22日付5大紙は、衆院解散と総選挙を論評した。
各紙、自民・民主両党に早期のマニフェストづくりと、それに基づく徹底的な政策論争を求めた。また、自民党への体たらくと民主党への不安を書いた。
面白いことに毎日新聞は「政権交代で満願成就」を訴えているが安全保障へのコメントがなかった。
■社説タイトル
▼朝日:大転換期を託す政権選択
▼産経:国のありよう競い合え 政権担当能力が判断の基準
▼日経:政権選択選挙の名に恥じぬ政策論争を
▼毎日:政権交代が最大の焦点だ
▼読売:政策本位で政権選択を問え
■政権交代
▼朝日:民意が今の流れのままなら、民主党政権誕生の可能性は高いだろう。確かに、政権を代えてみたいという期待は強い。だが懸念や不安もある。
有権者もこの間、多くを学んだ。一時のブームや「選挙の顔」よりも、政権公約の内容、実行の態勢、指導者の資質を堅実に判断することの大事さだ。口に苦くても必要と思えば受け入れる覚悟がいることも。
▼産経:この国に責任を負う二大政党が身を切るような激しい政策論争をまず行うべきだ。国政の停滞を脱し、閉塞感を除去する政治体制は真剣かつ現実的な論争を経て、誕生するのではないか。
▼日経:今回の衆院選は引き続き自民、公明両党に政権を委ねるのか、それとも民主党を中心とする政権に交代させるのかが最大の焦点となる。
▼毎日:つまり55年体制ができて以降、私たちは衆院選で有権者が投票によって選ぶという形では、政権与党と首相を交代させた経験がないのだ。
そんな選択に初めてなるのかどうか。政治の行く道を決めるのは有権者=主権者だ。こんなにわくわくする選挙はないではないか。
▼読売:自民、公明両党の現政権の継続か、民主党を中心とする新政権の誕生か。これが最大の焦点になる。しかし、単に政権の争奪だけに目を奪われてはなるまい。
■マニフェスト、政策論争
▼朝日:政権を選ぶ材料として、取り組む政策の優先順位を明確にしてもらいたい。なすべきことは多く、資源と時間は限られている。公約の説得力を有権者の前で競う「マニフェスト選挙」にしなければならない。それを政権選択選挙の当たり前の前提にしたい。
▼産経:各党は、日本丸のかじ取りをこうするという青写真をマニフェスト(政権公約)などで具体的かつ早急に国民に明示しなくてはならない。争点にすべきは、日本の基軸をどうするかである。
▼日経:政権選択選挙の名に恥じぬ政策論争を強く望みたい。自民、民主両党は速やかにマニフェストを公表し、有権者に判断材料を示す責任がある。
▼毎日:大切なのはこの国をどんな形にするのかだ。未来に向けたビジョンを示してもらいたい。有権者の目は一段と厳しくなっている。何よりごまかさず、正々堂々と政策論争を戦わせることだ。それがむしろ支持を集める時代なのだ。
▼読売:年金、医療など社会保障や、新たな日米関係をはじめ、対北朝鮮など安全保障問題についても、政策論を戦わせてほしい。自民、民主両党のどちらに「政権担当能力」があるかは、そこから自ずと見えてくるはずだ。
■民主党への不安
▼朝日:民主党の言う「脱官僚」の政策決定の仕組みができれば、永田町や霞が関は大変わりだろう。経済界や民間にも影響が及ぶ。混乱は最小限に抑えられるのか。この変革の先にどんな民主主義の姿を展望するのか。ばらまき政策に財源はあるのか。外交政策もあいまいなところが多すぎる。
▼産経:政権交代後も給油支援を継続する考えを示したが、小手先の対応にすぎないといえる。沖縄の米軍普天間飛行場の県外移設の主張も、県外のどこに移すかを言わなければ現実の政策といえない。ごく最近も、国連安保理決議を受けた北朝鮮船舶に対する貨物検査特措法案の早期成立に協力しなかった。
中国の軍事力強大化に対し、民主党にはその問題意識すら薄いようだ。
民主党はとくに年金制度改革の必要性を主張していたが、マニフェストでは公的年金の一元化による新年金制度の実施時期を、当初予定していた平成24年度から26年度以降へと先送りするという。
無年金・低年金者救済のため創設する「最低保障年金」の財源には消費税の全額を充てるが、消費税率は4年間引き上げないという。
教育政策を危惧する声は多い。支持労組のイデオロギーには目をつぶる民主党の体質をうかがわせていないか。
▼日経:無駄遣いの削減などで本当に巨額の財源を生み出せるかは不透明なままだ。選挙目当てのばらまきとなる懸念はぬぐえない。
▼毎日:「政治主導」をお題目に終わらせず、強固な官僚組織を変えられるのか。税金の無駄遣いをどこまで削れるか。子ども手当や高速道路無料化、年金制度の抜本改革は実現するのか。消費税率は4年間引き上げないというが、財源の手当てはできるのか。党としての統一感に乏しい安全保障政策はどうするのか。それらの疑問に具体的に応えるのがマニフェストだ。鳩山氏の政治資金問題もさらなる説明が必要となる。
▼読売:「政治主導」を実践するといっても、官僚を説得して動かすだけの政治力が伴わなければ、混乱するだけだろう。
政権公約に「子ども手当」やガソリン税などの暫定税率廃止、高速道路の原則無料化などの政策を盛るとしている。だが、無駄遣いの排除などで、これらの財源を捻出できるのか、はなはだ疑問だ。
岡田幹事長は「財源なくして政策なし」と語っている。民主党は、財源を明示し、国民の合点が行く政権公約を作り上げるべきだ。
■安全保障
▼朝日:日米同盟が重要というのは結構だが、それでは世界の経済秩序、アジアの平和と繁栄、地球規模の低炭素社会化に日本はどう取り組んでいくのか、日本自身の構想と意思を示してほしい。日本が寄り添ってきた米国の一極支配はもうない。
▼産経:外交・安全保障をめぐる民主党の国会対応は現実に日米同盟を損なってきた。
▼日経:民主党政権が実現した場合の大きな不安要素は、外交・安全保障政策だ。インド洋上での海上自衛隊の給油活動については、日米関係などに禍根を残す判断だった。
▼読売:民主党は、インド洋での海上自衛隊による給油活動など国際平和協力活動に反対姿勢を示してきた。ただ、最近になって、鳩山代表は、給油活動を当面、継続する考えを表明した。政権交代を視野に入れ、外交の継続性から現実的方向に政策転換するのは当然のことだ。
景気回復まで辞められぬ-首相 官僚政治打ち払おう-鳩山氏(共同通信) - goo ニュース
各紙、自民・民主両党に早期のマニフェストづくりと、それに基づく徹底的な政策論争を求めた。また、自民党への体たらくと民主党への不安を書いた。
面白いことに毎日新聞は「政権交代で満願成就」を訴えているが安全保障へのコメントがなかった。
■社説タイトル
▼朝日:大転換期を託す政権選択
▼産経:国のありよう競い合え 政権担当能力が判断の基準
▼日経:政権選択選挙の名に恥じぬ政策論争を
▼毎日:政権交代が最大の焦点だ
▼読売:政策本位で政権選択を問え
■政権交代
▼朝日:民意が今の流れのままなら、民主党政権誕生の可能性は高いだろう。確かに、政権を代えてみたいという期待は強い。だが懸念や不安もある。
有権者もこの間、多くを学んだ。一時のブームや「選挙の顔」よりも、政権公約の内容、実行の態勢、指導者の資質を堅実に判断することの大事さだ。口に苦くても必要と思えば受け入れる覚悟がいることも。
▼産経:この国に責任を負う二大政党が身を切るような激しい政策論争をまず行うべきだ。国政の停滞を脱し、閉塞感を除去する政治体制は真剣かつ現実的な論争を経て、誕生するのではないか。
▼日経:今回の衆院選は引き続き自民、公明両党に政権を委ねるのか、それとも民主党を中心とする政権に交代させるのかが最大の焦点となる。
▼毎日:つまり55年体制ができて以降、私たちは衆院選で有権者が投票によって選ぶという形では、政権与党と首相を交代させた経験がないのだ。
そんな選択に初めてなるのかどうか。政治の行く道を決めるのは有権者=主権者だ。こんなにわくわくする選挙はないではないか。
▼読売:自民、公明両党の現政権の継続か、民主党を中心とする新政権の誕生か。これが最大の焦点になる。しかし、単に政権の争奪だけに目を奪われてはなるまい。
■マニフェスト、政策論争
▼朝日:政権を選ぶ材料として、取り組む政策の優先順位を明確にしてもらいたい。なすべきことは多く、資源と時間は限られている。公約の説得力を有権者の前で競う「マニフェスト選挙」にしなければならない。それを政権選択選挙の当たり前の前提にしたい。
▼産経:各党は、日本丸のかじ取りをこうするという青写真をマニフェスト(政権公約)などで具体的かつ早急に国民に明示しなくてはならない。争点にすべきは、日本の基軸をどうするかである。
▼日経:政権選択選挙の名に恥じぬ政策論争を強く望みたい。自民、民主両党は速やかにマニフェストを公表し、有権者に判断材料を示す責任がある。
▼毎日:大切なのはこの国をどんな形にするのかだ。未来に向けたビジョンを示してもらいたい。有権者の目は一段と厳しくなっている。何よりごまかさず、正々堂々と政策論争を戦わせることだ。それがむしろ支持を集める時代なのだ。
▼読売:年金、医療など社会保障や、新たな日米関係をはじめ、対北朝鮮など安全保障問題についても、政策論を戦わせてほしい。自民、民主両党のどちらに「政権担当能力」があるかは、そこから自ずと見えてくるはずだ。
■民主党への不安
▼朝日:民主党の言う「脱官僚」の政策決定の仕組みができれば、永田町や霞が関は大変わりだろう。経済界や民間にも影響が及ぶ。混乱は最小限に抑えられるのか。この変革の先にどんな民主主義の姿を展望するのか。ばらまき政策に財源はあるのか。外交政策もあいまいなところが多すぎる。
▼産経:政権交代後も給油支援を継続する考えを示したが、小手先の対応にすぎないといえる。沖縄の米軍普天間飛行場の県外移設の主張も、県外のどこに移すかを言わなければ現実の政策といえない。ごく最近も、国連安保理決議を受けた北朝鮮船舶に対する貨物検査特措法案の早期成立に協力しなかった。
中国の軍事力強大化に対し、民主党にはその問題意識すら薄いようだ。
民主党はとくに年金制度改革の必要性を主張していたが、マニフェストでは公的年金の一元化による新年金制度の実施時期を、当初予定していた平成24年度から26年度以降へと先送りするという。
無年金・低年金者救済のため創設する「最低保障年金」の財源には消費税の全額を充てるが、消費税率は4年間引き上げないという。
教育政策を危惧する声は多い。支持労組のイデオロギーには目をつぶる民主党の体質をうかがわせていないか。
▼日経:無駄遣いの削減などで本当に巨額の財源を生み出せるかは不透明なままだ。選挙目当てのばらまきとなる懸念はぬぐえない。
▼毎日:「政治主導」をお題目に終わらせず、強固な官僚組織を変えられるのか。税金の無駄遣いをどこまで削れるか。子ども手当や高速道路無料化、年金制度の抜本改革は実現するのか。消費税率は4年間引き上げないというが、財源の手当てはできるのか。党としての統一感に乏しい安全保障政策はどうするのか。それらの疑問に具体的に応えるのがマニフェストだ。鳩山氏の政治資金問題もさらなる説明が必要となる。
▼読売:「政治主導」を実践するといっても、官僚を説得して動かすだけの政治力が伴わなければ、混乱するだけだろう。
政権公約に「子ども手当」やガソリン税などの暫定税率廃止、高速道路の原則無料化などの政策を盛るとしている。だが、無駄遣いの排除などで、これらの財源を捻出できるのか、はなはだ疑問だ。
岡田幹事長は「財源なくして政策なし」と語っている。民主党は、財源を明示し、国民の合点が行く政権公約を作り上げるべきだ。
■安全保障
▼朝日:日米同盟が重要というのは結構だが、それでは世界の経済秩序、アジアの平和と繁栄、地球規模の低炭素社会化に日本はどう取り組んでいくのか、日本自身の構想と意思を示してほしい。日本が寄り添ってきた米国の一極支配はもうない。
▼産経:外交・安全保障をめぐる民主党の国会対応は現実に日米同盟を損なってきた。
▼日経:民主党政権が実現した場合の大きな不安要素は、外交・安全保障政策だ。インド洋上での海上自衛隊の給油活動については、日米関係などに禍根を残す判断だった。
▼読売:民主党は、インド洋での海上自衛隊による給油活動など国際平和協力活動に反対姿勢を示してきた。ただ、最近になって、鳩山代表は、給油活動を当面、継続する考えを表明した。政権交代を視野に入れ、外交の継続性から現実的方向に政策転換するのは当然のことだ。
景気回復まで辞められぬ-首相 官僚政治打ち払おう-鳩山氏(共同通信) - goo ニュース
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