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黛信彦の時事ブログ

幹事長!詫びに総理が来ています

2010年02月11日 | 5大紙社説
「幹事長 詫びに総理が来ています」
これは1月6日付毎日新聞の仲畑流万能川柳の選歌(詠み人=生駒:鹿せんべ)
独裁者・小沢一郎と鳩山由紀夫首相の二重構造を上手く詠んでいる。

10日、鳩山由紀夫首相が枝野幸男氏を行政刷新相に充てた人事は「鳩山首相の小沢離れ」とも言われるが、あり得ない話だ。
鳩山首相は、事前に小沢幹事長の「許しを乞う」ことをしたに違いない。
ところで、マザコンに加えてファザコン性だとすれば、両親の擁護が欠かせない「子供店長」と同じである。

5大紙社説は11日付で、この人事について、憶測・期待・前途多難を論評している。
産経は「行革に本腰なら歓迎だ」と、読売は「国民受けを狙った政治的パフォーマンスは慎むべきだ」とし、期待と注意喚起している。
また、日経は「今回の閣僚起用に首相と小沢氏の協力関係の微妙な変化を読み取る向きもある」と、小沢離れの可能性を書いた。

他方、朝日は「枝野氏の起用も、小沢氏の了解を得たうえでのことだ」と断じ「ばんそうこうの役回りでは枝野氏も不本意だろう」とし、
毎日も「反小沢勢力の象徴である枝野氏が入閣し政務に忙殺されるのだから、小沢氏側にとってもあながち不利な展開ではあるまい」と推察している。

以下、10日付5大紙社説の抜粋
■朝日新聞(社説)枝野氏起用―「刷新」するべきは何か
肝心なのは、それが首相の「小沢離れ」を直ちに意味するわけではないということだ。
世論の多くは今、「小沢氏は幹事長を辞任すべし」としている。しかし、首相は小沢氏の続投を容認している。枝野氏の起用も、小沢氏の了解を得たうえでのことだ。
小沢氏が受け入れられる範囲内で、なんとか政権の再浮揚を探っているだけでは、と見られてもしかたない。

いま首相がなすべきなのは、小沢氏に国会の場で大方の納得のいく説明をするよう強く促すことである。不起訴は嫌疑が不十分だったからに過ぎず、潔白の証明ではない。説明責任を逃れる免罪符にはならない。
それができないのであれば、首相はいずれ幹事長更迭の決断に追い込まれることも覚悟しなければなるまい。

政権が負った傷は深い。ばんそうこうを張るだけで止血するのは難しいかもしれないが、そんなばんそうこうの役回りでは枝野氏も不本意だろう。
「刷新」するべきなのは、よどみつつある政権と民主党内の空気である。その一役を枝野氏に期待したい。もとより、その最終的な責めを負うのは首相以外にない。

■産経新聞【主張】枝野氏入閣 「行革に本腰」なら歓迎だ
行政改革に対するこれまでの民主党の取り組みをみると、必ずしも公約通りに進んでいるとはいえない。昨年11月の約3千事業を対象とした仕分け作業の第1弾は、見かけの派手さに比べ、成果は少なかった。事業数ではわずか449にとどまり、金額的にも7千億円弱と、目標の3兆円には遠く及ばなかった。
行革の中核をなす公務員制度改革も、関連法案の国会上程はこれからだ。天下りや予算の無駄遣いの温床とされてきた公益・独立行政法人改革については、手つかず状態にあると言っていい。

枝野氏は就任後の記者会見で、「大変荷が重いがしっかりやる」と抱負を語った。求められているのはパフォーマンスではなく、成果である。覚悟をもって職務に当たってほしい。

■日本経済新聞(社説)思惑込めた枝野氏の起用
内閣支持率の低落傾向に歯止めをかけ、何とか政権浮揚につなげたいという思惑だろう。
小沢一郎幹事長と距離をおく枝野氏の起用で党内力学が変化するかどうかも、注目点である。

枝野氏は党内では仙谷戦略相とともに前原誠司国土交通相を支持する議員グループに属している。小沢氏の幹事長続投に異論を唱えた数少ない一人でもある。今回の閣僚起用に首相と小沢氏の協力関係の微妙な変化を読み取る向きもある。

■毎日新聞社説:枝野行政刷新相 改革の停滞感打開を
枝野氏の起用が、小沢氏に依存せず指導力を発揮しようとする首相の意欲の表れならば評価できる。枝野氏もおくせず、懸案の公益・独立行政法人改革に切りこむべきである。

「反小沢」勢力の象徴である枝野氏が入閣し政務に忙殺されるのだから、小沢氏側にとってもあながち不利な展開ではあるまい。

「政治とカネ」をめぐり政権が揺らぐ中、首相から閣僚へのにらみが利かず、改革の目標もかすみがち、という深刻な停滞を鳩山内閣は呈しつつある。枝野氏の起用は巻き返しの端緒にはなり得るが、局面転換は容易でない。首相自らが、その先頭に立たなければならない。

■読売新聞枝野行政刷新相 政権浮揚への転機となるか
枝野行政刷新相の当面の課題は、今春に予定される独立行政法人や公益法人を対象とする第2弾の事業仕分けである。
昨秋の事業仕分けは、政府予算の編成過程を透明化し、国民の関心を集めた。一方で、無駄な支出の節減という肝心な部分の成果は限定的にとどまった。
この轍(てつ)を踏んではなるまい。
問答無用で官僚をたたき、予算を切るという、国民受けを狙った政治的パフォーマンスは慎むべきだ。枝野行政刷新相には、仕分け人やテーマの選定、仕分け作業の進行の仕方に、より丁寧な配慮と工夫が求められる。

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