●17日のギリシャ国会再選挙で財政緊縮路線の継続を唱える新民主主義党(ND)が第一党確保を確実としたことで当面、ギリシャのユーロ離脱は回避されそうだ。 ただ、緊縮策に対する国民の反発も強く、不安定は続く。 ギリシャとドイツを中心とするユーロ圏の我慢比べの均衡が破綻すれば、追放か離脱か、いずれかが現実となる。
●毎日新聞“時代の風”欄への執筆を卒業した同志社大学大学院教授・浜矩子は18日付同紙の“危機の真相”欄に「地球時代の風と桶屋」を寄せた。 これは5月21日付に続くもので、次回は7月16日付掲載だという。 書き出しはこうだ。
~・~ 「欧州情勢は複雑怪奇なり」 皆さんはよくご存じの言葉だ。 第35代内閣総理大臣、平沼麒一郎がこう言った。 1939年のことである。 そして今、さぞや多くの人々が平沼的心理に陥っていることだろう。 ただ、いまや、それではすまない面がある。 欧州情勢は複雑怪奇で、さっぱりわからん。 そう言って開き直っていられる時代は良かった。 グローバル時代の地球は狭い。 瞬時にして、経済的爆弾が日本の家庭のお茶の間に飛び込んでくる。 「風が吹けば桶屋がもうかる」という。 日本に昔からある言い方だ。 平沼発言よりはるかに古い。 この判じ物の謎解きは次の通りだ。 ~・~
●学生たちに「経済の世界は謎解きの世界です。 極上のミステリーのように筋書きが展開し、鋭利な知性による探求が真相をつきとめるのです。 授業の場では、こんな醍醐味を受講生の皆さんと共有出来るよう心がけています。」と言う浜矩子、グローバル時代の風と桶屋の関係から、ギリシャのユーロ離脱で復活するかも知れないドラクマと円の関係を次のように謎解きしている。
(昔)風が吹けば桶屋が儲かる
風が吹く → 埃が舞う → 目を傷める → 盲人が増える → 三味線弾きが増える → 三味線が売れる → 猫が減る → 鼠が増える → 増えた鼠が桶をかじる → 桶屋が儲かる
(グローバルル時代)ドラクマ復活で円が消滅
ギリシャがユーロ圏離脱 → ドラクマが復活 → 為替市場が荒れる→ 欧州から資金が逃げ出す → 退避資金が円に向かう → 日本国債を買う → 日本国債利回りが下がり政府ほっと一息 → しかし外国人保有率アップ → 退避資金が踵を返せば → 日本国債暴落 → 日本国政府がデフォルトに → 日本が円単一通貨でなくなる → 円は消滅 → 地域共同体が独自通貨を持つ
●地域通貨に関し、日本が円単一通貨圏でなくなる可能性の理由について浜矩子は「2月5日付毎日新聞“時代の風”に詳しく書いた」と記している。
また、PHP研究所発行の月刊雑誌”THE21”1月号の巻頭特別インタビューに『地球上から為替戦争がなくなる日』を寄せ、ドル基軸が失われる中、『無数の地域通貨が新しい通貨均衡を生む』とし、『地域通貨はいわば通貨の原点。 世界中の各地域で「地に足の着いた」通貨が地域経済とともに発展すれば、遠い国のバブルや財政危機からの攪乱を回避できるかも知れない。 基軸通貨を中心に一部の通貨に収斂されていくのではなく「通貨分散時代」を視野に入れよ』と書いている。
今後1~2年は円安となりますが、目標95円/ドル、その後最後の円高=目標53円前後=が2019年まで続き、多くの企業は耐えられず、日本の経済敗戦が完成します。貿易赤字が常態化し、国債を買う原資も枯渇し、国債の暴落と共に巨大な円安が2020年から襲います。全ての原点は、日銀のバブルの潰し方に由来します