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黛信彦の時事ブログ

浜矩子語録(36)王様はいつも裸

2008年12月22日 | 浜矩子語録
妖艶なエコノミスト・浜矩子は19日、毎日新聞社労働組合などが主催する“第22回、毎日新聞社編集綱領制定記念のつどい”のパネリストとして招かれた。
このシンポジウムは、主題「なんだ、この生きにくさは?!」、副題「小泉時代と報道」
というものである。

●メディアの使命
あるパネリストから「戦争、貧困、差別をいかになくすか?がメディア取材の大前提である」と語られたが、浜矩子は、メディアの改善姿勢に対して
~・~・~ 「メディアは、現状を知らせるだけでよいのです。短絡的に犯人探しに手を貸してはなりません。書きたい誘惑と戦うことが大事なのです」~・~・~
と述べた。
浜矩子の反論には含蓄がある。例えば厚労省幹部殺傷事件など、毎日新聞以外の各誌が事件翌日の第一面の見出しに「テロ」という言葉を使った。実際にはテロか否か判別できないのに無知な読者を恐怖に導いてしまう。
小泉改革も同様だ。みんな小泉改革が現下の悪をもたらしていると報道する。真実はわからない。
そこで浜矩子は、このシンポジウムの副題にけちをつけて諌めた。
「小泉時代という言葉、気に食わないところがございます。(中略)小泉ごとき者によって我々はこういうところに追いやられているのではないと思うのです」
世界経済の混乱、派遣切りなどの問題も、もっと大きな力の原因で起こっているものなのだと言い、そして無知は怖いと語った。

●知ることの重要性とメディア
~・~・~「無知は恐怖を呼び、恐怖は拒絶につながり、そして拒絶は攻撃につながりますね。そして最終的には戦争に行ってしまいます。知らないということが最終的に殺し合いをもたらすのです。
我々は無知であってはいけない、知ろうとする努力をやめてはならないのです。
そこで我々を助けてくれるのがメディアであって、知らないところに目を向けさせてくれることに期待が集まるのだと思います。

ケンブリッジ大学で教鞭を振るったジョーン・ロビンソンという経済学者が「どんな馬鹿でも質問に答えられる。重要なことは、質問を発する事だ」と言っていますが、私も「質問なくして授業なし」という授業をしています。

字を読めないあの人(某首相?)さえ、質問されれば何とかかんとか答えているではありませんか?しかし、彼にまともな質問を発することが出来るかというと、これは全く別問題。
そういうやつらに、鋭い質問を発してゆく、メディアはそのためにあるのであって、ぶら下がり取材などを見ていても、「なんでこんな取材しか出来ないのか?」と思うことがしばしばあります。そこはもっともっと切り込んでいただきたい。 ~・~・~

●王様は常に裸
~・~・~ 89年、宮沢喜一氏が「日本経済のファンダメンタルは健全」と言いましたが、どうなりましたか?
今回も、サブプライムがはじけた直後「日本経済への影響は極少」と言いました。どうなりましたか?
このように、「日本経済のファンダメンタルは健全」と言ったら王様は裸なのです。
王様は常に裸(無知)なのです。 ~・~・~
(毎日ホール、081219)、了

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