指摘される曖昧さ
●朝日:具体的な予算額や手順などはほとんど書かれていない。おおづかみでも工程表の形で財源調達の見通しを示し、国民を説得すべきではないか。
●産経:(末尾に全文を記録)
●日経:実現への道筋には不明確な点が多く、改革続行への決意もかすみがちだ。
●毎日:総花的で数値や期限もあいまいだ。民主党に対抗する旗が十分に示されたとは言い難い
●読売:個々の政策を実現させる道筋には曖昧な部分が目立つ。今後の論戦を通じて、さらに具体的な説明に努める必要がある。
■識者の採点(日経新聞)
●項目、自民・・民主、評価(識者)
●総論、65・・70、民主完成度高まる(東大准教授・谷口将紀氏)
●雇用、60・・30、派遣規制には疑問(国際基督教大教授・八坂尚宏氏)
●教育、60・・70、高校無償化は評価(同志社大教授・楠木俊詔氏)
●外交、65・・40、自民の方が具体的(慶応大教授・田所雅幸)
■『産経新聞【主張】自民党公約 米へのミサイル迎撃評価』の全文
自民党は衆院選マニフェスト(政権公約)で、「日本を守る責任力」を強調した。
その柱のひとつは、北朝鮮が米国に向けて発射した弾道ミサイルの迎撃が可能となるように「必要な安全保障上の手当てを行う」と明記したことだ。加えて、ミサイル防衛(MD)で連携する米艦艇の防護も挙げた。
いずれも、これまで憲法上許されないとされる集団的自衛権の行使に抵触するとして、認められなかったものだ。集団的自衛権の表現は用いられなかったが、憲法解釈の変更に踏み込むことを明確にしたもので評価したい。
また、日米安保体制の強化やテロとの戦いへの参加継続などを明示したのは、政権政党として当然だ。民主党はインド洋での海上自衛隊の補給支援を来年1月で終了するとしている。国益維持に何が必要かの論戦を求めたい。
自民党らしさに関しては、自主憲法制定の方針を改めて打ち出した。教員の政治的中立の徹底を掲げ、教育現場に労組のイデオロギー闘争を持ち込ませない姿勢も明確にした。
昭和30年の立党時の精神にもつながる政策を強固にし、国のかたちを考える基本的な立場を国民に見せる必要がある。
財政健全化については、今後10年以内に国・地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化を達成する目標を明示し、この問題への取り組みが欠落している民主党との違いを示した。
消費税を含む税制の抜本改革について、平成23年度までに必要な法整備を行い、景気回復後に実施する既定方針も明記した。税率は4年間上げないとする民主党との論争を聞きたい。
自民党の「幼児教育無償化」と民主党の「子ども手当」など、似通った人気取りの政策を競っている側面もある。ポピュリズムに陥りすぎないよう、財源やその効果のバランスを考慮した政策をとることも責任力といえる。
自民党が明確にすべきは、この国をどうするかの具体的な全体像だ。外交・安全保障や財政再建などを中心に、民主党よりも政権担当能力を持っていると訴えたが、民主党批判だけにとどまっている限り、建設的とはいえない。
日本丸のかじ取りを継続して担おうという麻生太郎首相は、その決意と覚悟、そして国家像をもっと語るべきだ。
特に日本経済新聞は、第1面はもとより、第2面から第5面までスペースを大きく割いて特集記事を掲載して検証している。
全党のマニフェストの比較検討評価がなされる中、日経の、識者による採点には「なるほど感」が高まるが、それによれば自民250点、民主210点で自民マニフェストが僅差勝ちしている。
このことを証明するのが産経新聞で、民主党との違いを項目ごとに挙げている。
■社説タイトル
●朝日:自民党の公約―気迫が伝わってこない
●産経:自民党公約 米へのミサイル迎撃評価
●日経:目標は掲げたが筋道見えぬ自民公約
●毎日:自民マニフェスト さあ公約を比べよう
●読売:自民党政権公約 「責任力」に見合う具体策示せ
■指摘される曖昧さ
●朝日:具体的な予算額や手順などはほとんど書かれていない。おおづかみでも工程表の形で財源調達の見通しを示し、国民を説得すべきではないか。
●産経:(末尾に全文を記録)
●日経:実現への道筋には不明確な点が多く、改革続行への決意もかすみがちだ。
●毎日:総花的で数値や期限もあいまいだ。民主党に対抗する旗が十分に示されたとは言い難い
●読売:個々の政策を実現させる道筋には曖昧な部分が目立つ。今後の論戦を通じて、さらに具体的な説明に努める必要がある。
■識者の採点(日経新聞)
●項目、自民・・民主、評価(識者)
●総論、65・・70、民主完成度高まる(東大准教授・谷口将紀氏)
●雇用、60・・30、派遣規制には疑問(国際基督教大教授・八坂尚宏氏)
●教育、60・・70、高校無償化は評価(同志社大教授・楠木俊詔氏)
●外交、65・・40、自民の方が具体的(慶応大教授・田所雅幸)
■『産経新聞【主張】自民党公約 米へのミサイル迎撃評価』の全文
自民党は衆院選マニフェスト(政権公約)で、「日本を守る責任力」を強調した。
その柱のひとつは、北朝鮮が米国に向けて発射した弾道ミサイルの迎撃が可能となるように「必要な安全保障上の手当てを行う」と明記したことだ。加えて、ミサイル防衛(MD)で連携する米艦艇の防護も挙げた。
いずれも、これまで憲法上許されないとされる集団的自衛権の行使に抵触するとして、認められなかったものだ。集団的自衛権の表現は用いられなかったが、憲法解釈の変更に踏み込むことを明確にしたもので評価したい。
また、日米安保体制の強化やテロとの戦いへの参加継続などを明示したのは、政権政党として当然だ。民主党はインド洋での海上自衛隊の補給支援を来年1月で終了するとしている。国益維持に何が必要かの論戦を求めたい。
自民党らしさに関しては、自主憲法制定の方針を改めて打ち出した。教員の政治的中立の徹底を掲げ、教育現場に労組のイデオロギー闘争を持ち込ませない姿勢も明確にした。
昭和30年の立党時の精神にもつながる政策を強固にし、国のかたちを考える基本的な立場を国民に見せる必要がある。
財政健全化については、今後10年以内に国・地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化を達成する目標を明示し、この問題への取り組みが欠落している民主党との違いを示した。
消費税を含む税制の抜本改革について、平成23年度までに必要な法整備を行い、景気回復後に実施する既定方針も明記した。税率は4年間上げないとする民主党との論争を聞きたい。
自民党の「幼児教育無償化」と民主党の「子ども手当」など、似通った人気取りの政策を競っている側面もある。ポピュリズムに陥りすぎないよう、財源やその効果のバランスを考慮した政策をとることも責任力といえる。
自民党が明確にすべきは、この国をどうするかの具体的な全体像だ。外交・安全保障や財政再建などを中心に、民主党よりも政権担当能力を持っていると訴えたが、民主党批判だけにとどまっている限り、建設的とはいえない。
日本丸のかじ取りを継続して担おうという麻生太郎首相は、その決意と覚悟、そして国家像をもっと語るべきだ。
北朝鮮が米国に向けて発射した弾道ミサイルは、日本上空ではなく、北極の方を飛ぶと思います。
日本上空を飛ばないミサイルを自衛隊は技術的に迎撃できるのですか。それをふまえての「評価」なのでしょうか?
雷鳥様、コメントありがとうございます。
万一、日本の北に位置する国が米国を標的にミサイルを飛ばそうとすれば、本土だけでなく太平洋上にはハワイやグアム他有人無人の米国領があり、更に、艦船も含めると、日本の上空を通過する可能性は充分あるのではないでしょうか?
更に、技術的なことについては進化も必要だと考えます。
ただし、迎撃失敗も当然あり得るでしょうし、それを恐れては防衛は叶わないと思います。
http://www.kamiura.com/remail/index.html
8月3日付です。
ハワイやグアムに向かうミサイルも「飛翔高度が高すぎて」迎撃できないそうです。
つまりミサイルは着弾点の周辺でなければ迎撃できないようで、この自民党マニフェストは「アメリカ本土に自衛隊の迎撃部隊を派兵する」という意味になると思います。
そのことを知ってか知らないでか、産経新聞はこれを評価しているということのようです。
が、現下の技術で可能な限り応じることが必要であるとともに、法整備と技術的進化を遂げてあらゆる防衛体制を整えるべきでしょう。
法整備では、
極論として、貴筆の「アメリカ本土に自衛隊の迎撃部隊を派兵する」する必要性に対応できるように、
あるいは、発射前に叩くことを無理な法解釈をせずに可能となるようにすべきでしょう。
さらに、核を使用した最終防衛兵器の開発も選択肢から抜けてはなりません。
アメリカとの関係を批判的に問題視するなら、日米安保を破棄して、新たな道を模索すべきであり、そうするのでないなら、集団的自衛権行使を含めた法改正を急ぐべきでしょう。