シンガー『ナターシャ』のブログ

関西・東京・名古屋・広島、そして台湾もグローバルに歌うシンガーソングライター、jazzシンガーナターシャのブログです

「悪」ですか?

2007-01-07 | カラダとこころ
筋腫が発見されてからのことです。私は自分の体にとって良いと思われるものを取り入れているので、一緒にやっている人から「(体にいいことやっているのに)なんでそんなん、なったんだろうね?」とか「効かなかったってことかな?」と言われる度に違和感を感じていました。体にでてくる症状というのは「悪」なんだろうか・・と。

私は症状というのは、長年の心と体のクセ、偏りが表面化したもので、それに気づく必要があるベストなタイミングで出てくるものなので、本当は有り難いものではないかと思うのです。何をやっていても出てくる必要があるときは出てくると。私の場合、お医者さんが筋腫を見つけ、手術やどうやこうや・・と言っている時、ショックでおろおろしている自分と「来るべきときがついに来たな」という自分が居ました。なぜかと言うと私は自分でも不思議だったのですが、子供がこれだけ好きなのに、子供を生み育てることに対しての大きな大きな恐れがあったからです。でも、自分のしたいことが色々あるし、まあいいかと過ごしてきましたが、フランスに行き「ああ、自分のしたいことは全部した。次は誰かと創る生活がしたい」と初めて私にとっての家庭を持つ真の適齢期が来たのでした。

そうなると、私の子供を生み育てる恐怖が邪魔をして進めないわけです。だから、このベストなタイミングで筋腫が発見され、もっと女性ということ、何を怖がっているのかに向きあいなさいというメッセージが送られてきたのだと思うのです。フランスに行く前にも検査をしていますが、その時は市のがん検診だけでエコーの検査がなかったので、筋腫のことは何も言われませんでした。その時点で筋腫はあったのは明らかですが、もしその時点でお医者さんに言われていたらフランスに行くことはできなかったでしょう。ちゃんと自分のやりたいことをやりとげて、次のステージに行くことになり、そのステージに上がるには今もっている恐れを手放しなさいよというメッセージに他ならないと思っています。

ただ、この恐れは何十年も奥深くしまっておいた恐れなので本当に怖かった。でも、何ヶ月も子宮や卵巣や妊娠やなんやかんやとずっと共に居たことにより(それまではいい大人になっても話を聞くだけでも怖かった)、恐れが少なくなり、そしてその恐れの元となったトラウマも分かって解放できたから今は子供を生み育てる恐れがすっかりなくなりました。

しかし、本当に人生ってよくできているって感心します。歌を歌えることになって表現するという恐れがなくなり一回り大きくなった私は、次のもっと深い恐れを直面できるくらい強くなったということでしょう。自分の目の前の問題は、自分に解決できる問題しか来ませんからね。何段も上の階段ではなく、一段だけ高い階段ですから。

筋腫が発見されてこの何ヶ月か、本当にたくさんのことを学んだし、ほんとに成長させてもらいました。病気は大きな、たくさんの気づきをもたらしてくれます。人間は生まれたときは本来の輝く自分であっても、大人になるにつれ要らないものをたくさん身にまとっていきます。本来の輝く自分を取り戻すというのは、要らない玉ねぎの皮をむいていく作業でしょう。一枚剥けたらまた一枚・・でも、今回は5枚くらい剥けました。すごろくで言うと一気に5つくらい進めたことになります。これを「悪」とするには、あまりにも失礼な話ではないかと私は思うんです。だから、出てきてくれた筋腫には「ありがとうございます」です。