むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

この2-3年で急速に増えたムスリマのスカーフ着用 イスラーム世界に何があった?

2009-01-27 19:06:11 | 世界の政治・社会情勢
レバノンにしても、マレーシアにしても、ここ最近、ムスリマによるスカーフ着用が急激に増えている感がある。
遠くは第4次中東戦争に淵源を発する動きで、新自由主義の拡大、さらに911以降にも強まっていたが、それでもおそらく8割を超えるムスリマがスカーフを着用している感がある昨今の状況は、驚異的である。イスラーム世界に何があったのか?

もちろん、以前から蓄積されていたイスラーム復興の動きが臨界点に達したからそうなったのだという通時的な説明ができるのかも知れないが、よくわからない。

事件といえば、ヒズブッラーとイスラエルの戦争と、あとはムハンマド戯画事件だろうか。
それまでも臨界点近くに達していた復興運動が、この二つの事件をきっかけに爆発して、従来は世俗的な傾向が強かったレバノンやマレーシアのムスリマの間でも急激にスカーフ着用が増えたのかも知れない。

そういえば、こないだCNNでもスカーフ着用の動きについて伝えていて、エジプトでナセル大統領がなくなったときの映像で、女性は99%までがスカーフをつけていなかったことに注目していた。

信心深いことは良いことだ。信心深い人は心が清らかで礼儀正しいことが多いからだ。
それに背景としては、米国資本主義が押し付けてくる新自由主義グローバリズムに対して、それぞれの土地の伝統や習慣の喪失を危惧するローカリズムの高まりという一般論的説明も可能だ。

ただし、問題はこの復興主義の高まりをスカーフという外形で明確に見せ付けられることで、ムスリムではない人たちが心理的圧迫感を感じる部分があるというところだ。

だからといって、新自由主義の横暴への批判や反省や検討を抜きにして、一方的にイスラーム社会の動きだけを批判するのは妥当ではない。
非イスラーム社会が、イスラーム社会の復興主義に対して、注意深く対処していく知恵を持つ必要があるということだろう。

よし!次回はコタキナバルに行こう!

2009-01-27 19:05:06 | 世界の民族・言語問題
帰りのクアラから台北の飛行機は、カリマンタン島北部のコタキナバル経由だった。空港のトランジットゾーンにおいてあったサバ州紹介の観光パンフレットの表紙はオランウータンだったので、「そうか、ここはオランウータンの生息地に近いんだ」と改めて思い直した。

私は類人猿の中では、チンパンジーでもボノボでもゴリラでもなく、オランウータンが一番好きなのだ。
今度マレーシアに行くときは、クアラとペナンとそれからコタキナバルにも寄ろうと思う。

マレーシアはタイよりもよほど自由でまともな国だと思った

2009-01-27 19:03:58 | 世界の政治・社会情勢
マレーシアについてフリーダムハウスなど欧米の自由度評価団体の評価が決まって自由度が低いとなっているのは不公平だと思う。
フリーダムハウスだと7段階評価で4とか5になっているが、それと同じだったころの1990年前後の韓国や台湾と比べても、街の雰囲気はそんなにぴりぴりしていない。

しかも与党連合を構成する政党の職員の友人ですら「ブミプトラ政策には華人は不満だよ」と平気で政府批判をしていたし、その友人によると「テレビの討論番組でも野党が出てきて政府批判を公然と展開している」という。
マレーシアの非政府メディアについて研究している日本の大学院生もよく反政府メディアの主宰者と接触しているが、「尾行されたり、それで入国禁止になったりすることはない」といっていた。単に尾行するほどの能力がないのかも知れないが、いずれにしても、これがどうして権威主義政府と同じ自由度4か5になるのかわからん!

確かに今の台湾や韓国ほどの自由じゃないとは思ったが(多少気を使う必要があるということ)、それでも4か5という評価は、明らかに悪意の過小評価であろう。いろんな意味でもタイよりは自由度は高いという感じがある。だからどう見ても、自由度は3といったところだろう。

欧米ではタイのほうが自由なような評価をされていて、マレーシアやイランは実態よりも悪く評価される傾向がある。それは、タイが欧米人には媚を売って不敬罪の適用すら欧米人に対してはやたら甘い傾向があるのに対して、マレーシアやイランは欧米に媚を売らないためだろう。また、イスラームに対する偏見も介在しているのだろう。

友人の華人もそういう指摘はしていた。「マレーシアはアメリカの言うことは聞かないからね」。

しかし、不公平は不公平だ。
マレーシアははっきりいって、自由で民主的な国だと言えると思う。もちろん令状なし逮捕を認める治安立法の存在や長期政権にともなう腐敗が、マレーシアの自由度評価を下げているのだろうが、それをいえばタイのほうが不敬罪の多用、警察にいたるまでの公務員の腐敗、劣悪な監獄環境など、もっと状況はひどいといえるはずだ。
民政の腐敗をクーデターと王政によってしか対処できないタイなんかよりも、マレーシアのほうが利害が対立する勢力間の衝突をなるべく避けようという意識が働き、制度的な装置で対処しようとしている分、民主主義の観点からいってもマトモだと思う。

だが、それもタイはひたすら欧米に媚まくっているから欧米人からみて好ましいから、甘い評価となり、マレーシアは実態より辛い評価になってしまうのだ。

そういう意味では、マレーシアとイランについては、日本が弁護していく必要があるだろう。
もちろんタイも日本の関与が大きいから、タイをくさすこともできないんだけどね。

華人も親日的なマレーシア

2009-01-27 19:03:17 | 世界の民族・言語問題
クアラの市街地は街自体はそれほど見るべきところはない。街の見学そのものはバンコックのほうが面白いといえよう。ただ、人種構成が思った以上に多様で、MRTでも黒いのも白いのも黄色いのもいて、スカーフをつけたムスリマもいたり、日本人もけっこういた。というか、全体的に日本のプレゼンスと貢献が強い国だと思った。

しかも華人もいまや若い世代は親日で、日本の貢献と建設を良く知っていたし、感謝もしていた。これは、どこぞの国とは違う。
そもそもマレーシアの華人も、そのどこぞの国が一番嫌いで、次に嫌いなのはシンガポールのようだった。どこぞの国は父祖の国でもあるんだが、「ぎすぎすしていて、嫌い」といっていた。

そういう心理を反映しているのか、80年代までは反日言論で有名だったマレーシアの華字各紙も最近は親日的になっている。びっくりしたのは、帰りに空港で読んだ南洋商報では天皇の一般参賀まで小さいが報道していたし、1月7日は何の日のコーナーで、昭和天皇について「崩御」(にあたる中国語)の表現を使って、さらに「戦争でアジア人を殺した責任があるといわれているが、天皇自身は直接指揮していないと釈明しているし、戦後の発展はこの天皇の下で成し遂げられた」と比較的肯定的に説明していた。
まあ、私は天皇制廃止論者なんだけど、外国人が天皇を肯定することは、気分はいいんだよね。

スカーフをつけたムスリマとは通行中やMRT内でよくぶつかった。すると、私が華人と一緒で北京語しゃべっているため華人と勘違いされたのか、むっとした顔をされた。
ただ、こっちがあらかじめ日本人だということがわかると態度が違って、ニコニコするので、マレー系のムスリムたちも日本には手放しでよいが、華人には一物を持っていることがわかった。

それから私は旅行先では地元民と勘違いされる傾向があって、NYやロンドンに行ったときも同国人に道を尋ねられることがあるし、台北でもよく道を聞かれる。さすがに中東ではそんなことはないが、クアラではコンビニで飲料を買ったときに、6リンギット20シリングだったところ、10リンギットを出したら、マレー系店員にマレー語で何かいわれた。
友人が「地元民だと思われたようで、端数の20シリングはないか聞いている」といって、その端数は出してくれた。

そういえば、マレーシアに最近訪れた台湾人の友人は「マレーシアはすごく優秀ですばらしいということもないが、悪い、駄目だという部分もなく、なんとなく中くらい。それでも国民の満足度が高い、不思議な国だ」といっていた。

実際、私も華人の友人と話していて、その辺を突っ込んだら、「日本ほど完璧に良いわけじゃないよ。でも、悪くはない。中国よりはずっといい」とやっぱりいって

ボーっとしているマレーシア人(初めてのマレーシア訪問)

2009-01-27 19:02:38 | 世界の民族・言語問題
私はどうも天邪鬼的なところがあって、これまで20数カ国旅行をしながら、あまりメジャーな国には行っていない。欧州だってスペイン、イタリア、ドイツはまだ行っていないし、中東もトルコとエジプトはまだだし、東南アジアはマレーシアとインドネシアはまだだし、タイもちょい立ち寄っただけ。ほかにもインド、豪州はまだだし、多分行くことはないかも。
ただマレーシアとインドネシアは前々から行ってみたかった。
特にマレーシアについては、大学生時代の留学生の友人にマレーシア華人が多く、彼らのリベラルな思考に好感を持っていたし、マハティールに代表されるマレー系ムスリムも親日的だというイメージがあったので、ぜひ行ってみたかったところだ。

今回のレバノン行きはサーチャージの高い時期だったために一番安いマレーシア航空、クアラルンプール経由で行くことにしたため、必然的にマレーシアに接し、立ち寄る機会にめぐまれた。
行きは予定では12時間待ち、帰りも9時間待ちだったが、行きのときだけストップオーバーしてクアラの街に出てみた。
ただ、その後のレバノンでの拘束を予告するかのように、出だしからつまづいた。それはロスアンゼルスから飛んでくる機体が遅れたため、出発も2時間遅れとなった。当然クアラ滞在時間も当初予定していた8時間あまりから6時間あまりになってしまった。

しかも、チェックインカウンターの台湾人のおねえちゃんが、新米のようで、もたもたしていて、チェックインに30分もかかった。まあ、わりとかわいいおねえちゃんだったので、腹は立たなかったけど。ただ、最終目的地のBeirutを見て、「これはマレーシア国内ですか?」と質問してきたのは、たまげた。
日本でも原宿で遊んでいるアーパーねえちゃんだったらそんなもんだろうが、かりにも航空会社の職員が、ベイルートも知らんのかよ!って、台湾人って教養を重視しないから、もっとレベルが高いのが期待される職業の人でも地理の教養知らなかったりするんだよねw。

そうそう、マレーシア航空も初めてだったが、これがまたキャッビンアテンダントがボーっとしていて、ぜんぜん気が利かないところが、いきなりマレーシアというか、マレー世界になっていた。まあ、これは台湾も根底のところはそうなんだが。
また面白いことに、着地前に普通航空会社が回収して回るイアホンについては、行きのクアラに着地するときには回収を忘れていたwし、後で乗った便では、客が「まだ使いたい」といったら、無理強いして回収することはしなかった。

やるべきことを忘れるトロさと、相手を追い詰めないところが、マレー系の特徴。これ台湾人もそういうところがあって、いいところだと思う。ただ大方の短気できちんとしている日本人は激怒するポイントかも知れないが。

クアラでは、Sentral駅で2年前に知り合った華人(広東系)で与党連合内一政党職員と待ち合わせて、街を案内してもらった。

ちなみに、クアラは台湾と同じ標準時、GMT+8。だが経度では30度ほど西にあるため、台湾と同じ標準時だと夜が明けるのが遅く7時過ぎだが、夕方暗くなるのが8時近くなので、Sentralでの待ち合わせが予定より遅れて3時半になっても、まだまだ余裕で明るいうちの街を見る時間があったのは幸いだった。
しかもクアラはたいして見るところもないから、これで十分だった。
友人所属する政党事務所をちょっと見て、ツインタワーをシーイングスポットから眺めて、あとは華人街を回り、そこで夕食をとった。華人街の隣にインド人街(タミル系が多数)があって、そこでヒンズー寺院も見学。なぜか華人とおぼしき人もお参りに来ていた。それからムルデカ広場なども回って、華人の行き着けの流しの歌手の歌のサービスつきの「美食中心」(台湾から伝わったもの)でビールを飲んで、それからSentralで別れた。

またまた変な日本語シリーズ

2009-01-27 00:47:57 | 台湾その他の話題
今回見つけたこれは強力だw。「やさい パソケーキ」例によって「ン」が「ソ」になっているのは当たり前wで、しかもパンケーキってものじゃないのはおいといてw、
最初の2行、
「厳選の新鮮な野菜
豊かな天然の栄養を含む」
これはちょっと堅いが、まあいい。

問題は次から
「酥の脆くて美味
しい一人は一口繋ぐ、
暇で良いゼロ口」
と来た。
「美味しい」の送り仮名をわざわざ次の行にしているのはまあわからんではないが、「暇で良いゼロ口」って何ぞや?
これは「新は法を食べる」以上に強力だw。

消費「巻」って美味しいんだろうかw 台湾人はやっぱり熟番だわ

2009-01-27 00:41:53 | 台湾その他の話題
台湾の消費券だが、店によっては印刷や手書きで堂々と「消費巻」と間違えているのが多い。印刷ならまだしも手書きでも間違えるのかあ?しかも北京語では子音が、台湾語では声調が違うんですけど。
一応繁体字表記だけが唯一の公用綴字法のはずなんですけど、なんで間違えるかね?
まあこのあたりが、台湾人が華人や漢人じゃなくて、熟番的なところなんだけど。

ナンシー・アジュラムの新曲の空耳

2009-01-27 00:41:13 | アラブポップス
レバノンの女性歌手としてアラブで人気が高いナンシー・アジュラム نانسي عجرم の新曲で

Men_da_Eli_nsik
مين دا اللى نسيك

というのがある。ビデオクリップに出てくる相手役の男性がバカっぽいのは、レバノンのクリップによくありがちな設定だが、それはともかく、これがアラビア語ポップスでは珍しい「空耳」でもあるのだ。
サビの部分(クリップでは1分43秒のところなど)に出てくる (ana 2a2dar) 3aysh gher lii が「愛してるビー!!」に聞こえる。まあ、この部分の意味は「あなたなしでは生きられない」みたいな意味なんで、空耳でもないわけだけどね。

しかし、今までナンシーはそれほど興味ある対象ではなかったのであまりチェックしていなかったんだが、このクリップのナンシーはこれまでで一番色っぽくてかわいい。相手役の男性、バカっぽい。特にシェービングクリームを顔に塗りたくったままナンシーと抱擁している場面(5分45分)。

NANCY AJRAM - MIN DA LI NSIK
http://tw.youtube.com/watch?v=uJF8giB9ZEs

日本以外の東アジア全域が旧正月休み、中国経済崩壊目前にして、麻生はとっとと解散しろ!

2009-01-24 17:16:32 | 世界の政治・社会情勢
日本以外の東アジア(北東アジアおよび東南アジア)全域は、今日1月24日から長い旧正月休みに突入した。
台湾の場合、今年は曜日のめぐり合わせから例年よりも休みが長く合計で8日間となる。というのは、本来は休みとならない旧暦12月29日にあたる1月24日が土曜日、さらに旧暦1月5日は普通なら微妙だが、今年は金曜日なので休みにしてさらに土日をつけて2月1日までが休みとなっている。

日本だけが新暦正月を祝うため、これがわからないらしく、私の友人の左派グループが台湾に関する集会を2月1日に設定して、台湾から誰か呼ぼうとしたらしいが、休みの終盤に飛行機が取れるわけがない。日本人は正月をはさんで休むので、旧正月から離れた日曜だから大丈夫と思ったらしいが、旧暦の正月休みは、たいていは正月になってから4-5日休みということを知らなかったらしい。

そうでなくても、毎年旧正月前には、旧正月とその休み方がわからない日本在住の日本人とちょっとしたトラブルになることが多い。

ちなみに、今年の旧正月はアジア全体にとって重要な分水嶺となることは確実だ。それは米国発の経済恐慌で輸出がストップし経済が停滞しはじめた中国が旧正月明けには崩壊過程に入ることが確実だからだ。
中国経済が崩壊に向かうことは、台湾がアジア国際政治に受け入れられるためのひとつのチャンスではあるが、中国社会の流動化、不安定化をアジア社会全体が悪影響をこうむるという課題もある。

そういう重要な時期に、日本の政治がはっきりせず、現在の民意に基盤を置く政府が長期的視野にたって対処することができないのは問題だ。

麻生は国際センスがあるという触れ込みだったが、とんだ食わせもので、基本的な教養もなく、国際センスも欠けていて、自分の地位に執着するだけの最低最悪の宰相となりつつある。
本当に国際センスがあるなら、中国経済崩壊を前にした今、とっとと解散して民意を問い、政権交代するならするで、とっととはっきりした政治の青写真を示す必要があるのだ。
今のまま麻生が居座るなら、どうせ今年9月が期限なので、長期的視野どころか国際問題にまったく対処できない内向きの引きこもり、ZOY政権が末期状態ずるずる続くだけ。

一番心配しているのは、中国経済崩壊と社会融解が明確になった時点で、解散総選挙となって日本の政治外交が空白になってしまうことだ。中国に問題が起こったら、今のところ日本がリードしてアジアをまとめて対処するしかない。
ここで麻生みたいに遅々として解散せず、最悪のタイミングで解散になったとしたら、その害は日本だけでなく、アジア全体に及ぶことになる。

そういう意味では自民党の延命を願っている日本の国士気取りの保守派や右派はバカだ。国際情勢が見えず、単なるイデオロギーで内向きになっているだけだ。
自民党はもはや駄目。民主党(単独が無理なら国民新党と社会民主党も加わる)にとっとと政権交代するのが筋。民意は政権交代を欲しているのだから。
これはイデオロギーの問題ではなくて、アジア全体の利益がかかっている話だ。

麻生はとっとと解散しる!!!!!


台湾人の健忘症と面倒くさがりを考慮に入れず裏目に出ている消費券、偽造への憂慮も台頭

2009-01-24 17:15:39 | 台湾その他の話題
馬政権が鳴り物入りで配り始めた一人3600元分の消費券。金をもらえるのは誰でもうれしいから、台湾人も配布当日だけは喜んだが、特に恩はすぐに忘れてしまう健忘症の台湾人のこと、すぐに3600元を使い果たして、忘れている。
しかも受け取った商店などはそれを現金化する手続きが面倒くさいといって、文句が出てきている始末。
また、9月までと有効期限を長く設定したために、その間に偽造券が出回るのは必至で、商店の多くはそのうち消費券の受け取りを拒否するようになるはずだ。

しかも現在は景気が悪く、それもさらに悪化の一途をたどる段階で、今年の成長率はマイナス3%にまで悪化すると言われている矢先。
馬政権は0.6%の景気押し上げ効果があるといっているが、マイナス3%を0.6%上向きにしても同じマイナスにしかならない。
そもそもこの手の消費券は景気が後退しはじめた段階、あるいは特に景気が回復しつつあるときであれば、ある程度効果があるが、ここまで悪化してしまっては焼け石に水。

しかも台湾人の所得水準を考えれば、たった3600元なんて何の効果もない。旧正月用の食材の買い込みに多少の足しになるにすぎない。
選挙のたびに国民党が買収する額よりは下手したら少ないくらい。

しかも使ってしまったら、健忘症の台湾人は忘れる。失業と不景気は相変わらず。
さらに悪いことに国民党系メディアが鳴り物入りで効果を宣伝しているから、現実の不景気との落差から、むなしさを残すだけ。いや、今後の景気悪化を考えれば、怒りを生むようなものだ。

そういう意味では、消費券は完全に裏目に出ているといえる。

ちなみに、日本人は不思議に思うようだが、なぜ3600元という「中途半端な額」にしたかというと、台湾人は結婚の祝儀などでも1000元単位できっちりした額よりは100元台の端数がある額を好むし、その端数が偶数であることを好むからだ(日本と逆)。
祝儀は普通の友人だと2200元や2600元が相場だが(当然2400元は4があるから不可)、それより若干色をつけた3600元は相場なのだ。
それ以上だと4000元台は駄目なので、6600元とかになる。
だがそこまで予算は確保できないだろうから、3600元ということになったというわけ。


今日の「お前が言うな」:陳水扁いわく「45%取れる民進党なのに、謝長廷は41%だった」

2009-01-24 17:14:36 | 台湾その他の話題
偉大な台湾民族の太陽w、陳水扁同志の最新の労作w「台湾的十字架」156ページに総統選挙で敗れた総括として、「民進党は基本票が40%で、選挙では45%取れる実力があるのに、08年総統選挙では41%に縮小してしまった」として謝長廷をバカだと攻撃している。
おい、ちょっと待て!その前に08年立法院選挙では陳水扁が党主席として前面に出てすべて仕切ってやった結果が、民進党得票率36%だったことを忘れている!

2001-04年までは確かに民進党は45%取れる実力があったし、04年総統選挙では陳水扁の戦略は成功して過半数を獲得できた。それは誇ってよい。しかし、同時に05年県市長、06年台北市長では、同じ陳水扁が指揮した結果、民進党は41%前後だったのだ。そして08年立法院選挙はさらに悪く36%に減退した。
この最悪の結果もすべて陳水扁が引き起こしたもの。

ある意味で立法院選挙であれだけボロボロになったのに、41%にまで支持率を復活させたのは謝長廷の戦術は間違っていなかったことになるわけ。

都合の良い数字や成功は自分の手柄、悪いのは全部謝長廷のせい。
こういう傾向は台湾人の多くにあるのは否めないし、何よりも馬英九と酷似している。だからこそ台湾人の多くは馬と扁をドッキングさせれば騙になり、両者とも「ペテン師」だとみなしているのだが、ここまでご都合主義だと誰からも信用されなくなってしまう。

裸の王様・KY陳水扁、息子らの「罪状自白」は司法取引戦術だが、陳水扁の政治生命の終焉を意味する

2009-01-24 17:14:07 | 台湾政治
陳水扁が獄中手記などをまとめた本を出したことは完全に裏目に出たようだ。
民進党の陳水扁に近い幹部の秘書も「あの本を読んで、愛想をつかした。こんなことじゃ弁護しようがない」と呆れていた。「これで陳水扁はオワタ。ただそれは同時に陳水扁事件を騒ぐことで、失政を隠してきた馬英九政権の命運の尽きでもある」。

それはともかく、陳水扁の新刊が出てから、側近や息子夫婦らきわめて親しい人たちが罪状認否で「罪を認めて謝罪する」のが相次いでいるのは注目すべきことだろう。
これは台湾の司法システムに無知な日本人や中国人などは「ほら見たことか、陳水扁は黒だ」と思うみたいだが、これは司法取引の一種。「罪を認めてほかの被告に関する証言をすること」で、その罪を認めた本人が被告ではなく証人になるとか、無罪になったり、せいぜい罰金刑になったりする、そういう取引なのだ。

なぜこういうことが行われるかというと、台湾の司法機関の能力の低さにある。早い話が台湾は民主主義といっても司法(および立法)はまだまだ前近代的なのだ。

そもそも台湾の司法は、日本などの多くの先進国のように厳格な物証にもとづいて認定していくのとは違って(ただし米国は司法取引を多用するが)、自由心証主義なので、捜査や裁判の過程での被疑者や被告の「態度」「人格」「発言」が判決を左右する。
だから、逮捕されてから態度がよければ、実際には犯罪を犯していても無罪になるし、態度が悪ければ犯罪を犯していなくても有罪になってしまう。
いってみれば、前近代的な大岡裁きみたいなもの、近代的な司法制度とは言いがたい。
そこを勘違いして、民主主義国家の司法制度だから、日本と同じようにきっちりやっているだろうと思ったら、それは国情の違いをわかっていないバカだ。
陳水扁やその家族が逮捕起訴されただの、有罪になったりしたとしても、それを日本の司法の常識で当てはめて、本当に犯罪を犯していると思い込んではいけない。台湾の司法は日本の基準でいえば司法ではないのだから。

ただ、郷に入れば郷に従えというか、そういう前近代的システムが機能しているのは事実である以上、それにあわせて被疑者や被告も行動すればいいのだ。態度がよければ心証も良くなって無罪になる。
そういう意味では、捜査が始まってからの陳水扁と家族が言動や態度は、民衆や裁判官の心証を悪くするものであり、そういう意味では頭が悪すぎた。

しかも、新刊書が出てからまもなくの段階で、側近や息子夫婦が相次いで「罪を認める」発言をしたということは、新刊書を読んだ関係者が「こんなやつを庇って、やってもいない罪で自分が有罪になるのはバカらしい」と思った可能性が高い。
陳水扁は自分を政治迫害の犠牲者と見立てて、新刊書で「自分はこんなにかわいそうだ」と訴えて、同情を引いて、それで無罪を勝ち取ろうとしたのだろう。
また同時に自分の獄中生活が長引き、さらに蔡英文や新潮流も不人気とあって、謝長廷が次の盟主に復活することが必然の情勢になっていることから、謝長廷の出鼻をくじくために謝バッシングを行ったのだろう。

ところが、世の中はそうは見ない。「私はかわいそうで、間違っていない」としたまではいいが、それで同じ民進党の同志である謝長廷らを攻撃してしまったので、逆効果になってしまった。
もっとも、謝長廷本人が出てきて反論を行うというミスをやらかしてしまったので(その後誤りに気づいたのが沈黙したが)、陳水扁による謝長廷の足を引っ張る戦略は少しは奏功したといえるが、肝心の自分自身の無罪につなげる戦略は失敗どころか、裏目に出てしまった。
そういう意味では陳水扁は「裸の王様」で、完全にKYになってしまっている。貧すれば鈍すともいうべきか。

台北市長から2004年の総統選挙までの、あの、輝いていて、仕事もできた陳水扁はどこに行ってしまったのか?もともと本を読まず深みがないキャパシティや器の小ささが災いしたのか。陳水扁を見ていると、漫画や芸能界の一発屋を見ているようだ。一時だけはすばらしいアイデアや能力を発揮するが、それで才能を使い果たし(その程度の才能しかなく)すぐに飽きられ、飽きられた後も下手にあがいて、自ら首を絞めてしまう、というパターン。
それだけ台湾の政界というより、政治の世界は淘汰が速い。

そういう意味では漫画の「こち亀」や「ゴルゴ13」、政治でいえばチェコのハヴェルなどは、驚異的に長持ちしている、天才というべき領域だろう。
台湾だって李登輝だってもうとっくに駄目になっているし、馬英九は就任からたった半年あまりでもはや駄目になっている。

というか、台湾人は陳水扁が嫌いだといって馬英九に入れたんだが、いずれも人間の器が狭く、教養がないという点では同じタイプだったのに、そこが見抜けなかった台湾人はアホなんだろう。

レバノン英字紙Daily Starと旅行ガイドLonely Planetがしょぼくなっていた

2009-01-24 17:13:33 | 中東
2年半ぶりのレバノン行で気づいたことは、読み応えある英字紙として定評があったThe Daily Starが以前はバンディングしていたInternational Heral Tribuneとの契約も打ち切ったたしく別に売られるようになったと同時に、前回までいた記者のほとんどが辞めてしまったこともあってか、内容もかなり薄くなっていて、あまり読むべきものがない新聞になっていたことだ。
以前いた記者に電話で聞いたら、経営上問題があったということだが、その記者には会えなかったため詳しくはわからない。
ただAn-NaharのNaharnetが以前よりも充実してきたので、レバノン在住外国人の多くはネットのそれを見ているようだ。それもDSの凋落を促進しているのだろうか。

ただ、Naharのフランス語版にあたるL'Orient Le Jourのほうはまだまだ健在。
なので、私が滞在中の情報源は主にロリアンを参照にしていたくらいだ。

しょぼくなったといえば、旅行ガイドとして有名な豪州発行のLonely PlanetのSyria & Lebanon。最新版にあたる3rd editionが昨年夏に出たばかりなのだが、これもまた内容が薄くなったし、嘘の情報が多い。
2004年夏に出た2nd editionのほうがはるかに良い。

その一方で、フランスの旅行ガイドシリーズのPetit FutéのLibanも最新版が同じく昨年夏に最新版の6e éditionを出ているが、こちらは前回2005/2006 éditionよりもよくなっている。
かつてはフランス語人の間では、Petit FutéのLibanは不評で、フランス人もロンプラを見ていたのだが、今回に限ってはプティ・フュテのほうに軍配が上がりそうだ。といっても、いずれも完璧ではないが。

一番使えないのが、日本の「地球の歩き方」。ヨルダン、シリアと一まとめで、レバノンの記述はほとんどない。とはいえ、日本人に必要な情報があるのはこれだけだが。

というわけで、レバノン旅行では、ロンプラ、フュテ、歩き方の三冊がいずれも必要という非常に困った状態になっている。
そういう意味でも、今年中に私が出すレバノン紹介本は、旅行ガイドではないが、少なくとも歩き方の不足を補い、日本人にはロンプラやフュテが不要になるようにしたい。

レバノン音楽CD、海賊版対策で価格大幅引き下げ

2009-01-24 17:13:03 | アラブポップス
今回レバノンに行ったときに驚いたのは、音楽CDの値段が大幅に下がっていて、以前は相場が14USドル前後だったのが、4ドルから7ドルにまで下がっていたことだ。ほとんどタダみたいな値段!
これはちょうど一年前の2007年秋ごろからRotanaが始めたらしいが、海賊版対策だとか。
中東では海賊版が横行していて、推定で市場全体での正規版の売り上げは2割にも満たず、その他8割以上を海賊版が占めていた。しかもCDは簡単にコピーが可能で、いくらコピーガードをほどこしても、いくらでもそれを破って複製できる。
海賊版はレバノンのベイルートでは4000レバノンポンド(3ドル)と若干高めだが、トリポリあたりだと2000レバノンポンド(1・4ドル)、シリアだともっと安くて30シリアポンド(日本円で60円)以下。

ただ海賊版はCDそのものの質が悪く不良品も中にあるというリスクもあるため、正規版がここまで下がると、海賊版駆除には有効だろう。実際、ベイルートではハムラ、コーラ、バルビルでかつては横行してた海賊版も今回は少なくなっていた。
今でも売られているものでも、音楽CDアルバムは種類が減り、音楽は主に歌手の全曲をMP3にしたものとか、ビデオクリップ集が主体になっていた。映画やゲームソフトは正規版の値段は相変わらずなので映画やゲームソフトは多かったが。

ガザとラサ--シオニズムと中華帝国主義に共通する過剰な被害妄想がが招いた悲劇

2009-01-21 04:19:53 | 世界の民族・言語問題
レバノン滞在中の12月27日に突然起こったイスラエルによるガザ攻撃は、レバノンの地元テレビが延々と報じて、新聞雑誌もトップで報じていたので、私にとっては忘れられない出来事になった。とはいえ、レバノン住民は一部パレスチナやスンナ派急進勢力を除けば、実は「他人事」であり、平静そのものだったが。
(写真はレバノンの人権NGOがつくったガザ攻撃抗議ポスター)
それというのも、レバノン人の間にあるパレスチナ人に対する微妙な感情がある。極悪非道のイスラエルに抑圧されている同じアラブ系の同胞として、キリスト教徒も多いパレスチナ人にはキリスト教徒も含めて、総論としてはパレスチナ支持論は大勢を占めるが、パレスチナ人の不法滞在者が社会問題となっているという現実もあって、盲目的にパレスチナ人に加勢するというわけにはいかないからだ。
しかもレバノン人は長い内戦や内乱で、「争うこと」には疲れていて、まして他人事に巻き込まれたくないという感情もある。
またレバノンでは最大宗派になっているシーア派にしても、ハマースの基盤になっているスンナ派には若干の違和感もあるし、ハマースを過激な冒険主義と見るむきは、たとえ急進的なヒズブッラーの支持層であっても少なくないのだ。

とはいえ、やはり今回のイスラエルによるガザ攻撃は、あまりにも唐突であり、一面の道理もないという見方は、レバノンでも圧倒的だし、私もそれから国際社会の多くにも共有されている見方だ。台湾に戻ってきて見たところでも、国際報道では米国経由のバイアスが強い台湾でも、米国離れが進んでいることもあって、やはりイスラエル批判の世論のほうが多いことが確認できた。

まあ、それだけ今回のイスラエルのやっていることは、国連関連施設や病院も爆撃したことも含めて、常軌を逸しているわけだ。

そこで連想されたのが、昨年3月のチベット蜂起に対する中国の弾圧だ。偶然にも台湾の中国語表記ではガザは迦薩、加薩、ラサは拉薩で、薩の字が共通しているという類似性もある。だから、表題もガザとラサとした。

何が似ているといえば、イスラエルはナチスドイツによるホロコースト、ジェノサイドの対象となった被害の悲劇という過去の出来事をいまだにあげつらい、現在のパレスチナ人その他に対する加害、侵略、殺戮の正当化に利用し、さらにかつての被害を繰り返さないためという被害妄想にかられて、先手を打ってパレスチナ人に「テロリスト」などのレッテルを貼って、殺しまくって平気な顔をしている。しかも、それを批判する人間を「ナチスの手先」とレッテルを張って貶めようとする。
今の中国もかつての日本をはじめとする帝国主義諸国による植民地化、殺害、収奪といった過去の被害をあげつらって、現在のチベットその他に対する加害、侵略、殺戮、収奪を正当化している。ウイグルなどについては相手を「テロリスト」とレッテル貼りして、先制攻撃を正当化する手口はイスラエルとそっくり。さらに、それを批判する人間を「日本軍国主義、右翼」とレッテルを貼って、抑圧しようとする手口も一緒だ。

ところが今のイスラエルや中国がやっていることを見ればわかるが、イスラエルや中国こそがナチスの再来だということだ。いや被害妄想にとらわれて、殺戮も正当防衛だと思い込んでいたり、国際的な媒体も買収して強力に宣伝しまくる力を持っている分、ナチスよりももっとタチが悪いといえるだろう。

実際、イスラエルと中国は軍事協力も密接だ。似たもの同志だという点を互いに認識できているようだ。

もっとも、これまで欧米諸国に甘やかされて増長してきたイスラエルも、さすがに今回の攻撃は完全に裏目に出た。米国政府すら公然たる支持をためらい、欧州の伝統的な親イスラエル諸国も批判に回ったりしたように、イスラエルが孤立し、イスラエルの横暴が浮き彫りにされてしまった。
同様に、昨年のチベット蜂起に対する中国政府の弾圧も、国際的に強い非難を浴び、中国の横暴も浮き彫りになってしまった。

もっとも、イスラエルはユダヤ人の間ではそれなりに言論表現の自由は認められていて、ハアレツ紙などは批判的報道をしているし、ハアレツで活躍しているGideon Levy、Amira Hassのような良心的勢力が存在し、反戦の声を挙げることが可能になっている点だけは、中国よりは数倍はマシである。中国では控えめな民主化要求の「08憲章」すら弾圧の対象になってしまうのだから。

とはいえ、台湾から見れば、中国もイスラエルもキチガイじみた敵であることには変わりがない。
イスラエルは冷戦時代には、同じく国際的孤児だったアパルトヘイト時代の南アフリカ、および独裁体制だったROC国民党政権と仲が良く、核兵器の共同開発まで手がけていた。それが冷戦崩壊後に南アフリカとROCが民主化すると、今度は中国に協力相手を乗り換えてしまった。いずれにしても、台湾独立民主勢力から見れば、独裁時代の国民党、今の中国と結託してきたイスラエルは敵なのである。

台湾は残念ながら米国の影響も強いが、台湾の利益から考えれば、アラブとの関係がより重要であり、長期的な観点でいえば、アラブ側にたつべきだろう。それは石油といった目先の利益だけではなく、台湾にとって日本についで重要な東南アジアの大国インドネシア(そしてマレーシア)がイスラーム国家でありアラブとも関係が深いこと、さらに20年後の世界は中国人、インド人、ムスリム、その他がそれぞれ4分の1ずつを占めるだろうが、台湾および日本がその中で手を結ぶメリットが高いのは、まぎれもなくムスリムだろうから、今のうちから将来も見据えて、イスラームやアラブとの関係を緊密にしておくことだ。
民進党政権時代には、米国やイスラエルの妨害にもかかわらず、実際にレバノンのヒズブッラーとも関係を結んだり、またリビアとも関係強化を図るなど、アラブとの関係に配慮していたのだが、国民党政権になってからはイスラエル寄りになってしまっている。

台湾の発展のためにも、アラブとの関係は重要だ。そういう意味で、今回のガザ攻撃は実は台湾にとって他人事ではない。イスラエルを中国、ガザを台湾にたとえることができる。

もっとも、ハマースはテロリストじゃないかという反論も来るかも知れない。しかしそのハマースはアラブの中では比較的公正自由に行われた選挙で、パレスチナ人民の多数の支持を得た民主政府なのである。
その選挙結果を無視して、ファタハをむりやり政権にとどまらせようとしたのが、イスラエルと米国だ。「民主主義」をあれほど喧伝している米国とイスラエルが、パレスチナの民主主義の結果を認めず、踏みにじったのである。
テロリストというなら、パレスチナ人から見たら、イスラエルこそがテロリストだといえるし、そもそも911以降「テロリスト」なる用語は、完全に政治的なレッテルになってしまっている。それにハマースも一枚岩ではなく、イスラエルとの対話を認める勢力もある。それなのに、相手をテロリストなどとレッテル貼りするだけで、対話を拒んでいては、まともな政治ができるわけがない。
責任はすべて米国とイスラエルにあるといえる。

停戦およびイスラエルのガザ撤収が宣言された今となっては、イスラエルと米国にはハマースがパレスチナ人の民意を得た合法民主政権であることを尊重し、対話を推進することを求めたい。そして、イランやヒズブッラーとも対話すべきだ。

イスラエルはユダヤ人の出生率の少なさとパレスチナ人の出生率の多さから、早晩、自然消滅することになる。シオニズムには正当性がなかったとはいえ、イスラエル国家にも既成事実がある以上は、今イスラエルに住むユダヤ人にも生存権はある。だが、今回のガザ攻撃で、パレスチナ人からの恨みを深めてしまった。これ以上イスラエルが愚行を繰り返すことは、決してユダヤ人にとっていいことはないだろう。いや、このままでは近い将来、ユダヤ人は再びディアスポラになってしまうだけだろう。

時代の流れはパレスチナ人側にある以上、イスラエルは姿勢を低くして、パレスチナ人に寛容と慈悲を乞い、将来成立するパレスチナ国家において、ユダヤ人も生存する空間を要望するのが賢いありかただろう。
もっとも、今の被害妄想にかられているだけのシオニストたちにはそんな知恵はないだろうが。