音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

Bobby Brown

2007年12月23日 | ザッパ関連
やあみんな 僕の名前はボビー・ブラウン
町でいちばん素敵な男の子だといわれてる
僕のクルマはスピード出るし 歯はぴかぴか
女の子たちみんなに おしりにキスしてもいいよっていってるんだ
名門校に通って シャープに着こなし クールにふるまう
チアリーダーの女の子が宿題を手伝ってくれるってさ
全部やらせた後に レイプしてやろうか

ああ神様 僕こそがアメリカン・ドリーム
おおげさだなんて思ってないよ
僕はハンサムなゲス野郎
いい仕事について ほんものの金持ちになるんだ
(いい仕事 いい仕事について)

ウーマンリブってやつが 知らない間に国中に広まってた
正直いって ぜんぜん準備ができてなかったんだ
フレディって名のレズ女とファックしたときにはね
彼女はちょっと話をして
僕に「今イってもいい?」といわせようとしたんだ
彼女は僕の睾丸をきつくしめあげたけど ペニスの方はそのままにしておいた
今もぶらさがってるよ でもすぐに発射しちゃうんだ 

ああ神様 僕こそがアメリカン・ドリーム
でもいまやワセリンの匂いがする
僕はみじめなゲス野郎
男なのか女なのか わからなくなっちゃったよ
(どっち どっちなんだろう)

そこで僕はレジャースーツを買いに行った
小銭をじゃらじゃらさせてるけど まだ素敵だろ
ラジオの宣伝担当の仕事についたよ
DJたちは誰も僕のことをホモだっていわないんだ
ついには 友だちと一緒にSMの世界に流れ込んでいった
一時間くらいならびんびんでいられるさ
黄金水をかけてもらえさえすれば

ああ神様 僕こそがアメリカン・ドリーム
叫び声がでるまで お尻に棒を突き立てる
先に進むためならなんだってするよ
夜中に目を覚ましていうんだ 「ありがとう フレッド!」って
ああ神様 なんて僕はファンタスティック
フレディに感謝してるよ 僕はもはやセックス麻痺
僕の名前はボビー・ブラウン
見ててくれ どんどん落ちていくのを
僕の名前はボビー・ブラウン
見ててくれ どんどん落ちていくのを

- Frank Zappa「Bobby Brown」(1979)
    (Translated by Andy@音楽観察者)

 名作「シーク・ヤブーティ」収録曲。昨日感想を書いたライヴアルバム「Buffalo」でも演奏されていた。

 ザッパによる「お下品ソング」の代表的ナンバーである。ただ下品なだけでなく、笑えるというのがポイント。(たとえば「アメリカン・ドリーム」という言葉の使い方。初めて歌詞を読みながら聴いた時には爆笑した。)

 で、よく聴いてみるとこの曲は、セックスに関してなんでもありになってしまったアメリカ社会をおちょくると同時に、伝統的(あるいはマッチョ的)かつヤッピー的上昇志向(アメリカン・ドリーム!)をも皮肉っているように思えてくる。そういう意味では「社会派」ザッパの面目躍如といえるのかもしれない。

 毎回のようにライヴで演奏されてファンには人気のあった曲だけど、やっぱりこれを聴いて不愉快になる人も多かったようで(良識人だけでなくゲイの人たちも)、世間の人々を不快にさせた曲ばかりを集めた「Have I Offended Someone ?(誰か怒らせちゃったかな?)」という編集盤にもこの曲は収録されている。

 原詞はここを参照。

 1984年バンドによる演奏。歌詞にあわせたメンバーのアクションがいちいちおかしい。