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むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

台湾本土意識に立つ2本の映画「牽阮的手」と「電ナタ」 前者に私も声優で出演

2011-11-22 16:56:26 | 台湾政治
20日、台湾語が主体で台湾本土意識に立つ映画を続けて二本見てきた。

一つは戒厳令時代から政治犯救援と台湾独立運動に従事してきた監察医・田朝明と妻・田孟淑(同姓夫婦)を主人公に、戒厳令時代の民主化運動の苦難を描いた「記録映画「牽阮的手」(khan gun2 e5 chhiu2)

もう一つは、廟とディスコが舞台の娯楽映画「電哪吒」(台湾語)tian7 lo5-chhia, (北京語)dian4 nuo2zha4である。


牽阮的手は、田孟淑氏が当時あった日本大使館を訪ねる場面が3Dアニメになって、大使館員の役として私の声の吹き込みがある。お、そういえば声優だなw。
監督は農民を描いた記録映画「無米楽」をヒットさせた荘益増・顔蘭権夫妻。

田夫妻は私は台湾を始めて訪れた1987年2月に民進党政治家主催の活動で知り合った。家に連れて行ってくれたが、まだ戒厳令時代だったのに、夫妻は平気で大声で国民党の批判と台湾独立を叫んでいて、すごい心臓だなと思ったものだった。筋金入りとはこのことで、これだけはっきり強気でやられると、シナ人政権は手を出せなかったようだ。シナ人が強いものを恐れるkiaN-phaiN2というのは本当だ。

映画は2006年に撮影開始したが、そのときにはすでに田朝明氏は病床にあり、2010年になくなったので、晩年の実写は病床でほとんど意識がない状態の映像だけで、主に孟淑氏の語りで構成されている。
しかし単なる夫婦の物語ではなく、戒厳令の苦難な時代に国民党と戦った李萬居氏と、美麗島事件の軍事裁判中に留守宅で家族を殺された林義雄氏という二人の民主化指導者の話を絡ませ、観るものを引き込ませ、感動させる物語に仕上がっている。


「電哪吒」は、芸能人では珍しい民進党支持が鮮明な若手アイドル藍正龍が監督・主演の娯楽映画。前半はディスコと薬物取引に巻き込まれる場面で北京語が多いが、後半は廟公の祖父、警官の父との主人公のやり取りが主で、深い台湾語の掛け合いが面白い。
題名は、廟の舞でよく出てくる役柄ナタ太子から取った主人公のディスコDJとしての芸名だ。
藍は若手にしては台湾語がうまいのは意識があるからと、宜蘭育ちだから。苗字は藍だが、一家全員深緑w。


いずれも上映館は少ないが、観客はほぼ満員だった。
前者は50代以上がほとんど、後者は逆に20前後とみられる若者がほとんどだった。

若者は暗い歴史に興味ないってとか。でも、台湾語が飛び交い、しっかりした意識を基盤に作られている電哪吒に若者が集まったのは悪いことではない。

黄昭堂先生の急逝を悼む

2011-11-22 16:55:38 | 台湾政治
台湾独立建国連盟(世界本部=台湾)主席・黄昭堂先生が17日午前に副鼻腔腫瘍手術後の大動脈解離のため逝去された。享年79歳。
最近までピンピンしておられたので、まさに突然だった。

最近の独立建国論にはいろいろといいたいことはあるが、故人に鞭打たないのが、中華ではない、日本と台湾の美徳だから、ここでは批判はしない。

思えば、黄先生とは私がまだ学生だった1987年以来の付き合いになる。台湾に来てからは齟齬はあったが、磊落な黄先生は人に嫌われない人徳があったと思う。
実際、逝去翌日18日、連盟本部事務所を訪ねると弔問客はひっきりなしだった。

改めて突然の逝去を哀悼します。


野田に唯一期待できる消費税引き上げ、増税反対の日本左翼は社会主義でないポピュリズムだ

2011-08-30 18:52:42 | 台湾政治
野田は原発推進派であり、歴史観などでは右よりで、菅政権より明らかに後退する部分は大きい。
ただ現実にそうなってしまった以上は、できるだけ長所を見つけてそこを利用するしかないだろう。

野田の政策の中で唯一期待できる点は、堂々と増税を掲げたところだ。政治家ならこれは言いにくいが、言いにくいことを堂々と主張したことは評価すべきだ。

もっとも財政再建というお役所本位の視点である点は気に食わないのだが、そうでなくても今後日本の高齢化が進む以上は、福祉の財源を確保するために、財源構造を改める必要性は論を俟たない。

野田もいちおう口では福祉のための増税といっている。
そのためには消費税率値上げしかない。
これに関しては正論である。


ところが、問題は福祉サービスの強化充実を主張している社共などの日本の「左翼」陣営が、なぜか一様に「増税反対」とくに「消費税引き上げ反対」を唱えているところである。
消費税引き上げに反対するのは、つまり逆進性があるからという論理だが、これはどうみてもおかしい。また社民党あたりが「財務省」を目の敵にしているのも社会主義者としてはおかしい。

福祉の先進国で、社会民主主義が浸透している北欧諸国では、消費税は25%もの高率だ。これが逆進性につながるという議論は聞いたことがない。
もちろん欧州の高い消費税率の場合、食料品などに非課税の項目が多く、低所得層に配慮していることがあげられるが、そもそも消費は所得に応じて増えていくものなので、低所得層が消費税によって逆進になるという議論は、それこそ低所得層ではないインテリの机上の議論でしかない。

そもそも福祉サービスの増大は増税につながり、それは必然的に大きな政府につながる。NPO論を使って市民参加のキレイゴトをいくら掲げたところで、膨大なサービスを周旋調整する役所が肥大化するのは避けられまい。

まして、目下の「貧富格差拡大」はほかならぬ「小さな政府論」を信奉するネオリベ派が自由経済を極端なまでに推進した結果なのだから、その是正を目指し、福祉の充実を主張する左翼・社会主義者であるならば、そのための財源を求め、したがって増税をして、大きな政府を求めなければ、嘘である。

もちろん、大きな政府といっても、昔のケインジアンや社民主義の典型のような状態に戻るわけではない。しかし行過ぎた小さな政府=ネオリベの罪を批判し、是正を求めるのであれば、大きな政府であることは否定できないし、増税もまた否定すべきではなく、むしろ積極的に主張しなければならない。

しかも消費税が引き上げられなければしわよせはどうせサラリーマンへの増税にはねかえるだけなので、それなら消費税によって富裕層からより多く取れるようにしなければならないだろう。
逆進性なんて嘘である。低所得層は余裕がないから、最低限の消費しかしない。消費税をより多く払うのは高所得層である。

しかし日本のいわゆる左翼・社会主義者は、福祉充実を叫ぶくせに、肝心の財源については増税に反対する。これでは社会主義ではなく、単なるポピュリズムである。
産油国のベネズエラでなければ、そんな都合のよい打出の小槌など存在しない。

また社民党あたりの財務省を目の敵にする議論も間違っている。
日本の官僚は大筋において、国益を守り、制度充実のために働いてきた。官僚バッシングはそれでは市場参入が困難だと思った米国による情報操作に過ぎない。

だから本来の社会主義者なら、財務省をむしろ擁護すべきものなのだ。

もちろん、官僚には自己肥大化の傾向があるので、フリーハンドではいけない。そこを監視していかないといけないのは事実だ。
だが、それならオンブズマンなり情報公開制度なり公務員弾劾組織などを整備充実する別の方策を考えればいいだけの話であって、米国の尻馬にのって財務省や官僚バッシングをしている社民党は、つまりネオリベに手を貸しているだけの軽薄な集団だというしかない。

ネオリベを批判し是正したいなら、本来の意味での社民主義の精神に立ち返る必要がある。官僚の肥大化が不安なら、北欧が進めたように市民参加、情報公開を進めればいいだけだ。

日本の保守の多くが、原発を推進し、国土を荒廃させてきたように本来の保守とは程遠いのと同様に、増税に反対する日本の左翼は本来の社会主義者ではない、単なるポピュリストでしかない。

その点だけは、野田が公言した増税論は、期待できる。
だが、左翼側がこれに反対するだけで、官僚の独走を防止するための市民参加と情報公開を求めたり、食料品などの非課税項目を求めたりするという現実的な対応策を示せないところが問題だ。

日本の福祉は、現時点ではアジアでこそ一番の水準だが、北欧には遠く及ばないのは、左翼が馬鹿だからだ。

李登輝は自分の保身だけでなく自身が過去に展開した「陳水扁汚職批判」を撤回・謝罪すべきだ

2011-07-05 17:09:34 | 台湾政治
このタイミングで李登輝批判をするのは、馬英九陣営の謀略に乗るような形になりそうで、避けたいのだが、やはり社会正義の観点から、一言いっておかないといけないだろう。
李登輝が今回起訴された「罪状」と「手口」、さらに物証がなく検察官の推定と憶測の羅列という点は、陳水扁を逮捕投獄に追い込んだケースと完全に瓜二つなのである。

ところが、李登輝は陳水扁が何の証拠もなく「汚職キャンペーン」で国民党系メディアにバッシングされた際には、メディアの尻馬に乗って、陳水扁を罵倒してきた(もっとも、これには陳水扁が李登輝の「汚職」を暴いたという軽率さも背景にあるんだが)。
このときの李登輝は、よもや自分も陳水扁と同じように国民党外省人反動派によって起訴されることを想定していなかったのだろう。
そういう点では、李登輝も国民党反動派=中国人ファシストの本質を見抜けなかったという意味で、やはり愚かだったということができるだろう。

今回の李登輝起訴は、陳水扁の逮捕起訴と同じ文脈にある。

同じように首長の機密予算を使っても、台北市長時代に本当に私的に流用した馬英九が一審で無罪となったのに、陳水扁の総統時代のそれが有罪確定し、李登輝もまた指弾されるのはなぜか。
それは馬英九の首長特別費横領事件に無罪を言い渡した一審判決文を読めばわかる(http://www.douban.com/note/142265380/http://bbs.hellotw.com/detail.jsp?id=23239&agMode=1)。
判決文によれば、首長特別費や国家機密費なるものは、中国宋朝時代の官吏に支給された「公使銭」を淵源とし、これは私的流用をしてもよい(すべき)金である。だから、馬英九が特別費を私的流用=着服しても、罪にはならない、というものだ。
逆に言えば、陳水扁や李登輝が本来私的に着服すべき機密費を文字通り「外交工作」に使ったのは、実はなんらかの疚しい、別の魂胆があって、そうしたのだから、マネーロンダリングの疑いがあり、それこそ着服だ!というのが、中国=中華民国体制の論理なのだ。
陳水扁や民進党は中国人ではなく、こうした中華民国の論理が理解できない。普通の西側の論理で考えているので、中華民国体制から見たら「不正」を働いていることになってしまう。
もっとも、李登輝はラファイエット事件では機密費を民進党系議員や学者への接待や取り込みなどの中華民国の基準では「正当」に使用した経緯があるので、こうした中華民国体制のペテン的な屁理屈は熟知していると、私は思っていたが、やはり李登輝もその点では台湾人なのだろう。やっぱり機密費をまっとうに外交工作に使っていたのだから、普通の先進国の論理でいえばまともであっても、中華民国=外省人から見れば「不正」だということになってしまうのである。

つまり、中華民国体制から見たら、日本や西欧などのまともな論理である陳水扁と李登輝は「不正」になり、日本や西欧の基準でみたら不正着服している馬英九が「正当」になる。つまり、中華民国体制からみれば、陳水扁と李登輝は同類なのだ。

ところが、李登輝はそこがわからんらしい。自身が起訴されると、自分の身の潔白だけ主張し、自分がやられたのと同じ理屈でやられた陳水扁を攻撃したことを反省しようとはしない。この点の自己中心ぶりは、中国人的といえないこともないが、こんなことをしているから、台湾人はまとまれないんだろうね(まあ、李登輝の”汚職”とを告発してきた陳水扁も愚かなんだけどね)。

李登輝を「汚職罪で起訴」は、陳水扁投獄に続く政治的謀略の一種だが結果的に逆効果だろう

2011-07-05 17:09:06 | 台湾政治
来年初めの総統・立法委員同時選挙に向けて台湾政局が動き出した6月30日、李登輝・元総統が最高法院検察署(最高検)の特別偵査組(特偵組=特捜部)によって「公金横領・マネーロンダリング」などの罪で在宅起訴された。
起訴状によると、李登輝が総統在任中にその側近の劉泰英氏とともに、国務機要費(国家機密費)約780万ドル(約6億3千万円)を1993年に設立された台湾総合研究院の設立費用などに流用、一部は同シンクタンクへの寄付金となり、李氏周辺の企業家を通じたマネーロンダリングも行われた、としている。
しかし、同事件は、台北地検が2003年、国家安全局の元会計長を起訴したものの、法廷では1、2審ともに無罪で、判決が確定している。
最高検はその後、内偵を続け、昨年になって新たな証拠を発見したと主張している。
しかし、起訴状を読めば、「総統が知らないはずがない」などという「推定」「憶測」のオンパレードで「物証」が何一つ挙げられていない。しかも当時李登輝の外交ブレーンで民進党公認の総統候補である蔡英文に何度も言及していることから、蔡英文への打撃を狙った政治的な謀略であることは明らか。
台湾の総統経験者の起訴は、すでに有罪が確定させられて服役している陳水扁・前総統に続く2人目で、民選かつ台湾人の総統経験者が2人とも起訴されたことになる。
しかも、起訴の罪名と「手口」とされているものが、陳水扁の場合と李登輝の場合とでほとんど同じであり、しかも起訴状が検察官による推定の羅列で、具体的な物証が何一つないという点でもそっくりである。

民進党や李登輝系の台連は「政治的謀殺行為」と非難している。
また李登輝起訴の当日から、テレビのニュースチャンネルで毎昼や夜にあるコールイン政治討論番組は李登輝起訴についての話題でもちきり。馬英九寄りのTVBSや中天などは「民進党が2000年に政権をとったときには国民党の汚職体質を非難したが、国民党の汚職体質は李登輝がつくったものではないのか」と民進党と李登輝の”連携”に溝を作ろうと必死な様子w。

李登輝は以前は馬英九にも甘い対応を示してきたが、馬の対中傾斜があまりにも急激なことを憂慮し、2009年からは馬への厳しい批判を加えるようになり、一時疎遠になっていた民進党との関係を修復、今年民進党が総統候補に蔡英文を選出すると、支持を明確にしていた。
5月17日には総統・立法委員の同時選挙の期日が、2012年1月14日に決定され、すでに事実上の選挙戦に突入している。
各種世論調査では、野党・民進党候補の蔡英文が、国民党の現職・馬英九を若干リードしている。民進党はリベラル革新傾向があるため、世論調査では実際よりも低く出る傾向にある。まして投票半年以上も前の時点で蔡英文が若干リードということは、実際には蔡英文が圧勝の趨勢にあることになる。

馬・国民党陣営としては、これに危機感を抱き、蔡英文の「恩師」でもある李登輝に「汚職」の濡れ衣を着せて、蔡英文のイメージダウンを図ろうとしたのだろうが、馬英九陣営の今回の謀略は逆効果になると思われる。

1.そもそも陳水扁を「抹殺」=投獄に追い込んだときとくらべて、拙速だ。陳水扁を逮捕する前には2年あまりにわたって、国民党系メディアが毎日のように陳水扁をデーモン化するためのキャンペーンを張り、これに麻痺・洗脳された人が多く、民進党系や李登輝までもが陳水扁を悪者にするようになったため、陳水扁の起訴・有罪化は簡単だったが、李登輝起訴は事前にそうしたキャンペーンがなく、明らかに唐突。

2.李登輝は国民党内にもいまだに隠然とした影響力がある。台北や党中央ではそうでもないが、南部の農民や地方派閥など底辺ほど国民党員や支持者の間で、「李登輝」崇拝者は多い。それは李登輝が台湾人だからだ。その李登輝を起訴したとなれば、国民党内で亀裂が深まる。国民党にとって最悪の場合、南部国民党の基層は蔡英文に流れる。

こうした拙速、国民党員・支持層における李登輝ファンの多さを考えれば、今回の起訴は結果的には支持率を落としている馬英九陣営のさらなる支持の低下につながることにしかならないと思われる。
実際、3日のTVBS討論番組で馬英九びいきの評論家・陳鳳馨が「国民党の謀略だという指摘があるが、私が馬英九の選挙参謀なら、李登輝起訴を避けるはず。こんなことしたら蜂の巣をつつくようなものだからだ」として李登輝起訴の動機をうぶかしがっていたくらいだ。
ただ、それは陳鳳馨という「外野」だからこそいえる意見であって、2007年ごろの勢いと人気がすでに過去のものとなっている馬陣営内部は、すでに貧すれば鈍すというか、判断能力が低下し、ことごとく誤った選択ばかり行なっていると見ていいのではないか。いってみれば、今の馬英九陣営は、2007年ごろの陳水扁の取り巻きと同じ状態にあるといってよい。
その好例が、立法委員と総統を同時選挙に持ち込んだ策略に見られる。若者の間で劣勢にある馬英九陣営は、大学生を投票に生かせまいとして、大学の期末試験期間中の1月14日を選挙期日にしたと見られているが、しかしそう見透かされている時点で、すでに戦略としては失敗している。しかも馬英九に対する不満は、すでに大学生だけでなく、前回は「ハンサム」というだけで圧倒的に馬を支持していた主婦層にまで広がっている以上、こんな小手先の期日決定では馬の劣勢は挽回できそうにないからだ。

日本が当初台湾の救援隊を拒否したのは、馬政権の根回し不足が原因

2011-03-16 02:25:32 | 台湾政治
各国が支援を申し出る中で日本政府は14日台湾政府からの支援の申し出を断ったという話が台湾で問題になった。
同夜の三立の討論番組などでは「日本政府が中国の目を気にしたのか」という邪推をしていた。また日本の民主党嫌いのネトウヨどもは「媚中ミンスだからだ」などと決め付けていた。
しかし実際には日本外務省が台湾からの救援隊が事前に通知していなかった救助犬を連れて行くということを知って、検疫の用意ができなかったから、断ったらしい。

だとしたら、これは台湾政府の根回し不足、コミュニケーション不足、手続きの不備が招いたもの。
大体「民主党だから中国の目を気にした」というのは、「媚米」のはずなのにイランの申し出を受け入れていることからも、成立しないし、そもそも災害救援は人道問題なので、外交関係のあるなしや良し悪しは関係ない。北朝鮮の赤十字社からの義捐金すら日本は受け取っているのだから。

馬政権になってから、行政の基本的な動作が失調傾向にある。これは国内政治では脱線気味だった陳水扁政権ではありえなかったことだ。
もっとも、この問題で馬政権バッシングを強める必要はない。

はっきりいって最近の台湾は、すべての問題で青緑の対立になってしまうことにはうんざりだ。実際問題、青と緑でどんな違いがあるのか?それこそ外国人から見たらどうでも良い「違い」に過ぎないことに、この小さな島国の住民は、感情的になっているだけだ。もちろん、「中華民国」という亡霊体制と、国民党というファッショ政党組織の清算は必要だが、「人」のレベルでは青と緑の違いはほとんどない。深青と深緑の盲目的で戦略のない感情論に問題がある。

アラブ民主化も、国民党政権の「外交休戦」のため有効に活用できない台湾の愚昧(; ;)

2011-02-27 21:26:58 | 台湾政治
アラブ世界で進む民主革命の動き。これは台湾にとっても本来好機になるはずだった。エジプトやチュニジアなどは、独裁体制が中国と密接な利権による共犯関係を保ってきたのだから、それが倒され、さらに中国が当惑している今となっては、台湾が外交的空間を広げる絶好のチャンスだからだ。現在もし民進党政権だったなら、このタイミングを最大限に活用していたことだろう。

ところが、台湾人が2008年に国民党政権を選んでしまった。国民党は中国との間で「外交休戦」を謳い、中国の国交国を奪わないという政策をとっているから、今回中国と密接だったベンアリやムバラクが倒れ、中国も当惑している隙をついて、チュニジアやエジプトに攻勢をかけることはしないだろう。

しかも国民党はそもそも中華思想から、第三世界を蔑視しており、米国と中国が最優先、日本すら敵対という有様だから、「外交休戦」がなくても中東に攻勢をかけるという発想は生まれない。

台湾人は本当に愚かである。自分たちの活路と可能性をみすみす塞いでしまう選択をしたのだから。
台湾が独自の存在として浮かばれることはあるまい。

国民党は選挙のために楊淑君を利用、ところが一家は民進党支持という皮肉w

2010-11-22 17:34:43 | 台湾政治
テコンドー予選で失格になった楊淑君を、国民党は今回の選挙戦に利用しようとしたが、すぐにほころびを見せてしまったw。

台北市長のカクリュウヒンが苦戦を強いられている梃入れのため、21日午後国民党陣営は台北市でデモを行った。3週間も前から決まっていたことだが、楊淑君の事件が起こってから急遽「楊淑君の雪辱、韓国許すまじ」というスローガンをデモに挿入したw。

ところがぎっちょんちょんw、楊淑君の父親は国民党デモ前日の20日夜、蔡英文の選挙集会に姿を見せて、蔡英文と握手しているのだw。
自由時報11月21日 蔡英文晩會 楊淑君父現身

これ、明らかに宛てつけだろうw。国民党ざまあww。

大体、国民党は韓国バッシングに走っているが、この問題は中国にある。

関係ない韓国に八つ当たり、中国に沈黙する国民党系の醜悪 アジア大会テコンド失格問題

2010-11-22 17:34:11 | 台湾政治
11月17日、広州アジア大会の女子テコンドー49kg級予選で、台湾のテコンドー選手・楊淑君とベトナムの選手が対戦、楊が優勢にあったところ、中国籍審判員趙磊と韓国系フィリピン籍審判員洪性天が「規定外のかかとソックスの使用」を理由に楊淑君に失格を判定した。これに対して、台湾では国民党系メディアを中心に、「世界テコンドー連盟を支配する韓国が意図的に台湾を失格にさせた」として反韓国キャンペーンを張り、主に国民党系の人間が韓国国旗を燃やしたり、韓国製品ボイコット、レストランの韓国観光客拒否など反韓国感情が広がった。

ここで問題は、審判員が「韓国系だから」とか、世界やアジアテコンドー連盟は韓国がコントロールしているという理由で、韓国に八つ当たりする国民党系の情報操作に問題がある。
これはどうみても醜く無意味な八つ当たりのようにしか見えない。
判定の問題だというなら、そもそも今回のアジア大会の運営は中国なんだから、中国に文句を言うのが筋だろう。

李登輝は18日夜の年代テレビ討論番組「新聞面対面」で「韓国政府が関与しているわけじゃなし、韓国を攻撃するのは間違っている」と指摘しているし、自由時報の投書欄や知人の民進党系はいずれも「これは韓国じゃなくて中国に抗議するべき問題」と指摘している。

もちろん、台湾選手に事前に「かかとソックス禁止」が知らされていなかったり、対戦前のスキャンでかかとソックスを指摘していなかったりと、世界連盟に問題がないわけではないし、韓国は1990年代の国際競技で台湾に不利な扱いをしてきた前科はある。
かといって、テコンドーがいくら韓国のお家芸だといっても、ほかの国で開かれたテコンドーの対戦で問題が起こったことはないのだから、これは韓国は関係ない話だ。

国民党系の大中国意識にたった媚中、韓国蔑視の思想が垣間見えるようだ。

そもそも韓国はいろいろと偏狭なところがあっても、それでも台湾とともにアジアで民主化に成功させた数少ない国であり、安全保障上は台湾と利害が一致している。
これは深読みだが、国民党は韓国バッシングをすることで、間接的にアジアにおける自由陣営にひびを入れて、中国との融合に有利にしようと考えているのではないか。

そういえば、日本の右よりの人間にも、中国と韓国を同列に置いて、中国が一党独裁で韓国が民主化した国であるという事実に目をふさごうとしているアホがいる。
中には中国よりも韓国をより敵視している人間もいる。
これほど戦略的に愚かな主張はない。

韓国はアジアの民主主義陣営にとっては不可欠の存在であり、これを離間させようとする国民党と日本の右翼は、はっきりいって中国に対して利敵行為を行っているとしかいえない。

陳水扁前大統領に金融改革事件で無罪判決 ようやく正常化しつつある台湾社会

2010-11-06 20:07:57 | 台湾政治
陳水扁前大統領が訴追されていた様々な事件のうち金融改革(銀行統廃合)をめぐる収賄事件についての一審判決が5日下され、陳水扁前大統領に職務権限なしとして無罪が言い渡された。

5都選挙が近づき国民党の無能に対する不満が高まり、国民党の劣勢、民進党の優勢が伝えられる。

そもそも陳前大統領を汚職だのマネロンだのとして証拠も因果関係もなく逮捕収監したのは対米自立を目指した陳氏を憎んだ米国の陰謀であり、完全に誤った行為である。

2006年の陳大統領に対する不当な流言蜚語に伴う「倒扁」運動から23008年の立法委員選挙における国民党の大勝、総統選挙での馬の勝利と、狂ってきた台湾社会が冷静さを取り戻し正常化する第一歩として、今回の判決を歓迎したい。

陳水扁前大統領は一日も早く釈放されるべきであり、訴追されているものはすべて無罪である。
ただ、陳水扁前大統領には台湾政治を対立と混乱に導いた責任、緑陣営の人間関係を悪化させた責任といった政治的責任はある。
法的には無罪であり、今後釈放されても、すでに元職でもあり、責任について自省してもらい、政治的発言を自制してもらいたい(これは李登輝についてもいえる)。はっきりいって本をたくさん読んで教養をつけるべきだと思う。

やはり2012年総統選挙の本命は、林義雄のようだ

2010-10-18 22:20:02 | 台湾政治
17日、三立の討論番組「新台湾加油」に林義雄・元民進党主席が呼ばれて単独インタビューを受けた。インタビュアーは呂恵敏。
呂はあまり台湾語がうまくないので主に北京語で聞いていたが、林は答えを台湾語で通していた。これ自体で好感度高し。
内容的にも台湾外交、国際関係、リーダー、民主主義のあり方といった「大格局」(大きな視座)に立ったもので、「これは次の総統を狙っているな」と思わせるものだった。
実際、呂氏の質問も、そういう視点に立った誘導尋問が多くw、
「2006年に民進党を脱党しながら、今回の選挙では高雄市の選挙応援など前面に立って民進党を応援しているのはなぜか」
「市長選挙で、蘇貞昌と蔡英文が当選する可能性が高く、そうなると2012年総統選挙の候補がいなくなってしまうという心配の声があるが」
などというもの。
これらに対しても林氏は軽く苦笑して受け流しつつ、それでも「大格局」の答えをしていた。総統の風格という感じ。
事実、インタビュー後のコールインでは、「次の総統候補は林義雄で間違いない」との声がしきりw。まあ、こうやってメディアの意図にまんまと乗せられるところが台湾人もまだまだなんだが、実際話の内容を聞いた限りでは、次は林氏でいいように思う。

さて民進党8年の政権運営に対する総括では、一部にある「民進党政権は良くなかったから国民党になった」という見方については、陳水扁の「表現」(見せ方)は良くなかったとしつつも、「民進党政権は特別良かったというつもりもないが、悪かったとは思わない」と一蹴。

民進党を離脱した理由については「民主国家であれば政党の奴隷になるのは良くない。台湾の現状は国民党支持なら国民党支持、民進党支持なら民進党支持で固まっていて、悪い意味での闘争になっている。そうした闘争から一歩距離を置きたかった」と述べた。

国会定数半減を強硬に推進したことを民進党大敗の元凶として批判されていることに対しては「定数半減と小選挙区は、各政党が公約として掲げたこと。それを私はいったん掲げた公約を履行すべきだといっただけであって、内容を支持したわけではない。しかも民進党が大敗したときには批判した人は、逆に今年同じ小選挙区で民進党が連勝したことで林の功績だといわない(苦笑」。ただし個人的には現行の選挙制度よりは、ドイツ式連用制が良いとは思っている」と弁明した。

さらに民進党を離脱しながらそれでも民進党を応援する理由については「国民党のほとんどすべてはもともと高層出身者で、庶民のことを理解せず、民主主義の素養も足りない。民進党は民主主義の素養があるのは事実だから」と指摘。

馬政権については、公約が次々と破られていることは、「単なる能力の問題で、意図的に信用を破ろうという意図は感じられない。しかし、すべてにおいて”誠懇”(真心)が感じられない」として、対中政策で主権をないがしろにして、急速に傾斜し、台湾人はもちろん日米といった友邦に不安を与えていること、さらにECFA,米国産牛肉輸入などの重大な問題について国民投票を拒否しているなどを問題としてあげた。

そして「台湾は尊厳が必要なのであって、尊厳を棚上げした対中交流はいけない」「馬政権は『台湾を売り渡すつもりはない』と口先ではいっているが、実際にやっていることは売り渡すこと。もちろん対中交流を否定するつもりでないし、馬政権が対中交流が台湾の国際空間に有利となると考えているなら堂々とそう主張すればよい。それに対してみんなが議論して、馬政権の主張が正しいというのであれば、私もそれに従ってもよい。しかし馬政権は堂々といわず、議論にもならないのが問題だ」
そして今回の5都選挙は「馬政権に対する不信任投票の意味を持つ」と断言した。

2012年総統候補について「今は5都選挙に集中すべき時期。総統選挙にはしかるべき人が出てくるから、心配する必要はない」と指摘した。

陳水扁が「5都選挙では南部2都だけ勝利で、あと3都は国民党が小幅勝利だろう」と予言していることについて「結果が出ないとわからないし、結果は人民が判断すること。それを政治家が口にするのは人民を尊重していないことになるし、ke2-gau5(自分だけが賢いつもりになっていること)だ」と批判した。

陳水扁を個人的にかなり嫌っている様子だが、考えてみたら、陳水扁が個人的に嫌いな人って多いような気がする。「子どものときに表で遊んでいるのを見たことがない」と近所の人は言っていたが、そういう人は社会性がないのか。
まあだからといって、前総統をああいう形で拘束して侮辱する必要はないが、陳水扁自身の人格に問題があるのは事実なようだ。その点では馬英九もまったく同じ(大体、こいつの場合、そもそも台湾で育ったのかすら怪しいw)で、蔡英文も似たようなところがある。

今後総統になる人は、「子どもや学生時代に、友人とわいわい遊んでいたような」普通の子ども時代を送っていた人を選ぶべきだろうね。
まあ、その点でも林義雄は普通で合格だろう。謝長廷はもっとすごくて、かなりぐれて遊び人だったこともあるし、そういう人のほうが指導者としてはよい。

ただ、林義雄の場合も、難点がないわけではない。
民進党を一度離脱しているので、総統候補になる場合は、しかるべき理由で復党して、しかも入党経歴が浅い問題を内規改正でクリアしないといけない。それは何とでもなるとしても、林義雄は妙に頑固で依怙地なところがあるので、総統になったら、けっこう気難しい、難儀な人になりそうだ。

とはいえ、日本の筑波大学に研究員として滞在したときもあるし、米国で修士をとったこともあるなど、日米の重要性をよく理解していて、国際関係に一定の哲学がある点は総統としては大きなプラス。
また、陳水扁なんかと違って思想関係の読書もしていて哲学もあるし、政治犯の経験、そしてその間に家族を殺された背景もあるので、依怙地な性格であってもみんなその点を批判しにくい面もある。
そして、哲学の薀蓄や日米滞在経験などをうまく生かせれば、チェコのハヴェル、南アフリカのマンデラ、ドイツのヴァイツゼッカーなどに匹敵する哲人大統領になる可能性もある。(そしてできれば、今のような中途半端な半大統領制をやめて、ドイツのように大統領が象徴化して、議院内閣制に移行するのが望ましい。林氏のようなキャラの人が総統ならその動きは強まるだろう)

そうすると、副総統は同じ美麗島事件経験者の陳菊か?

個人的にはもちろん謝長廷も気になる。彼のプライドの高さから、もう出る気がないかと思っていたが、10日夜の東森テレビのインタビューを見る限り、総統選挙の再度出馬を狙う気がまったくないわけではなさそう。
個人的には謝長廷に出てほしいが、林義雄であっても、日本のこともよく理解しているし、台湾語への意識も強い(彼が主宰する財団「慈林」は英文では台湾語読みのTsu-nahだし、電話も台湾語が基本)ので、良い選択だと思う。

台北市の汚職次々に明るみに、検察が積極捜査、米国は国民党に愛想をつかしたか?

2010-10-11 17:46:10 | 台湾政治
新生高架道路の手抜き工事が発覚してから数ヶ月たつが、台湾検察当局はようやくこの事件で台北市高官らが関与した汚職事件だと見立てて、高官クラスを逮捕、事件は市全体を揺るがすものとなっている。
さらに11月から始まる花博覧会でも、花の代金が市価の数十倍に達するものが発覚するなど、これまた汚職疑惑が指摘されており、検察当局がこの事件も近く捜査に着手する見通しが強まっている。

これで一挙に窮地に立っているのが、現職市長で再選を目指す国民党所属のカクリュウヒンだ。
高雄の水害の余波で支持率が後退していた民進党候補が、この事件を機に再び国民党を追い上げ、上回る勢いを見せている。

しかしこれまで国民党関係者を一切摘発してこなかった検察が、俄然国民党関係者、それも大物のカクリュウヒンをターゲットとして、しかも選挙2ヶ月をきった微妙な時期に、捜査を展開しはじめたのはなぜか?

日本でも検察が小沢一郎を執拗に狙ってきたように、日本、韓国、台湾の検察は、どうやら米帝の強い影響下にあるものと思われるが、ここにきて台湾検察当局がカクリュウヒンをターゲットとした背景には、検察の背景にある米帝が、国民党に愛想をつかし、国民党に引導を渡す姿勢にあると考えるべきだろう。

2006年には米帝のターゲットは陳水扁にあった。それは中南米反米諸国との関係を緊密に持ったり、中東と独自の外交を展開するなど、米帝離れを目指す陳水扁を疎ましく思った米帝が、陳水扁の「汚職疑惑」をでっち上げて、執拗に情報操作を展開したものだった。そして、陳水扁は米帝の思惑通り「ダーティで悪い大統領」とみなされて、失墜した。
今度は、国民党がターゲットになった。それは馬英九以下国民党の目にあまる無能ぶりと、日米安保を無視した対日敵対姿勢に米帝が愛想をつかしたということだろう。
だからこそ、昨年の台風による水害を機に、オバマ政権に近いCNNなどが馬政権バッシングキャンペーンを行い、基本的に米帝メディアの影響を受けやすい台湾メディアがそれを忠実に報道することで、馬政権は無能で駄目だという印象が付けられた。

米帝による情報操作は、執拗さにある。

これは、国民党自身の愚かさによるものだ。国民党は米帝による陳水扁バッシングに便乗して、政権を奪回した。しかし、米帝の台湾に対する許容範囲が狭いことに国民党は気づかなかった。大勝したから何でもやっていいと思い上がった国民党は、日本との関係を悪化させ、米帝の機嫌を損ねてしまった。米帝自身は日本をいくらでもバッシングしていいが、日本より格下の「同盟国」=属国に過ぎない台湾が、日本に敵対することは米帝にとっては許されないことだ。それを知らない国民党・馬英九はそのトラの尾を踏んでしまった。
米帝の陳水扁バッシングに便乗して政権を奪回した国民党が、米帝によって足をすくわれる。自業自得だ。

5都選挙の結果は、おそらく外省人でかつて国民党独裁と戦ってきた毒舌評論家・李敖が予測しているように、民進党4-5対国民党1-0となって、民進党大勝、国民党惨敗となるだろう。
そして馬英九政権は任期1年あまりを残してレイムダックになる。

米帝にすがりついたものは、米帝によって切り捨てられる。

今後政権を奪回するであろう民進党は、米帝から距離をとる知恵がもてればいいのだが。陳水扁のように明らかに米帝に挑戦するのは短慮だし、だからといって米帝の言いなりでは台湾は浮かばれない。

台湾南部の国民党は崩壊へ?高雄・台南市長で民進党公認が独走、国民党公認が泡沫化

2010-08-19 18:04:34 | 台湾政治
大高雄市長選挙では、表向きは民進党が分裂したようにみえるが、民進党公認の陳菊の優位は動かず、むしろ国民党公認が煽りをくって泡沫化する危機に瀕している。同様に大台南市長選挙でも、民進党の予備選挙で2位だった許添財が独自出馬する観測が流れているが、ここでもやはり民進党公認優位は変わらず、国民党が泡沫化しつつある。

許添財は今のところ出馬するかどうかは明らかにしていないが、もし出馬したとしても、高雄における楊秋興と同じ状況になると見られている。

リンゴ日報が8月6日実施、7日発表した調査では
《蘋果》民調 若許添財參選大台南市長,你會支持誰?

民進党公認頼清徳 53.93%
無所属? 許添財 18.90%
国民党公認郭添財 14.62%

台南は高雄よりも緑が強いだけに、頼清徳の圧倒的優位は変わらず、許添財が出馬すればむしろ国民党の郭添財(名前が同じ)が煽りを食って泡沫化することになってしまうわけだ。しかもこの場合、知名度では許添財のほうが上なので、ひょっとしたら国民党支持層の年寄りあたりは、間違って同じ名前だけに、許添財に投票してしまうかもしれないw。そうなると、ますます国民党公認は苦しい戦いとなる。

与党・国民党「公認」が、3位にとどまるようなら、少なくとも南部においては国民党は崩壊である。

北部2都(台北市と新北市)は国民党と民進党の激戦で、予断は許さないが、最近では民進党候補が上回る調査結果が増えてきた。
台中市だけは国民党の優位だが、ここも警察の風紀、治安問題などが選挙前にクローズアップされるようだと、国民党も苦しくなるだろう。

そうなると、国民党の崩壊は南部だけでは済まなくなりそうだ。

いずれにしても、金溥聡は引責辞任、下手したら次期立法委員選挙で自己保身を図りたい国民党議員によって馬英九は弾劾、罷免されるかもしれない。

大高雄市長選挙、楊秋興参戦で面白くなってきた

2010-08-19 18:02:20 | 台湾政治
最近台湾政治はつまらない、と思ったら、ここにきて若干面白くなってきた。
11月27日実施予定の台湾の5都(直轄市)市長・議員選挙だが、大高雄市長選挙に民進党の予備選挙で破れた高雄県長・楊秋興が8月9日に民進党離脱し、独自に出馬することを表明したからだ。
楊秋興はECFAを支持するなど国民党寄りの路線を打ち出し、中間派から浅藍(弱い国民党支持層)を狙うようだ。

最初は「ゴルぁぁぁぁ!楊秋興!ヴォケとんのかああああ?!!!」と思ったが、どうも民進党や独立派周辺の反応を見ても至って冷静なもので、事実これまで7種の機関が発表した支持率の世論調査を見ると、いずれも民進党公認の高雄市長・陳菊の優位は変わらない。
それどころか、楊秋興が露骨に国民党寄り路線を打ち出したことから、国民党公認の黄昭順が煽りを食って3位、しかも泡沫化の兆候すら見られる事態になっている。
楊秋興はかなりトリッキーな性格だと思うので(四柱推命だと謝長廷と同じタイプ)、もし世論調査通りに投票も反映されるとすれば、実は国民党公認を泡沫化させて国民党組織をぼろぼろにする作戦なのでは?とかんぐってしまう。楊がそこまで考えているのかわからないが、これはなかなか面白くなってきた。

自由時報が18日付け1面中段記事で独自の世論調査結果を発表し、陳菊46%、楊秋興19%、黄昭順7%wという数字を出したことに、楊秋興は反発し、一部では「楊秋興の辞退を促す操作では」という観測も出ているが、それは下種の勘ぐりというものだろう。
というのも、この結果は自由時報に限らず、国民党系の聯合報も含む他の6種の調査ともほぼ一致しているからだ。しいていえば自由時報では黄昭順があまりにも低すぎて、18日夜の三立「大話新聞」でも評論家たちが「これはありえない」と指摘していることから、自由時報がもし辞退を狙ったとすれば国民党公認黄昭順のほうではないか?

自由時報は、黄昭順の数字があまりにも低すぎるのはともかくとして、1位が圧倒的に民進党公認陳菊、2位が民進党離脱した楊秋興、3位が国民党公認黄昭順というのは、どの調査も同じ

ここにそれぞれの調査をあげる
(18日夜大話新聞が整理したものをもとに再度確認したもの)

数字は陳菊、楊秋興、黄昭順の順で、パーセンテージ

8月4日聯合報    44 23 13
 (楊秋興表態參選陳菊民調領先
8月4日リンゴ日報  43.75 27.18 20.49
8月9日民進党    53.7 22.6 15.3
 (民進党新聞稿 蔡主席:遺憾楊縣長背棄承諾 對大高雄選情仍深具信心 / 2010-08-09
8月10日TVBS  46 28 14
 ( 楊秋興宣佈參選高雄市長支持度民調
8月11日楊秋興陣営 37 19 10
 (11日中天のインタビューで楊秋興が公開)
8月18日政治大学  61.0 26.5 11.8
 (政治大学未来事件交易(取引)研究所、本来は当選確率を価格にしたもの。未來事件交易所目前對五都選舉的預測結果_20100818
8月18日自由時報  46 19 7
 (大高雄市長選舉支持度/本報民調


この中で、4日のリンゴだけが楊+黄の合計が陳を上回るが、後はいずれも陳菊が他の2人の合計をはるかに上回る独走状態だ。

9日前後の自由時報の投書欄では民進党支持者の投書に「国民党陣営がもし公認の黄を棄てて、楊に乗り換えたら逆転されるのでは?」と危惧するものが多かった。
実際、楊の出馬によって、陳菊も影響を受けないわけではない(TVBS民調 楊秋興恐吸走陳菊24%、黄昭順31%(2010/08/03 19:56未來事件交易所:陳菊當選率8成跌到6成8(2010/08/05 00:56))。しかし、陳菊がこれで落選するかもしれないというのは杞憂に終わりそうだ。

だから、今後の焦点は

1.楊が勝てないとわかっていても、出馬しつづけるのか

2.国民党公認がこのまま泡沫化するのか?

にある。

もちろん、国民党は面子にかけても公認候補を泡沫化させるとは思えないので、最終的には黄昭順にある程度票が戻るだろうが、楊秋興も現職県長としてかなり強さを持っているので、結局、国民党の票は分裂して、この両者で2,3位争いになりそうだ。

しかし、その場合でも、国民党候補が得票率で30%を下回るようだと、かなり情けないことになる。いや、それどころか各種世論調査通りで推移したとしたら、国民党候補は20%以下ということになりかねない。

そして万が一楊がこのまま2位ということになれば、いくら楊の主張が国民党寄りにシフトして、そのために国民党系の支持を集めたといっても、もともとずっと民進党の人間なのだから、形式的にはその票も民進党系ということになる。
そうすると、陳+楊の民進党系合計は8割前後という空前の数字になってしまう。

楊がこのまま2位ということになれば、いくら楊の主張が国民党寄りにシフトして、そのために国民党系の支持を集めたといっても、もともとずっと民進党の人間なのだから、形式的にはその票も民進党系ということになる。
そうすると、陳+楊の民進党系合計は8割前後という空前の数字になってしまう。

いくら高雄は民進党が若干強いとはいえ、これまでは「浅緑」地域であり、国民党も決して弱くなかった。事実、2008年の総統選挙では現高雄市は馬のほうが多かったくらいだし、立法委員選挙でも高雄市・県ともに国民党が半数近くとっている。
ところが、馬政権2年あまりのあまりの失政と無能さのために、高雄ですら国民党がどんどん衰退していることがわかる。

楊秋興は、本人がどこまで自覚して謀っているかどうかわからないが(性格が性格だけに、その可能性もある)、これは南部(全国といわないまでも)の国民党を崩壊させる一里塚になるかも知れない。
だからこそ、独立派の多くも意外に冷静に情勢を受け止めているのだろう。