音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

Full Circle

2007年12月20日 | CDの感想
  
○ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ「フル・サークル」(2007)
 不気味なくらい良い。

 アルバム1枚と数枚のシングルだけを残して伝説となったソフトロックグループのほぼ40年ぶりの新作なわけだけど、昔とまったく同じ味わいの音楽がストレートに展開されている。

 「セカンドアルバムのために当時録音されたものの、事情によりお蔵入りになっていた音源」と言われたら信じてしまうに違いない。まるで1968年にタイムスリップしてしまったような気分だ。
 特にマレイ・マクレオドの声の変わらなさは驚異的。40年を経て、どうしてこんなにみずみずしい青年のような声を出せるんだろう。

 ロジャニコさん自身、前作(95年に出た「ア・サークル・オブ・フレンズ」名義作品)の失敗をふまえて制作したのかもしれない。アレンジや音色に細心の注意を払った様子がうかがえる。リスナーが自分たちになにを求めているかをよく認識&分析して、見事にそれに応えたという感じ。

 当時の写真を使ったアートワークも素晴らしい。内ジャケを見ると、メリンダさんの変わりように驚愕しますけど。

 まあとにかく今年一番の驚きでした。ソフトロック好きはだまされたと思って聴いてみるとよいです。

 試聴はこちらで。