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黛信彦の時事ブログ

予算閣議決定 石の番人、借金無限階段

2009年12月26日 | 5大紙社説
発足100日、鳩山由紀夫政権がようやく来年度予算を閣議決定した。
一般会計規模92・3兆円は過去最大であるが、税収見込みは37・4兆円であり、不足分は44・3兆円に上る記録的な国債発行依存と、10・6兆円の『埋蔵金』というお宝探しで凌ぐ考えだ。

未来図のない無策のばら撒き予算を日経は『配る政策』と形容するが、その結果は、国民を物乞い体質に変えると同時に、借金の無限階段に陥れる可能性を十二分に秘めている。
民主党の標語のひとつ「コンクリートから人へ」をドラクエ9風に解釈すると、自民党政権が作った『石の町』で民主党が造った『石の番人』風のコンクリ民が、コンクリートの無限階段を無機質に、永遠に足を運ぶ我々の子孫の姿が想像される。

26日付5大紙社説は一斉に論評した。
朝日が『官僚を中心に進んだ過去の編成作業は一変し、各省の大臣や副大臣が「政治主導」の主役を演じた』と書いたように作業そのものを評価する意見は多い。
しかし、産経が指摘するように『政権発足時から指摘されていたこととはいえ、これは鳩山政権の土台である政策決定の内閣一元化と財源なき政権公約の崩壊を意味する。これだけでも財政規律と政権運営能力が問われるが、それは既存の歳出分野でも顕著だ』

いずれにしても、浄瑠璃人形劇の糸を操ったのは、亜天皇とも総書記とも言われる小沢一郎幹事長であった。
内閣も民主党も小沢氏の『石の番人』になり下がった。

以下、26日付社説タイトルと、『消費税』について抜粋
■朝日新聞(社説)鳩山政権の予算案―仮設住宅を百年建築へ
今後の財源として有力なのは消費増税だが、自公政権は増税を先送りしてきた。鳩山首相もきのう、「4年間は消費税増税をしない」と述べた。
だが国家運営と国民福祉に責任をもつ政権が、持続不能な財政から目をそむけ続けることは許されない。子ども手当ひとつをとっても、財源を将来にわたって確保しようとすれば、この問題を避けて通れない。

■産経新聞【主張】鳩山政権の初予算 破綻が現実化する不安 正直に財政再建目標を示せ
先進各国とも同時不況の出口戦略として目標を示している。鳩山政権が目標に背を向けるのは、任期の4年間、消費税を封印しているからにほかならない。来夏の参院選を控え、まともな新目標が策定できるかも疑わしい。
消費税を封印したまま税収に結びつく成長戦略もなく、無理な政権公約で歳出だけを膨らませるなら財政は破綻(はたん)するしかない。この国民の最大の不安を鳩山政権は認識せねばならない。

■日本経済新聞(社説)無駄排除は掛け声倒れの鳩山予算案
鳩山政権は中期の財政見通しを来年前半に出すというが、あまりに悠長ではないか。歳入と歳出の両面から財政を立て直す道筋を、もっと早く打ち出すべきだ。

■毎日新聞(社説)来年度予算案 財源「綱渡り」の危うさ
安定的な財源を確保するため、消費税の引き上げを早急に検討すべきだとの声も今後高まるだろう。確かに真剣な議論を始める時に来ているのは間違いない。しかし、まずは、政府が税金を本当に無駄なく使い、将来世代のためにきちんとした計画を立て、それを実行に移す能力があることを示すのが条件だ。この政権に託せば国がよい方向に向かうだろう、といった国民の信頼なしに、増税を急いでも支持されまい。

■読売新聞(社説)来年度予算 公約優先では財政がもたない
日本には1400兆円を超す個人金融資産があり、「国内だけで国債などの消化が可能だから大丈夫」という見方がある。
だが、住宅ローンなどの借金を除けば、残りは1000兆円余りだ。長期債務との差が年々縮小している現実を見れば、やはり国として安定した税収の確保を考えねばなるまい。
鳩山内閣は、最有力の財源である消費税について、次の衆院選まで税率引き上げを封印した。しかし、こうした状態では、財源不足でまともな予算が組めないことがよくわかったはずだ。
仮に消費税で方針転換しても、社会保障の財源として必要なことなどを丁寧に説明すれば、国民は理解を示すのではないか。
来年夏の参院選後には消費税率引き上げの議論を始め、景気が回復すれば直ちに実施できるよう、鳩山内閣は準備に入るべきだ。

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