音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

Oh No

2007年11月21日 | ザッパ関連
とんでもない 俺は信じないよ
あんたは愛の意味を理解したとかいってる
「愛こそはすべて」なんていってる
自分の愛で すべての愚か者や嫌われ者を変えられるという
たぶんあんたは頭のネジがゆるんでるんだろうよ

とんでもない 俺は信じないよ
あんたは愛の意味を理解したとかいってるけど
ほんとにそんなこと断言しちゃっていいのかい
ほんとにわかってるというのなら
もういちどよく考えてみた方がいい
あんたが信じているものが愛の世界への鍵だなんて
どうしていえるんだい?

あんたの愛は俺を救ってくれるのかい?
世界を救ってくれるのかい?
俺たちが理解できないなにかから?
とんでもない 信じられやしないよ

夢の中で あんたは世界を救う預言者にでもなったつもりなんだろう
あんたの口から出てくる言葉なんて 俺は信じないぜ
あんたは ただのバカだよ

- The Mothers Of Invention「Oh No」(1970)
    (Translated by Andy@音楽観察者)
  
 「サマー・オブ・ラヴ」の余波がまだ世界を覆っている時代に、ザッパが書いた詞。

 一見、懐疑主義のひねくれ者が世を拗ねているだけの内容だと思う人もいるかもしれないが、見落とさないでほしいことがある。

 ザッパが「俺は信じない」と言っているのは、「愛」そのものではなくて、「愛の意味がわかったとほざいて救世主気取りになっている奴ら」なのだ。

 「思考を停止させるな。安易に流れに身をまかせるな。自分の頭で、自分の言葉で、真実がなんなのか考えろ」。
 ザッパのアティテュードというものは、最初から最後まで見事に一貫していたと思う。

 原詞はここを参照。

 1974年8月の演奏。オフィシャルDVD「ダブルーム・スペシャル」にもその一部が使われた伝説のTV番組「A Token Of His Extreme」より。