むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦何田連歌(巻71、令和3年6月12日満尾)

2021年06月12日 | 作品集

初折表    
発句 ひとひらの雲のゆくへや夏木立 可矢  
道の辺そふるあぢさゐの色 直人  
第三 五月雨に小川も速き瀬となりて 梅豊  
第四 軒の雫の音ぞ清けき 典子  
第五 山みれば雁いづくにか消ゆるらむ 純一  
第六 旅寝を癒す目の前の鹿  
第七 仮枕こころづくしの有明に 路光  
第八 袖かす露もいよよ麗し 和雄  
初折裏    
第一 岸近く残り菊の香ほのたちて 弓子  
第二 なに吹く風の川につげなむ 初瀬  
第三 塵の身は絶えぬみなわにあらざるに 直人  
第四 御法の門も知らで過ぎしや 可矢  
第五 ふりてなほ思ひのけぶりなびくらむ 典子  
第六 逢ふも交野の駒の通ひ路 梅豊  
第七 むら雨に濡るる狩衣さ迷ひて  
第八 涼しさ残る夏の笹原 純一  
第九 短夜の手向けとやせむ東歌 和雄  
第十 月にさそはれ光る蛍火 弓子  
第十一 うたかたの消えて結ぶもならひにて 初瀬  
第十二 春やあやなき憂ひえ避らず 路光  
第十三 まかげさす野山に花は咲きみてり 可矢  
第十四 里こそかはれなべてのどけし 直人  
名残折表    
第一 幾かへり飛鳥の寺をたづぬらむ 梅豊  
第二 こころはなぎぬ入相の鐘 典子  
第三 袖が香に頼むる契り残されて 純一  
第四 せめて聞かせよ無げの言の葉  
第五 訪ふ人の往来もかれしあし原に 路光 ゆきき
第六 時雨の雲の絶え間さがしぬ 和雄  
第七 指す方のはつかに見ゆる山の雪 弓子  
第八 さびしさ消せとたくひとくゆり 初瀬  
第九 次々と去りし友らの面影に 直人  
第十 すがたかはらぬ相生の松 可矢  
第十一 浦舟の出で立つ波ぞ静かなる 典子  
第十二 雲な隠しそ旅のゆくすゑ 梅豊  
第十三 望月に語らふ宿の夜も更けて  
第十四 あはれをさそふ鈴虫の声 純一  
名残折裏    
第一 深山にははや露霜のしげからむ 草芳  
第二 色まさりける野辺の八千草 梅豊  
第三 天離る鄙にもうれしすさびごと 和雄  
第四 歌をつらぬる安き日もがな 路光  
第五 袖をうつあたたかき風吹きそめて 初瀬  
第六 さみどり匂ふうららけき岸 直人  
第七 花を待つ光や淡き水の面 和雄  
挙句 円居の果てぬ暮れかぬる苑