むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

既存原発3箇所に加え、さらに原発推進している台湾で、市民の間に高まる原発への懸念

2011-03-17 18:20:10 | 台湾社会運動
今回の原発事故を受けて、台湾では、台湾電力会社と、監督官庁の「行政院原子能委員会」が「原発は安全」などと強弁、原発推進を強行しようとしている。
台湾には北部に2箇所、南部に1箇所、30年前に建設された原発があり、現在北部海岸に第4原発を建設中で、来年には運転開始予定だ。
第4原発は脱原発政策を掲げる民進党政権時代にはいったん建設がストップ、あるいは故意に遅らせていたが、国民党政権に戻ってから急ピッチで進められている。

既存の3箇所の原発も、福島原発より若干新しいだけで、かなり古い時代に建設され、とっくに耐用年数が切れている。
台湾も地震多発地帯であり、今回の福島の事故で、台湾市民の間には、原発への懸念が高まっているが、監督官庁と電力会社は、東電や経産省とまったく同様か、それ以上に危機感がないお粗末さで、これがさらに台湾人の懸念を強めている。

行政院原子能委員会副主委(原子力庁次官)黄慶東は台湾の立法院で民進党議員の質問に答えて、「台湾の原発はまるで菩薩が蓮の上にあるように、高台の固い岩盤の上にあるので、地震や津波は心配要らない」と断言した。
これを受けて、呉敦義・行政院長は15日「黄発言は言いすぎ」だとはいったものの、台湾の原発は福島のものよりも1世代新しく、さらに台湾では津波の記録は少ないことをあげて「より安全だ」と強調した。
(台核電廠如菩薩坐在蓮花台? 呉敦義:比福島進歩、安全(2011/03/15 10:12) http://www.nownews.com/2011/03/15/301-2696650.htm

また別の副主委謝得志は17日、国民党議員から「なぜ台湾では退避範囲は5kmだけなのか」追及された際、机を叩いて「専門家が議論して決まったことで、それで問題がない」と強調した。
(原能會副主委 立院拍桌捍衛核電 http://udn.com/NEWS/WORLD/WORS5/6217093.shtml) 

これには多くの市民は「台湾よりはるかに進んだ日本ですら想定外の事故だったのに、台湾ごときが断定するなんて」と呆れ顔だ。

実際、東京電力だって、地震前と地震発生直後には「福島原発は絶対に問題がない」といっていたし、宮城はともかく福島も過去には津波の経験は少なかった。
というか、中越だって、阪神だって、過去に見つかっていない活断層が動いたんだし、今回は事前の専門家の予想を上回る連続地震が規模を大きくしたものだった。
したがって、「菩薩の蓮の上」だの、「これまで記録がない」だのは、何の意味もない。
そもそも「菩薩」をあげているが、神ならぬ人間のやることを菩薩になぞらえること自体が、人智を超える存在(神や自然)に対する傲慢と冒涜である。

台湾という島そのものが、プレートがぶつかって盛り上がってできたもので、二つのプレートにはさまれている。ということは、東北級の地震は起こる可能性はあるわけで、台湾政府や電力の危機感のなさと慢心・傲慢は、逆に危険である。

実際、地震がほとんどない北欧・西欧諸国でも、今回の事態を重くみて、早速反原発運動が活発化し、いくつかの政府も原発推進政策の棚上げに動き始めている。
アジアでも、タイ、フィリピン、インドネシアなども比較的民主的な国は、原発に慎重になっている。

原発に対する反省が見られないのは、台湾、韓国を除けば、中国、ベトナム、UAEなど、いずれも独裁体制ばかりだ。台湾と韓国の政府の原発に対する盲信ぶりは、はっきりいって独裁体制並で遅れている。

台湾人いわく「国民党に人材を殺されたから独立できない」ではバルト三国は?w

2010-08-01 01:38:30 | 台湾社会運動
台湾人は、言い訳や他人への責任転嫁が大好きw。そのくせ、自分の過ちや不足を謙虚に反省しようとしない。だから、同じ失敗を何度も繰り返して進歩しない。

たとえば、台湾人がいまだに国民党を駆逐して「建国」できない原因として、
カダフィやオルテガに信頼された陳水扁は立派だっかかも、その陳を唾棄した台湾人は馬鹿かもw 2010-07-29 19:15:3 コメント欄 
に最近台湾人と見られるブロークン(台湾式)中国語によるコメントがあったように、

>是台灣人鬥不過?介石建立的國民黨政權
>?們沒有去重視過台灣在228 及戒嚴時代
>台灣的人2才都被國民黨暗殺 逃到海外
>國民黨政權只會讓台灣不會進?
>甚至往國外發展 都沒有人願意留在這裡
>我們是平凡的沒有能力的 只能留在台灣

「日本統治時代に育った優秀な人材が2・28事件で殺され、さらにその後も優秀な人ほど海外に亡命したりしたから、台湾人は戦えなかった」という”言い訳”が述べられることがよくある。

これは、もともと日本語世代の一部が「優秀な人ほど殺された。残ったわれわれは二流の人材です」といっていたことから始まったのだが、本来は謙遜を込めた表現だったのだが、北京語で文章を書くことに何の疑問も感じない戦後世代の手にかかると、これが見事な自己弁護の言い訳に変身してしまうw。

しかし、「国民党に優秀な人材を殺されたから、その後の台湾には人材が育たない」、これって本当か?

■間違った優生学
この前提はおそらく優生学思想があるんだろうね。「優秀な遺伝子からは優秀な子どもが産まれ、駄目なやつからは駄目なやつしか生まれない」という近代ゲルマン世界に広まった神話だが、戦前ドイツ崇拝だった日本を通じて、台湾にもこの思想が持ち込まれた。だから、独立派はこういう論理を良く使いたがる。
確かに米国の調査でも優秀な両親からは優秀な子どもが生まれる確率がきわめて高いという結果が出ているが、しかしこれは遺伝子だけではなく、その後の環境や出会った人たちや自己努力などの要因が関わってくる。
本当に優秀な人間の子どもが優秀なら、麻生太郎や安部晋三のようなアホは出てこないはずだw。

■アホだけで集団を作れば、そこから必ず優秀なものが出てくる
しかも、サル山の原理を考えれば、「優秀なのを殺されたから、残りは駄目だ」というのは、眉唾だ。
「サルの群れのうち20%の勤勉なものだけを集めて群れを構成しても、必ずその中で勤勉と普通と怠惰なサルに分かれて、生産性は向上しない。怠惰なサルばかり集めてもその中から勤勉なサルが現れる」
これを考えれば、たとえ国民党の2・28事件の虐殺で当時台湾で最も優秀だった人材がことごとく殺されたとしても、残った人間の間から、優秀な人材が出現できない、と決め付ける独立派の言い訳は変だ。

■本当に2・28で殺されたのは優秀だったのか?
もちろん台湾人がもともと種族的に、優秀な人間を生み出しにくい集団である可能性は高い。私は実際そう思うんだが、国民党に人材を殺された程度で、その後も人材を生み出せないというのであれば、もともと戦後国民党に殺された人材もたいした人材ではないという可能性も高い。
国民党および蒋介石が冷酷非道な殺人鬼であることは論をまたないが、しかし蒋介石は殺人鬼としての冷酷さにおいては、ヒトラー並ではあるが、決して能力が高いわけではなく、ヒトラー、毛沢東、スターリンなど同時代の殺人鬼と比べると、殺戮できた人数は、かなり少ない。戦後殺した台湾人の数も、当時の低レベルな原爆による広島・長崎の犠牲者を少し上回る程度でしかなく、世紀の殺人狂だったヒトラー、毛沢東、スターリンという世界最大の殺人魔が殺した数千万人単位と比べると、見劣りする。
そういう意味では、蒋介石の虐殺はたいしたことはない。
そんな能力が低い蒋介石の魔の手にかかって簡単に台湾人の「最も優秀な人材」が殺されたとするならば、そんな人材は本当に世間知的に優秀でも賢かったわけでもなくて、単に「勉強ができた」だけの青白いインテリだったに過ぎない。
本当に世間知もあって賢い人間なら、蒋介石ごときの目を欺いて、その後もうまく逃げ延びて、反撃の機会をうかがうことくらいできなければ駄目だろう。

■「勉強ができる」=「優秀」ではない!
台湾人が「優秀な人材」という場合、ほとんどは学歴に幻惑されて、本当の中身を見ていない場合が多い。今の台湾で大学教授の資格は、博士号を持つものに限定されているが、連戦なんかを見ればわかるように、博士号を持っている人間が賢いことにはならない。逆に高卒でも世間知があって、賢い人間はいる。
ところが、台湾人は日本時代以来「学歴」崇拝で、学歴があれば無条件に優秀だと決め付ける傾向が強い。しかし、それは台湾人の思慮が浅い証拠である。

■人材が虐殺されたバルト三国は独立できたのに台湾ができないのは?
それから、2・28やその後のブラックリストで人材が台湾から失われたから、駄目だというのも、単なる責任回避の言でしかない。
そんなこといえば、バルト三国はじめ旧ソ連・東欧圏はなぜ、1989年前後に相次いで独立と自由を獲得できたのか?
先にも、殺人鬼の能力としては、蒋介石が低くて、ヒトラーとスターリンのほうがはるかに高く、はるかに多くの人間を抹殺してきたことを述べた。
バルト三国やチェコやハンガリーなどの場合、ナチスおよびソ連のいずれからも侵略を受けて、大量の人材が殺されたり、追放されたりして、失われた。
特にバルト三国にいたっては、殺害されたりシベリア送りになったりして失われた人間は、全体の3分の1にものぼり、中程度の人間を含めて、いわば根こそぎやられている。
それなのに、台湾人がいまだに「中国人」意識の迷妄から目覚めなかった1989年の時点で、バルト三国は立ち上がり、「人間の鎖」に3国全人口の3分の1にあたる200万人が参加し、独立と自由を勝ち取ったのである
台湾人の言い訳が本当であれば、バルト三国はそんなことが不可能だったはずである!

■台湾人の醜い言い訳が、台湾人の駄目な原因
要するに、「国民党によって優秀な人材が失われたから、台湾は独立できない」などとする独立派台湾人の主張は、単なる言い訳に過ぎない。

>我們是平凡的沒有能力的 只能留在台灣

「能力もない庶民しか残っていないから何もできない」というなら、バルト三国はもっと状況が悪かったが、それでもできた。
「能力があるほど殺されたり、外に出たから、残りはカスばかりだ」というのは、サル山の論理からいえば、ぜんぜん間違いだ。
本当に殺されたものが優秀だったのなら、残ったものの中からだって人材は再び出現する。
もしそうでなければ殺されたり、外に出た人間も、本当に優秀だったわけではないということになる。
いずれにしても、こんな理屈にもなっていない理屈を展開して、自己弁護をしたがる台湾人の腐った頭と根性こそが、台湾を駄目にしている原因である。馬英九みたいな腐った野郎が総統になったのは、ほかでもない独立派台湾人が腐っていて、腐った土壌になっているからである。馬英九は台湾の堕落の結果に過ぎない。

■私の台湾に対する貢献と犠牲を無視して、罵倒する無礼な台湾人は死んだほうがよい

しかも、

>?們沒有去重視過台灣在228 及戒嚴時代

といって私を攻撃する無礼と尊大さには恐れ入るw。

それなら聞くが、お前は
1.1987年2月から起こった2・28事件名誉回復運動に参加したことがあるのか?2.2・28事件の発端になったのは2月27日午後5時ごろ「天馬茶房」前で起こった事件だが、毎年2月27日に犠牲者を追悼しているか?
3.1987年以来、私は民進党をはじめ台湾の独立派民主派の運動を支援してきているが、それと同等あるいは上回る貢献と経歴があるのか?

1987年2月、まだ戒厳令下だった台湾に最初に訪れた際にも、「2.28和平日制定要求」のデモや集会にも顔を出した。当時は戒厳令下で、そのような活動に参加することは勇気のいることだった。
しかも、台湾に住んでからも、毎年2月27日夕刻になると、2・28の震源となった台北市の延平北路・南京東路交差点にあった旧「天馬茶房」跡で黙祷をささげてきた。ほかにそんなことをしている台湾人はいない。台湾人は2月27日の旧「天馬茶房」前の出来事をまったく忘れている。
さらに民進党はじめ台湾の民主・本土派の活動を20年以上も支えてきて、台湾の民主化と本土化に対して犠牲と貢献をしてきた。
そんな私をつかまえて、「228や戒厳令時代を重視していない」とは、一体、お前何様よw

そもそも、私が1987年にまだまだタブーだった2・28和平日制定デモに参加してシュプレヒコールをあげていたとき、お前はどこにいたのか?w

台湾でラビア支援をしている主体は左派フェミニズム市民団体、日本のウヨクは卒倒しそうw

2009-10-02 03:47:59 | 台湾社会運動
ちなみに、台湾でラビアの映画を上映している主体は、フェミニズムなどの左派系の人権市民団体だ。民進党が中道左派リベラル政党なんだし、台湾の民主化の主体がそうだったんだから当然なんだが、ただし、日本で「反共=反中国」の観点からでただ中国の足をすくいたくてやっている右翼とか、「しょせん反中はウヨク思想」などと思い込んでいる旧来のサヨクとかが見たら、卒倒するだろうねw。

もっとも、チベットや東トルキスタンの独立運動を支援しているのは、世界的には左派が主流。
弱者の立場に同情するんだから、当たり前なんだけど。
日本のウヨクとかサヨクとかが、ずれているだけで。

ラビア女史の映画、台湾各地で絶賛上映、台北市議会会場ではラビアとオンラインで結ぶ

2009-10-02 03:43:25 | 台湾社会運動
世界ウイグル会議議長のラビア・カーディル女史を描いたドキュメンタリー映画「愛の10個の条件」が10月1日、台北市、台中市、高雄市、屏東県、台南市といった台湾各地で上映された。
10月1日は中国の国慶節であることから、わざわざぶつけた形だ。

台北市は大安森林公園と市議会の二箇所で上映され、雨が降りそうで大安の会場が不確定だったため、市議会のほうに見に行った。地下1階の会場がほぼ満杯、500人が詰め掛けた。

感想は、きわめて良い!ラビアは迫力あるね。

しかも、うれしいことに、会場ではラビアの夫にスカイプで電話をかけて会話したほか、ラビア自身とも映像付で通話した。ラビアの夫は北京語で受け答え、ラビアは北京語で聞いてウイグル語で答えて娘が英語に通訳した。
面白いことに、ラビア女史は馬政権のことを「台湾の共産党政権」と呼んだことだ。ううん、言いえて妙だな。ラビア女史をテロリスト呼ばわりするなんて、ファシストか共産主義者しかいないからな。

くだんの映画だが、もともと10月中旬の高雄映画祭で地味に上映される予定のところ、中国政府が高雄への中国人観光客にボイコットさせるなど圧力をかけたことで、話題になったものだ。
高雄市は観光業界の圧力をうけて、一度9月に前倒し上映した。ところが、それが民進党・在野人権派勢力の間での反中感情の火をつけて、各地で上映会を開こうという動きになった。
さらに、民進党系がラビア女史を12月に台湾に招こうという話が起こったところ、馬政権の内政部が「ラビア女史が議長となっている世界ウイグル会議にはテロリストもおり、特に事務局長はテロリストであり、
最近事務局長が韓国に入国したところ逮捕されている。国家の安全からラビア女史の入国も認めない」などと決定した。
これがさらに世論の火に油を注ぐ形となり、ラビア女史は一気に台湾で有名になり、映画も話題作となった。
また、いったんは映画祭での上映断念して前倒ししていた高雄も、映画祭で上映することを決め、さらに上映回数を増やすことになった。

結局、中国共産党+国民党という二つの中国勢力が、必死になって抑圧しようとした試みは、裏目に出たことになる。

台北市で6・4天安門虐殺事件20周年記念座り込み、青陣営の中で唯一、姚立明氏が参加

2009-06-04 23:21:15 | 台湾社会運動
6・4天安門虐殺事件20周年となる6月4日を前に、台北市内の自由広場では海外在住中国民主化運動人士や台湾の民進党関係者らが3日夜9時過ぎから4日にかけて座り込み活動を行った。
3日夜に通りがかったところでは、統一派右派で、3月の台北市大安区立法委員補欠選挙で新党推薦で出馬していた姚立明氏が司会をしていた。見たところ、国民党、新党の青陣営の人は彼だけ。
総統になる前には6・4記念に積極的だった馬英九ら国民党内の中国派は、権力を握った途端、まったく6・4に言及しなくなった。やっぱりクズだ。
そういう意味では、大安区補欠選挙は、彼が当選してしかるべきだったと思う。民進党が嫌いで統一派志向なら、、姚立明氏に入れるべきだろう。国民党などという単なる利権腐敗政党の候補を当選させる大安区の有権者は、腐敗と利権が好きな愚民でしかない。

チベット民族蜂起50周年、反国家分裂法4周年記念、対中抗議デモ

2009-03-15 17:28:10 | 台湾社会運動
14日、台北市でチベット民族蜂起50周年、反国家分裂法4周年記念、対中抗議デモがチベット人団体などの主催で行われた。午後2時、復興南路角のSOGO前を出発、101まで歩いた。参加者は民進党市議員なども含め2000人くらい。

立法委員補選があったといえ民進党が積極的に動員しなかったこと、参加者が思ったとおり少なかったこと、さらにいまだにチベットの単一イシューだけで、東トルキスタンや南モンゴルに拡大させられないところが、今の台湾の混迷と発想の貧困を示しているんだろうな。

ハリウッド映画「裏切られたフォルモサ」まもなく米国で公開らしい

2009-02-04 17:02:08 | 台湾社会運動
親台湾独立の米国外交官で、沖縄と台湾の研究者としても有名だったジョージ・カーの名著「Formosa Betrayed  裏切られた台湾」から着想を得て、国民党の白色テロ時代をサスペンス風に描いた同名のハリウッド映画が、近く米国で公開されるらしい。

Formosa Betrayed
IMDB http://www.imdb.com/title/tt1121786/
公式サイト http://www.formosathemovie.com/story.php

国際人権デーに、米国人人権闘士、リン・マイルズの書簡集出版記念会

2008-12-11 00:44:26 | 台湾社会運動
台湾の民主化と人権のために長年闘ってきた台湾在住米国人でアナーキスト、リン・マイルズ(Lynn Miles、梅心怡)氏のかつての書簡を集めた本の出版記念会(パネルディスカッション)が、国際人権デー(48年のこの日国連が世界人権宣言を発表)に、台北市の台湾大学医学院国際会議中心401号室で開かれた。
司会は東大留学の歴史学者の張炎憲氏、パネラーは黄昭堂氏ら台湾独立建国連盟関係者と、わりと日本とゆかりのある人で占められた。そういえば、最初にマイルズが指摘したように、日本でも70-80年代に台湾政治犯救出のために活動した人が少なからずいて、しかも川久保氏ら新社会党にも参加した生粋の左翼が多く、日本の独立連盟も当時はそうした左翼人権派と行動を共にしていたのだ。
今からは想像できないかもしれないが、いまや独立派を支援している右翼は、当時は蒋介石父子独裁政権べったりで、左翼の主流も中共マンセーで、そのなかで、まともに人権を考えていた人は左翼でも一部しかいなかったが、それでも左翼陣営にいたのである。
進行は主に北京語で行われていたが、黄昭堂氏は使い慣れない北京語で話すことがもどかしいのか、発言して少したつと「マイルズ氏は台湾語がわからないから北京語を使うんだが、台湾の人権運動を長年やっていて、台湾語がわからんとは何事か」と苦言を呈していた。これは思わず拍手しそうになった。

そうでなくても、リンは、とてつもなくズレた人だ。
今ならいざ知らず、70年代の民主化勢力や政治犯といえば、日本教育世代で、北京語はあまりうまくない人がほとんどだったはず。それでも北京語しかわからないのはズレている。もっとも、そういうズレた人だから、あの恐怖の時代に、身の危険にも無頓着で、運動をできたんだろうと思う。
もっとも、彼のアナーキストなところと、イラク戦争に抗議して米国在台湾協会の前で米国パスポートを焼却してしまった勇気は敬服する。当然、在外公館の前でわざと焼却したパスポートは再発行できるはずもなく、リンが持っているのは、難民向けの国際NGOが発行したパスポート。以前、見せてもらったことがあるが、本人いわく「使えるかわからん」とのこと。
もっとも、台湾での滞在資格は2006年に永久居留が認められたことから、問題ないし、彼は独特の母性本能をくすぐるところがあるのか、養ってくれる女性には事欠かない。そういう意味でも変わった人である。
私自身は日本人としてはきわめて変わった部類に属するという自覚と自負があるんだがw、リンや、もう一人民主化運動に関わった米国人で、これまた左翼だが、こっちは急進社会主義者のリンダ・アリゴ(Linda Arrigo、艾琳達、←おっと中文IMEでは一発で変換できた!)、それから社会民主主義者の米国人記者のデニス・エンバース(Dennis Engbarth)は、そんな私から見ても、信じられないくらい、とんでもなくぶっ飛んでいる超変人である(そういえばこの3人とも台湾語が全然もしくはあまりできないところも共通してズレている)。米国は政府や政治は保守一色でおかしいと思うのだが、こんな超変人を育てる度量があるという点で、市民社会そのものは多様で、懐が深いと思う。日本なら、リンやリンダやデニスみたいな人は、小学校のころにイジメにあって、自殺していただろう。そういう点では米国社会はスゴイ!そして、そんなやつを温かく迎えてくれる台湾社会もスゴイ!

途中用事があったので、最初と最後しか見ていないし、悪口を書き連ねたが、馬政権になって反動化している今、リンにはまだまだがんばってほしい。

野いちご学生運動1ヶ月目に1万人デモ

2008-12-08 13:04:11 | 台湾社会運動
中国特使台湾訪問時の過剰鎮圧に抗議して集会デモ法の改正などを求めて座り込みを続けている学生たちによる「野いちご」運動は、座り込み開始から一ヶ月の節目にあたる12月7日午後、「集会デモ法の自発的届出制への改正」を求める大規模なデモと集会を呼びかけた。好天に恵まれたことも幸いして、デモには最大時に1万人(同日夜の三立「大話新聞」)が集まった。ただし主催者側の発表では3千人、警察発表では1千人。私が見たところでは5千人強といったところか。
動員力のある民進党や有力市民団体の直接的支援がない中で、5千ー1万人規模を集めたのは、はじめてではないか。
デモは自由広場を出発して、中山南路で立法院前、忠孝東路を右折して行政院、警政署の向かい側を通り、林森南路で右折、済南路を右折、立法院裏手前を通り、総統府前広場にゴール、集会という形。

要求そのものにしたがって許可申請ではなく、自発的届出によるものだが、警察側は「現行法にのっとっていない」として受理せず、当日には取り締まりすらちらつけせていたが、多くの市民が集まる平和的デモだったこともあって、警察側はすくなからずの監視人員を動員したが、解散命令を出すことはしなかった。
それにしても、警察発表の1千人は明らかにおかしすぎる。道路許可申請が通っていなかったことから、道路をめいっぱい使えず、隊列は5列くらいが普通だったものの、先頭が林森南路にさしかかったころに、最後尾が出発したくらい多くの人が集まっていたのだから。しかも、学生だけでも1千人はいた。

そういえば、民進党政権のときには、デモや集会で警察の姿をほとんど見ることがなかったが、国民党になってからは、警察の姿が目立つようになっている。しかも同じ許可制でも、民進党時代は警察が許可しないことはなかったのに、今は恣意的に許可しないこともある。
韓国でもハンナラ党になってからは、同じようになっているようだが(ただし法の規定では届出制だが)、やはり市民虐殺の過去を持つ独裁政権の系譜に連なる反動政権はどこも同じようなものか。
日本はまだマシだと思うが、それでも東京都の条例は基本的には不許可にしない許可制で、隊列も4列に制限されているし、最近は麻生首相の私邸見学ツアーの若者が不当に逮捕されたりしているので、日本の自民党政権も国民党やハンナラ党をまねたんか、末期症状といえるのだろう。

そういえば、報道によればこのデモの前日の6日、李登輝・元総統が自由広場に現れて、学生たちと対話、激励、馬政権の権威主義を批判したらしい。
李登輝は陳水扁の逮捕の後でも不当逮捕を指摘しないなど、おかしなところがあるが、それでもこうした学生の要求には対応するなど、さすがなところはある。馬英九にはまったく真似できないところだ。李登輝は思想的には右派、保守だが、やはり民主主義の枠内にあって、決して馬のような反動ファシストではないということだろう。韓国でいえば、盧泰愚でなく、金泳三といったところか。もっとも、李登輝と金泳三は仲が悪いけどね。

ちなみに、野いちごの歌というのがあって、これをデモの学生は歌っていたが、80年代の台湾や韓国の運動歌だな、これは。懐かしい。
特に、韓国の運動歌の中で私が最も好きな「님을 위한 행잔곡 ニムのための行進曲」に似ているが、もっとそっくりな歌があったはず。だけど題名が思い出せないんだよな。



↓自由広場出発直後、「国家暴力に抗議する、政府は我らに答えよ」と横断幕




↓立法院前にさしかかったデモ隊




↓警政署(警察庁)前で警政署長(警察庁長官)辞任を叫ぶ




↓デモ終着点の総統府前広場で




台北県、ハンセン病療養施設「楽生院」保存運動の学生たちを強制排除し,主要部分を破壊へ

2008-12-04 03:10:50 | 台湾社会運動
ハンセン病患者療養施設「楽生療養院」を破壊してMRT地下鉄車両基地建設を急ぐ台北県政府は3日朝、官憲を動員して楽生院保存を訴えて座り込んでいた学生や患者を強制排除する暴挙に出た。
保存運動の学生組織・青年樂生聯盟の公式サイト;http://www.wretch.cc/blog/happylosheng
左派社会運動の総合サイト・苦勞網の報道:http://www.coolloud.org.tw/node/31139
楽生院は日本統治時代の1930年、当時伝染病だという偏見の下でハンセン病患者を強制隔離する施設として設置、戦後も国民党政権が隔離政策を継承したが、民主化以降は療養施設となっていた。
しかし台北県政府が同施設を破壊して車両基地にする計画を立てたことから、これに反対する保存運動が起こった。
保存の目的は、日本統治時代以来の歴史的な建築物としての価値のほか、ハンセン病への偏見と戦ってきた歴史的記憶を保存する意味が込められている。

そもそも車両基地を楽生院がある場所に作らなければならない理由などなく、設置計画は明らかにハンセン病に対する偏見と戦いの歴史的記憶を抹消するための土建屋と政治家が仕組んだ暴挙である。
現在の県政は国民党極右派にあたる周錫瑋で、こいつが破壊するのはある意味で予想どおりだが、悲しいことに、もともと車両基地を作る計画を立てたのは、民進党県政のときだというところだ。また民進党寄りのメディアの中でも、前の蘇貞昌県長寄りの自由時報(台北県の土建屋がバック)は徹底して楽生院保存運動を敵視するという醜態をさらしている。
(もっとも民進党政治家でも、謝長廷だけは問題が起こった当初から、楽生院保存運動を支援している)。

保存運動を展開してきたのは、左派で、統一派も混じっているが、主力は台湾独立派左派である。保存運動の学生組織・青年楽生行動聯盟は、野いちご運動の主力とメンバーは重なっている。何よりも、この問題ほど、日本および中華民国と続いた外来殖民主義勢力による台湾の人権蹂躙の歴史を浮き彫りにし、本来の台湾主体性、台湾本土の価値を考えさせるものはない。

いずれにせよ、楽生院の撤去計画を立てた蘇貞昌、現在撤去を現実に進めようとしている周錫瑋は、台湾の価値への罪人、台湾進歩勢力への敵対者として、永遠に汚名が語り継がれることになろう。

2008台日市民社会フォーラム開催 日本側は「台湾のほうが資本主義中国よりもよほどリベラル」と絶賛

2008-12-03 01:36:51 | 台湾社会運動
「2008台日公民社會論壇(市民社会フォーラム)」が11月29日から30日まで台北市の政治大学総合館で開かれた。知り合いも何人かきているはずなので29日夕方だけ顔を出した。
参照:2008台日公民社會論壇:全球化NPO的任務
昨年6月16、17日に第一回目が開かれ、今回で2回目にあたる(昨年の模様は、台日市民社会フォーラム開かれる
昨年はリベラルな民進党政権下だったこともあって、台湾政府の支援もあって、台北市の公務員訓練センター=福華(ハワード)文教会館という借り賃も高い場所を借りて、しかも日本側の参加者も多く、盛大なものだったが、反動ネオリベの馬英九政権になった今年は、政府支援もあまりなく、規模を縮小して、大学で行われた。しかも政治大学ってアクセスが不便なんだよね。行ったのは5年ぶりぐらいだ。
台湾側主催団体で中心となったのは台湾環境保護聯盟。台湾・日本側とも、主に左寄りの団体が参加した。これまで台湾とは疎遠だったはずの「アジア太平洋資料センター」系のパルシックのほか、昨年も参加した「日本市民外交センター」、台湾で開かれる市民団体会議では常連の「原子力資料情報室」「神奈川ネットワーク」などリベラルもしくは左派系が招かれた。
ところが会場に行くと、情報室の伴氏の姿が見えない。何と、直前にバンコックに行っていて脱出できなくなったらしいT(_ _)T。そのあおりで、外交センターの上村教授の出番が増えて、大変そうだった。
初参加のパルシックの井上氏は「上海など中国や韓国はたびたび行っているが、台湾はあまり来ていなかった。でも、今回台湾の街の雰囲気やNGOの活気に接して、台湾を見直した。中国のほうがよほど資本主義的で、台湾のほうがリベラルでマトモだ」とかなり感銘を受けた様子だった。

野いちご運動への疑問 どうして「今の民進党は緑ではない」と言い返さないのか

2008-11-26 03:19:11 | 台湾社会運動
野いちご学生運動は国民党保守派からは「緑系で、民進党に利用されている」などと悪意ある攻撃を受けているが、それを恐れてか、「青でも緑でもない」といい、民進党との距離を極力置こうとしている。

しかしこれは変だ。

そもそも野いちごの主張やそれに関わっている知識人のメンツを見れば80年代党外運動のもっていた中道左派的本土主義路線そのものであって、本来の「緑」の路線そのものだからだ。むしろ今現在の民進党が本来の緑、社民主義・本土路線から乖離していることが問題なのだから、野いちご運動側は「緑?民進党?今の民進党は緑なのか?」とでも言い返せばいいのに。

野いちご学生運動、長期戦の覚悟、「人権告別式」も挙行

2008-11-26 03:18:26 | 台湾社会運動
警察当局の横暴を批判して座り込みを続けている野いちご学生運動は、国民党政府の善意ある回答が得られる見込みがないため、長期戦に突入する覚悟となっているようだ。
このままでは先細りになりかねないため、イベントも用意し、23日午前には「台湾の人権は11月3日、わずか20年の命で死亡した」として人権の告別式を行い、座り込んでいる自由広場正門には人権を弔う祭壇も用意されている。

野いちごは台湾語ではchhi3-pho 運動の方向性は民進党よりさらに左の進歩的台湾派

2008-11-17 01:43:54 | 台湾社会運動
ちなみに野いちごは台湾語ではchhi3-phoという。15日も学生自身が紹介していた。
参加学生には、社会学系や台湾文学系が比較的多い。

そういえば、国民党権力の御用学生や集団は、この運動を「民進党が操縦している」と喧伝したがるが、実際には、民進党にも批判的だ。メンバーには、民進党政権時代に弾圧された「楽生院保存運動」系も多い。とてもじゃないけど、民進党と同列に論じられない。
(もちろん、中道リベラルな民進党よりも、さらにずっと右にある反動国民党に対する反感はもっと強いが)

これが90年代前半以前のまだまだ左派色が濃かった民進党だったら別だろうが、政権を担当し、特に民進党内では右派的だった陳水扁によって急速に保守化した今の民進党には飽き足りない、民進党では代表されない、もっと急進的な台湾進歩派というべきだ。

もちろん、国民党反動勢力からみれば、民進党だって本来、社民色が濃い中道左派政党であった背景があり、それより左であったとしても、しょせんは民進党と同じ側(サヨク)にあるため、ごっちゃに見えるんだろう。だが、それは国民党のめがねが白色反動の色めがねで見ているからに過ぎない。

人権弾圧に抗議する学生たちの「野いちご運動」、15日に大行動、ただ人数はそれほど増えず

2008-11-17 01:43:08 | 台湾社会運動
中国特使陳雲林の訪問時の警察の過剰警備、民進党系政治家ばかり狙い撃ちした逮捕など、人権弾圧事件が増える中で、集会デモを制限する集会デモ法の改正を求めて座り込みを展開している学生たちの「野いちご運動」が15日、台北市の自由広場に中南部の学生たちも集結して大規模行動を展開した。午前11時過ぎから開かれ、当初は午後10時までの予定だったが、分科会討論などで午前2時近くまで事実上活動が行われた。

ただし、15日は天候にも恵まれ、大学の中間テストも終わったわりには、参加者および観衆は思ったほど多くなかった。座り込みに参加した学生、それを支援して座り込んだ教授、NGO関係者を含めて、直接行動に参加したのは300人強といったところか。観衆もそれほど増えず、最大時の午後3時過ぎごろでも1000人行くかいかないかといったところ。当初いわれていた「3000人」には遠く及ばなかった。
これは不思議だ。集めようと思えば、実は5000人くらいは集められたはずなのに。
ただ私がここ数日観察しているところでは、どうやら主催者の学生と呼びかけ人の学者ら自身が、あまり積極的に増やそうと思っていないように見える。
これについて、運動歴が長いある中年の人は次のようなうがった見方をしていた。「学生の核心部分に実は国民党の職業学生がいて、それが故意に拡散するのを抑制しようとしているのではないか。先細りになればみっともないし、このまま続くとしても少人数のほうが操縦しやすいからだ」。

とはいえその一方では、国民党権力集団の手先とみられる学生たちによる妨害行動、馬英九が15日に「高校生以下はレベルが高い」と問題発言をしていることからみられるように、権力側も明らかにこの運動を強く意識し、圧力を感じているのは確かで、必ずしもうがった見方どおりともいえない純粋な側面もあることは確かだ。
また、テレビでは、三立だけがずっとSNG車を待機させていた(なぜか民視は最低潮だった14日には取材車しかなかった)。そういう意味でもこの運動に批判性があるのは事実である。
ただ、そうした疑心暗鬼が生まれる背景には、陳雲林訪問以降の台湾の動きは混沌としており、なにが真実だかわからない状態で、民主主義が確実に後退している現状がある。