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黛信彦の時事ブログ

浜矩子語録(191) 都知事選を反原発運動の踏み台にするな

2014年01月13日 | 浜矩子語録

12日のTBS・時事放談は、増田寛也・元総務相(増)と浜矩子・同志社大学教授(浜)が招かれ、安倍晋三首相の靖国参拝・東京都知事選挙が語られた。 司会は御厨貢(御)、アシスタント・岡村仁美アナ(岡)。

以下、番組後編の浜矩子語録(抄録)である。

●年明け本格始動、今年の景気は

(御) 年明けの企業経営者の話で、少しは景気が良くなっているようだが?

(浜) 景気は全然良くなっていません。 経営者たちの言い方も煽るところは煽るが「賃金はあまり上げられません」と。 「上げられません」のほうに本音が出ているのではないかと思います。

「やっぱり厳しい。 だからこそ良くなって欲しい。」 従って安倍政権がやっていることを目いっぱい持ち上げて舞い上がって行こうという発想だと思います。

経営者たちからは「現在の何を直視して、個々にどのような問題があるのか」ということを指摘する発言が出ることを期待しているところでございましたけれども、良いとこ取り発言になっていて、経営者たちの発言に「目いっぱい応えてまっせ」と大盤振る舞い公共異業となるわけですが、これがまた古色蒼然たる浦島太郎の経済学全開という雰囲気でして「何をやっているんかい!」という気持ちです。

●首都決戦。 都知事選は23日告示、来月9日投開票

(御) 都知事選、どう捉えているか?

(浜)市民社会の在り方、あるいは民主主義を日本の中でどう守るか、という事の関連で結構大事な選挙だと思います。

国政レベルで国家主義的なものが出ている。 これに対して地方自治の代表の位置とも言える東京都、民主主義をどう守って行くかというところが、ある意味最大の焦点になってくる。 そこを巡って候補者たちが何を言うか? 我々はそこに注目すべきです。

(御) 細川氏の動きで脱原発が一つの争点になるのか?

(浜) 争点にすべきだとは思います。 原発政策という危うい技術を大手を振って成り立たせる方向性にどう判断するか、という事が争点の一つになることは納得性があると思います。 ただ、それだけで行くというのはどうなの?と思います。

細川さんは「脱原発の国民的運動を盛り上げたい」と言うのですが、国民的運動をするならそれをやれば良いのであって、そのための踏み台として東京都知事選あるいは東京都知事という位置付けを使うという発想なら間違っていて、危うさを感じます。

●小泉・細川会談

(御) 今週中にも実現しそうです。 小泉さんの動きは?

(浜) こういう形で出てきたか?という雰囲気です。 ずっと下心があるのだと私は考え続けていて、どうも都知事選と原発を人質にとって人の注目を引き寄せて来る、そんな魂胆かな?と思っています。

どこに注目してどう動けば良いかということに長けていて相変わらずそうだなと感じます。 そういうことから、どの辺で衣の下から何が見えて来るかを見落とさないように見守らなければいけないと思います。

●原発安全審査

(御) 再稼動について決断を迫られています。

(浜) 私は即時的に原発ゼロで行くべきだと思います。 抜本的な解決はゼロにしてしまってから対応すべきだと考えます。 安倍政権は、絶対に再稼働の方に実があって、それを正当化するお題目として「エネルギーの多様化も考えています」と言っているようにしか見えません。

●これだけは言っておきたい

(御) 間もなく通常国会、現職政治家に何を言いたい?

(浜) 端的に言えば「みんな辞めたら!?」。 というわけにいかないとすれば、「視野狭窄をやめるべき」と。 与党も野党もお互いの顔しか見えていない。

外にある市民たちの広い世界で、何が起こっているか、何が求められているか、そこのところを見て欲しい。 了


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