むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

エジプトのリベラル系野党が台湾来訪

2010-04-29 16:44:10 | 中東
先週米国共和党系の手引きで、エジプトのリベラル系野党と人権団体の幹部が台湾を訪問していた。国民党、政治大学世論調査センター、公民国会監督聯盟、立法院、民進党などを訪問して、突っ込んだ意見交換をした。
訪問した政党・団体は、新ワフド党から分かれたリベラル政党ガド(明日)党と、与党から分かれたリベラル政党民主戦線党、それから人権擁護の市民団体などだ。
ガドは数年前に党首が大統領侮辱の罪などで逮捕・投獄されているが、活動は続いており、台湾を訪問したのも幹事長だ。

それにしても中東政治の匙加減がいまいちわからない。
フリーダムハウスなどの統計では、エジプトの自由度は、7段階で5と1980年代半ばの台湾や韓国と同じレベル。その通りなら、もっと彼らは緊張していてしかるべきだ。
ところが、彼らについてきたアラビア語と英語のエジプト人通訳も、「政治のことは良く知らない」と用心していたが、帰ってから弾圧されないのか聞いたところ、「合法政党だし、単なるビジネスだからかまわない」とぜんぜん臆するところがなかった。
いくら野党党首が逮捕されたりしているとはいえ、ナンバー2の出入国が自由に出来ていて、それについてくる通訳もさばさばしているなんて、実はフリーダムハウスの数字よりははるかに自由というべきだろう。
また彼らに聞いたところでは、ネットに対する検閲や統制は皆無らしい。
そういえば、シリアもネットはそれほど規制されていないように見えた。

中東というところは、匙加減がよくわからない。
ただ、少なくとも欧米の自由度調査機関の数字が、中東、アラブ諸国とイランに不当に厳しすぎて、宛にならないことだけは確実だろう。

そういえば、米国共和党の斡旋で来た彼らだったら、パレスチナ問題について聞いたら、米国の裏をかくかのように、「当然パレスチナ解放闘争を支持する。それはアラブ人としては当然だ」という立場では、一致していた。わりと親米の色彩が強いはずのガドですらそうだった。
そのあたりが、アラブ人のたくましさだといえる。いくら米国の斡旋で来ていても、魂まで売らないということか。

しかし見ていたところ、エジプト人と台湾人の間はいまいちのように見えた。エジプトに限らずアラブ人は、台湾と中国を明確に区別する立場を持っているのに、台湾人は米国崇拝が強いためかどうもアラブ人に内心偏見があるのだろうか、あまり積極的に話そうとしておらず、もったいないと思った。
そういうところが、やっぱり台湾人は駄目だと思った。

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