むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

アラビア語レヴァント方言の辞書

2008-05-31 01:51:55 | 中東
久しぶりにアラビア語の話題を。これはいい辞書だ。
J. Elihay. The Olive Tree Dictionary: A Transliterated Dictionary of Conversational Eastern Arabic (Palestinian) . Jerusalem: Minerca Instruction and Consultation.
レバノンのポップス音楽やキリスト教文化を研究するうえで、アラビア語レヴァント方言の理解は必須。しかし、どういうわけか、レバノン、シリア、パレスチナ、ヨルダンを含むレヴァント方言の辞書、特にアラビア語から英語を引けるまともな辞書がないので困っていた。
最近、NHKラジオ講座講師もやったことがある栄谷先生のブログに上記辞書が紹介されていて、米国Amazon.comを見たら、70ドルとそんなに高くなかったので注文してみた。期待していなかったが、実際届いたのを見ると、なかなか良さげ。
英語からアラビア語を引ける詳細なものには、ジョージタウン大学から出ている 
Karl Stowasser & Moukhtar Ani (Eds.). A Dictionary of Syrian Arabic, English-Arabic.
があるが、アラー英があるほうが助かる。見出し単語数は1万近く、単語の異形も見出しになっている。見出しには動詞の派生型や名詞の複数形も併記、用例は2万近く。

しかも印刷字体は、ジョージタウンのアラー英が非常に見難いのに対して、このオリーブツリー辞書は非常に見やすい。用例はジョージタウンほど多くないが、それでもツボを押さえていて、十分だ。しかも巻末に英語から引ける索引もあるのが嬉しい。ただとどいたとき、装丁にJerusalemとあったので「ゲロゲロ、ユダヤかよw」と思ったが、逆にイスラエルのものだけに、細かい気配りがあるのも良い点だろう。アラブ国家だとこうは行かない。
ちなみに、著者はフランス人キリスト教徒で(でも苗字がもろセム系なのは、なぜ?)、最初ベイルート、それからイスラエルでアラビア語を学んだらしい。
また、サイズもA5版よりやや大きめで700ページ以上、重量も2KG近くあるので、携帯には向かないところも玉に瑕か。ただ字体を小さくしてサイズをコンパクトしたら、見難くなるから一長一短というところか。

日本の台湾接収時の抗日闘争を描いた映画「一八九五乙未」クランクアップ

2008-05-31 01:50:15 | 台湾その他の話題
1895年日本が台湾を接収して植民地支配を始めた際に、台湾中部の八卦山(はっかさん、八卦は本来は「はっか」と呼ぶの正しい)に立てこもって抗日闘争を展開した台湾人と、接収軍に従軍した若き日の森林太郎(鴎外)を描く映画「一八九五乙未」がこのほどクランクアップした。28日に台湾人スタッフ・役者による打ち上げがあり、さらに30日には助成を受ける客家委員会に提出するためのデモビデオ(上映されるときには1時間50分程度だが、長めの2時間半に編集して字幕をつける前)の音声チェック(日本語台詞がちゃんとなっているかのチェック)をやってきた。
八卦山闘争は、呉湯興という客家人の秀才が中心となって、泉州系盗賊、サイシャット族が加わったもの。清朝官吏のやる気のない台湾民主国とも関係なく、単なる土匪の類でもなく、しかもエスニシティの境界を超えて行った稀有な闘争。
映画で使われている言語は、客家語が80%、ホーロー語が10%、日本語が10%、少しだけサイシャット語という感じ。
撮影時に呼ばれて、日本人が登場する部分の収録などに付き合ったが、全編がどうなっているか知らなかったので、今日見てわかった。といっても、客家語の部分は、文言が出てくるところや長い台詞だと、あまりわからない。また私がこれまで接してきた人は四県系が多いので、四県方言を話す呉の部分はいいのだが、それ以外に海陸方言を話す人のところは調値を四県に変換して考えないといけないのでこれもやや自信がない。ということで、客家語でわかった把握できたのは5-6割といったところか。台湾語と日本語は問題ないけど(てか、日本語よりも台湾語の部分のほうがよくわかったような気もするが、これは日本語母語話者として結構マズイことかも(^^;)。
それから「抗日闘争を描いた」ものとはいえ、緑系の会社が制作しているので、反日的な色彩はまったくない。双方をかなり淡々と描いているという感じだ。今回見たのはデモ用で実際に上映されるものよりは長めになっていることもあって、若干単調なところもあった。しかしホーロー人の土匪をいわゆる「fool」として出してメリハリをつけていたので、さらに編集カットして1時間50分にすれば、十分面白い映画になると思った。

ちなみに、「2ちゃんねる 東アジアニュース+板」でも、これがクランクインされてしばらくたってから取り上げられたことがある。
【台湾】日清戦争直後の台湾における抗日戦争を描いた映画「1895乙未」がクランクイン[01/04] http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1199509163/
(ただしDAT落ちしている)
しかし見てもいないで「抗日」という文字面だけで勝手に「反日」「やっぱり台湾人も反日だ」などと決め付けている単細胞なウヨクがたくさん書き込んでいて閉口させられた。
馬英九みたいに反日教育で観念的反日になっているようなアホどもと違って、台湾本省人の場合は実際に台湾という土地について愛情を持って、先祖が抵抗した事実があるのだから、「抗日」だからといって「反日」だとはいえないことは、台湾人と肌身の付き合いがあれば、わかりそうなもの。まあ、アホなウヨクにはその程度の実体験も、想像力も、論理性もないんだろうけどね。そもそも見てもいないで勝手に決め付けるのは、ドキュメンタリー映画「靖国」についてもそうだが、そういう単細胞こそがむしろ彼らが毛嫌いしているはずのシナ人の憤青どもとソックリだといえる。
実際、今日この「抗日闘争を描いた映画」を通してみた感想でも、決して反日的ではないと思った。てかこんなものが反日などといっていたら、歴史なんて何も語れないわけで。むしろ淡々すぎて、もう少しは反日情緒を入れたほうが刺激的だったかも?と思えるくらいだ。

P.S. それから、これはちょっと愚痴だが、日本語台詞の部分は私が訳したが、できるだけ明治というか鴎外(特にファウスト訳本や日記)の文体に似せて訳したつもり(しかも私は漱石より鴎外のほうが好き)。
ところが、イマドキの日本人(で台湾在住)の若手俳優ときたら、あまり古風な表現を知らないで、「こういう表現はない」などと文句を言うわ、ちょっと難しい漢字を読めないわ、で困った。漢字を知らないのも古風な文体が変だと思うのも教養がない証拠。大体、「煮沸」とか読めないレベルで文句言うな!まあ元の中国語の台本がいまいちなのがあるんだが。

地震で多数の死者を出したのに、五輪・聖火リレー・軍拡にうつつを抜かす中国の不謹慎

2008-05-29 22:59:45 | 中国
今回の大地震に関連して、2ちゃんねるあたりに媚中派が待ってましたとばかり、「中国は被害者、天災を喜ぶべきではない」などとしたり顔で中国擁護の論陣を張っているバカがいるが、そういう御仁は、
1.中国がいまだに聖火リレーに現を抜かしていることを被災者に対する不謹慎で無礼だとは考えないのだろうか?
また
2.地震で全滅になった集落が多発しているが、海外の不動産を買いあさる金持ちが多数いるくらい経済成長している成果をそうした弱者福祉に回さない体制、およびそれを要求しない社会全体に根本的な問題があるというべきではないのか?
3.あれだけ経済成長して外貨準備高も世界一を誇っていて、それで米国と対抗しようと軍拡に狂奔しているくらい余裕があるんだから、義捐金など海外から受け取る必要がなく、軍事費を削って被災者支援にまわしたらどうか?

しかも被災地の多くは、李白がかつて漢詩「蜀道難」で詠ったように、漢族が入っていけないところ、つまりチベット人が多く住む地域、かつてのチベット・カム地方なのである。
中国植民地侵略政権からも虐殺されている哀れなチベット人のために救援は必要だ。しかし、地震を生む乱開発の元凶である拝金主義の漢族には支援は必要ない。

地震にあたってわれわれがさらに声を大にすべきこと。それは

1、中国は軍事費を削減して救援にまわせ

2、中国はチベット人地区から手を引け

ということだ。

的外れな非難 非難なら人民の福祉をないがしろにする中国政府と社会を非難しろ!

2008-05-29 22:58:28 | 中国
↓こういうエセ人道主義=実態は単なる媚中派の偏ったコメントがあったのでさらしておく。

>人間として
>2008-05-23 14:05:33
>台北
>>カム地方大地震 犠牲になったチ...
>>「数万人の犠牲者が出た、中国と漢族に天罰が下ったか。ざまあみろ」
>あなたはジャーナリストうんぬんよりも、人間として成り立ってないよ、人類共通の価値観が欠けてるただの変人、育てた親が泣いてるぞ。

労改って知ってる?www


■「人類共通の価値観」なんて存在しないしw
そもそも人類に共通の価値観なんて存在しないよw。そんなものがあると思っているのは、アメ公とそれに洗脳されたバカな日本人だけ。
中東に行ってごらん。君が当たり前だと思っている価値観なんて通用しないぞw。お前の視野が狭いだけ。
それに当の中国だって、歴史的に人の命なんてなんとも思っていないところ。蒋介石がダムを爆破して日本軍のせいにして中国人同胞をたくさん死なせたんだし、6・4天安門虐殺事件でも当時の指導部が「10億以上いる中国で2000人くらい大したことはない」と公言したこともある。実際、中国はそんなところだ。地震じゃなくても、労改で毎月6万人以上は死んでいるだろう。
日本人あるいは台湾人の価値観で、外国で起こったことを勝手に推し量っても意味がない。お前のようなのを「自己の価値観の押し付け」といい、そういう思想がイラク戦争や大東亜戦争のような暴挙を生んだんだよ。君はつまり帝国主義思想の持ち主だってことだ。人類の多様性を認めていない。

■そんなにかわいそうなら、軍事費削れば?
それから、そういうお前こそ中国人全体がこれまで犯してきた地球と人類に対する破壊行為を見逃す、単なるバカだ。お前はたかだか一回の地震で、中国社会と中国共産党の悪をすべて免罪にしようとする悪魔だ。しかも、今回の地震は週刊現代5月31日号でも指摘されているように、中国の乱開発が生んだ人災であって、天災ではないのだから。同情は無用。
むしろ義捐金なんて考えないほうが良い。核弾頭をたくさん持っているような軍事大国は、みずから軍事費を削って救援に回すべきであって、外国が金を送るとしたら、その分で中国はさらに軍事費に回すだけだろう。中国という存在そのものが、人類の価値観に反した軍国主義である以上、君のようなエセ人道主義は、むしろ中国の軍拡を支援する帝国主義の走狗というべきだ。
中国が本当に「天災の被害者」だというなら、だったら、軍事費を削って震災復興と救援に回すべきである。それを指摘しないで、「中国がかわいそうだ」などと言いたげなお前は、それこそ軍国主義の手先だ。

■「人間として」草の根の拝金主義ファッショの中国が許せないだけ
私は人間として基本的な同情心を持っているからこそ、基本的な人権など棚上げにして、地球環境や大地を痛めつけて、弱者をないがしろにして、金儲けさえすれば良いなどと金の亡者になっている13億の中国人(漢族)社会全体が許せないわけ。
「庶民は悪くない」という人も多いが、乱開発を指をくわえて見ているだけで、むしろ金儲けこそが正しいとして金の亡者になっている点では13億人全体が悪い。というか、中国共産党の指導者の中にはむしろわかっている人間がいるのだが(それは体制永続のためには当然だろう)、「数の暴力」というか、「多勢に無勢」というか、カネの亡者の圧倒的多数の庶民そのものに押されて、結局有効な手立てができないというのが実態だろうね。
「庶民は悪くない」というのは、サヨクチックな欺瞞であって、実際には1930年代の日本やドイツのファッショ化がそうだったが、体制が押し付けたというよりも、むしろ草の根からボトムアップでファッショ化したというのが実態だ。
というか、すべての独裁体制というのは、実は庶民の支持がなければ存続できない。民主主義だけが民衆の支持が反映されると思っていたらそれは素人の勘違いだ。ナチスだろうが、日本軍国主義だろうが、むしろ庶民のほうが熱狂的に支持して、押し上げたのだ。
今の中国も、急速な工業化とナショナリズムの台頭という意味で、戦前の日本の酷似している。
それとも、君は地震があったというだけで、中国人漢族が今までしでかしてきたチベット弾圧、弱者を徹底的に痛めつける搾取・疎外・人権蹂躙、毒ギョウザなどの毒製品の生産と輸出、大気・海洋・大地環境の破壊、核兵器も含む軍備拡張と対外膨張などが、全部帳消しになって、中国は被害者になるんですか?!

■今回の地震は人災、臭いものにフタをすべきではない
そもそも、あなたは知らないようだが、今回の震災は、週刊現代5月31日号が指摘しているように、中国共産党政権の乱開発がもたらした人災であり、純粋な天災ではない。しかも中国共産党政権の指導者は、事前に地震を予知していながら(というか、乱開発によって、長江流域は群発地震が起きていた)、それを放置した。
しかも、今後中国は自らの乱開発と有毒製品開発のツケで、住民には癌が多発し、ダムも次々決壊して多数の死人が出るだろう。
そうなったら、原因は追及しないで、単に「かわいそう」というのかね?それでは問題の解決にならないが?
ついでにいうと、君のような態度は「臭いものにフタ」という。「被害」が起きたら、それを招いた責任を追及しないで、かわいそうというだけ。それが人間としてあるべき姿なの?だったら、田中角栄がかわいそうな死に方をしたら、どんな汚職も帳消しになるんだね????
それから、北朝鮮でも昨年水害があったが、君はそのとき、拉致問題などを棚上げして支援をしたのかね?
客観的にみて地球環境の破壊への「寄与」度でいえば北朝鮮人民はそんなに悪くないはずだから、ちゃんと義捐金を出したんだろうね?「中国だから」騒いでいるだけじゃないの?単なる媚中派が!

■海外からの救援隊を拒否した中国政府の罪をなぜ非難しない?
また、あろうことか、中国政府は人命救助のリミットである72時間に、海外からの救援隊を受け入れようとせずに、義捐金だけ、つまりカネだけはちゃっかり受け取るという非情な対応を取った。
おそらく海外に人災であることを漏れるのを恐れて、その間に隠蔽工作をする必要があったのだろうが、「人間として」「人類共通の価値観」と大上段に構えるんだったら、中国政府のそのような没義道、非情、非常識を非難すべきではないのか?
もし知らなかったというなら、君が「中国」に対する認識がアマちゃんなだけ。軍国主義独裁体制の中国を見る場合、ちゃんと疑ってかからないといけないのは鉄則。

そもそもお前は中国の労改問題について何か今まで発言および行動をしてきたのか?それもしていないお前が俄かに中国人がかわいそう?ちゃんちゃらおかしい!

就任演説で対日関係に触れず 日本軽視の馬英九政権は短命に終わる予感

2008-05-24 04:21:30 | 台湾政治
20日の馬英九総統就任演説では、長々と両岸関係つまり対中関係に触れ、さらに外交では米国との関係改善も言及したものの、日本についてはちゃんと名前を挙げず仕舞だった。しかも側近が事前に日本も言及するように進言したのに、馬英九が退けたらしい。
さらに20日に日本からの政治家訪問団を昼食接待したときも、鉄道弁当だったとか。

やっぱり日本軽視・蔑視の反日分子だ。

おそらく馬英九の頭では、日本は米国の従属係数だと思っているのだろうが、それは間違い。台湾にとって最も近い友邦であり、せっかくこの8年間で緊密になったというのに、ここまで日本との関係をおろそかにするなら、台湾の外交は成り立たない。

馬政権が目玉にすえている「経済」も、早速選挙公約だった6%成長、物価据え置きは、反古にされているし、経済成長の「頼みの綱」とナイーブに考えている対中経済交流拡大も物価高騰をさらにもたらすだけで六なことはないことは火を見るより明らか。
対日関係も悪化して外交はダメ、経済もダメとなると、馬英九政権の寿命は長くないだろう。
すでに、「ファッショから新自由主義に転向した」お仲間である韓国ハンナラ党のイミョンバク政権は、発足わずか3ヶ月で支持率が20%に急落して死に体。韓国の新聞でも馬英九は「台湾のMB(イミョンバク)」と呼ばれているくらいだから、MBの後追いすることは目に見えている。

まして「経済がうまく行かないのなら、途中で街頭デモで引き摺り下ろしてもよい」といって「倒扁」運動を起こしたのが、馬英九支持層なのだから、その論理はそっくりそのまま馬英九に跳ね返ってくるだろう。まして馬支持層は堪え性がまったくない連中だから、1-2年後には馬英九への庶民の恨みが嵩じて、打倒運動を起こされて、おしまいだろう。

陳水扁総統退任直後に「容疑者」にする馬英九政権の中華的非情さ

2008-05-21 22:12:19 | 台湾政治
とはいえ、やっぱり陳水扁が総統を退任したのを狙ったかのように、最高検が陳水扁を国務機密費流用事件の容疑者として、出国制限措置に踏み切ったことは、おかしいと思う。これでは、「王朝や政権が交代すれば、前任者を血祭りにあげる」という悪しき中華主義であり、90年代の韓国、文革関係者を裁判にかけた80年代前半の中国と同じレベルである。

いかに問題があったとはいえ、仮にも民主的選挙で選ばれた元首経験者である。

基本的には、外患罪に抵触する以外には、国家元首(と経験者)というのは罪に問われるべきではない。

まして、台湾人など東南アジア社会の文化は、「過ぎたこと」への断罪を嫌う気風がある。
だからこそ民進党が進めた蒋介石への断罪も不発あるいは逆効果になった。おそらく、これが不発に終わったのは、蒋介石がいまだに敬愛されているからだと国民党は勘違いしているんだろうが、それは台湾の民意を完全に誤解してしまっている。

台湾人にとっても過去のことはどうでもよい。だから日本時代も美化されるし、国民党による虐殺の記憶ももはや風化しつつある(だからまた国民党政権になったのだw)。
これは台湾人が国民党が好きで完全に洗脳された結果ではなく、台湾人が過ぎ去ったことを重視していない証拠なのだ。

だとしたら、国民党がもはや辞めた人、選挙で敗北したことで十分にお灸をすえられた民進党と陳水扁をこれ以上深追いすることは、やめたほうが良いだろう。

一部シナ人根性の持ち主は、「この際、徹底的に民進党のやつらをつるし上げて、断罪すべきだ」と息巻いているようだが、それは朝鮮人やシナ人は考えそうな「復讐思想」というべきものであって、台湾社会の風習にはあわない。

もし「58%も獲得して政権をとったのだ」といって調子にのって、陳水扁その他を断罪する暴挙に出たなら、その時点で国民党政権は終了する。台湾人は「権力の傲慢」が大嫌いだということを、国民党権力者と支持者は陳水扁の失敗から学んでいないのだろうか?

民進党主席交代式で陳水扁がKY発言

2008-05-21 22:11:21 | 台湾政治
21日午前10時半から、蔡英文氏への民進党主席交代式が党本部が入居するビルの一階で開かれた。謝長廷・前主席、黄昆輝・台連主席(党本部の距離が近いから楽だねw)、陳水扁・前総統、蔡英文主席と挨拶があったが、陳水扁、待ってましたとばかり長々と話しただけでなく、KYな発言が見られて、げんなりした。
「本当は来るべきではないかも知れないが、親友代表ということで話をしたい」といって、11時5分から始めた話が11時22分までかかった。蔡英文が11時23分から11時40分までだったのだから、ほぼ同じ時間だ。もはや総統じゃないんだし、この日の主役でもないんだから、ちょっとは遠慮しろよ!
KY発言といえば「総統選挙で負けた原因について、みなさんに一言注意を喚起しておきた」と前置きして「私にも問題があることは謙虚に受け止めたい」といいながらも、「予備選挙が終わってから、団結していたか?総統選挙の過程でも団結していたか?4年前の時のように、台連との緑連合の団結がうまく行っていたか?」などと「指摘」していたのには、非常に呆れた。実際、その後本部職員らとも雑談したら、やっぱりみんな「本人がその最大の元凶だろw」みたいにいっていたw。とはいえ「やっぱりそこが陳水扁の個性なんだよな」とサジを投げていたが。
そもそも、交代式なんだから、前総統として「与党というのはこういう問題がつきものだから、今後蔡主席には野党としてこういう点を監督するといいでしょう」みたいなアドバイスをするんならいいが、まるで自分のことを棚に上げたように「総統選挙で台連との協力や団結がなされなかった」と発言したのは、あまりにKYというべきだろう。
20日に退任したすぐの午前10時に最高検が「国務機密費事件」の被告として出国規制などの措置を行ったことで、陳水扁には多少同情したのだが、この日の発言でやっぱりちょっと興ざめした。これだから、嫌われたんだよね、。

馬英九がかつて「軍国主義者」と酷評した石原慎太郎が就任式に出席

2008-05-21 22:10:39 | 台湾政治
そういえば、馬英九の総統就任式に、日本から石原慎太郎・都知事が出席した。石原といえば、2000年、04年にも陳水扁の就任式に出席しているが、2000年の時には馬英九が「軍国主義者を歓迎する陳水扁総統はいけない」と(馬英九自身の極右性は棚に上げて)酷評したことがあるし、聯合報など中華右翼メディアも、「国が違えば右翼どうしは仲が悪い」の通例で、やはり自分たちを棚に上げて石原を軍国主義者だと罵倒するキャンペーンを張った。

ところが、その後馬英九は台北市長時代に何度も石原と会っているし、今回の総統就任式にも参加しているのだ。
しかもおかしなことに、今回馬英九は石原を「軍国主義者だから来るな」といわなかったし、聯合報なども石原を罵倒する記事を書いていない。

どうしたことか?w

正式の接見で米国人相手に英語を使う馬英九は元首失格

2008-05-21 22:10:09 | 台湾政治
20日就任式を終えた馬英九総統は早速外国からの来賓の接見行事に追われた。しかしあろうことか、米国人訪問団を正式接見した場で、外交部が用意した通訳を通さずに、英語で直接全部話をした、という。
いくら英語が流暢といっても(しかもあの程度で流暢とはいえないしw)、元首たるものは、聞くほうは通訳を通さなくてもいいが、話すときは、その国の公用語か生活言語を使って通訳を通すべきで、「俺は英語もこんなにできるんだぞ」と見せびらかすような下衆な考えの持ち主は、そもそも外交儀礼を知らない下衆であり、元首失格である。

かつて金大中や李登輝も日本語ができるからといって、日本人の正式接見のときに日本語で話したことで、メディアから批判されたことがある。李登輝にいたっては聯合報は「やはり日本人だ」などとこき下ろした。

実はそういう批判のほうがまともなんだが、馬英九が米国人相手に英語で話したことは、やっぱり選挙中に暴露された「馬英九は米国人」という馬脚をあらわしたというべきか?
さすが21日の民視の討論番組はこれを槍玉に挙げているが、李登輝については批判した聯合報以下、国民党系メディアは疑問に思わないとしたら、自ら台湾人と名乗る資格はない。米帝の手先でしかない。

何が「中華民族」だ! 2割の深藍の人間しか見えていない視野狭窄症の馬英九政権

2008-05-21 22:03:46 | 台湾政治
それにしても20日の馬英九総統就任演説もお粗末だった。「両岸人民はともに中華民族に属する」だの「大陸同胞」だの「台湾は世界で唯一中華文化の土壌のところで二度の政権交代を果たしたところ」だの、古色蒼然たる大中華封建反動思想に立脚した主張をしていた。これは民進党政権時代を通じて浸透した台湾主体意識をもつ大多数の台湾国民の立場を否定する醜悪なものである。

そもそも国民党は民進党内の一部が持っていた「台湾民族主義」を「生活に関係ない過激なイデオロギー」と批判していたのではなかったのか?だからこそ、国民党は多数派の穏健な台湾主体意識に訴えた選挙活動をして、その結果6割近い支持を得て馬が当選できたのである。ところが、選挙が終わり、いざ政権を取る段階になると、三つ子の魂というべきか、本来馬が立脚していた一部の極右中華イデオロギー全開といったところで、大多数の台湾人の立場と遊離したものとなっている。
そもそも「中華民族」なんて、今の台湾国民の一部しか信仰していない古臭い幻想でしょ?イマドキそんなものはほとんどの人は信じない。一部のアホはいまだに「中華民族」なんてものを信仰しているんだろうが、そんなものはこの21世紀において前世紀の遺物というか、少数の虚妄に過ぎない。

しかも馬英九が声高に叫ぶ「台湾は島国だから開放を旨とすべきだ」という主張と、「中華民族」なるショービニズムは完全に矛盾する。大体、中華民族って何だよw。そんなものないだろw。てか、民族なんてものが幻想なんだし、現実的な台湾人には完全に無用の長物というものなのだ。
だからこそ民進党だって、結党当時はイザ知らず、90年代後半からは「台湾市民社会」のほうを重視するようになって、民族なんて持ち出さなかったんだ。
ところが、馬英九のいう「中華民族」論とは、そうした流れに完全に逆行するアナクロニズム。こんなものに固執していたら、経済なんて良くなるわけがない。大体、台湾が発展したのは、海洋国家として日米とリンクしたからであって、馬英九が就任演説で力説した中国との関係の開放なるものではない。だから馬英九は世間知らずの無能人間だといわれるんだよ!

それから「台湾は世界で唯一中華文化を土壌としたところで、二度の政権交代を果たした」というくだりも、視野狭窄の見本。中華文化を土壌にしているというなら、朝鮮半島や日本列島やベトナムはそうだし、その中で政権交代を二度以上果たしたことがあるのは韓国や日本もそう。
まさか、馬英九は「文化」なるものが、近代国家になって作られた国境を超越していることも知らないで「中華文化」なんて使っているのか?だとしたら、とんでもない無知無教養である。陳水扁よりバカだ。
台湾と大陸「だけ」が「中華文化を土壌にしている」と思っているとしたら、とんでもない無知である。
王維が晁衡こと阿倍仲麻呂の帰国に際して「送秘書晁監還日本國」を贈っているように(ひょっとして、馬英九はそんなことも知らないんだろうね)、しかも日本も漢字を使い、学校の課程では漢文を学び、漢籍由来の成語や知識を当然の教養として要求されているように、日本もまた「中華文化を土壌にしている」のである(その当否はともかく)。ベトナムや朝鮮半島についてはさらに色濃い。

「論語読みの論語知らず」という日本の諺にもあるように、馬英九は声高に「中華文化」と叫びながら、実際には王維も知らない。李白や杜甫が日本や韓国やベトナムでも当然の教養の基盤と見做されていることも知らない。

もちろん原稿を書いた国民党のブレーンも知らないということだから、台湾の「中華文化」など所詮「その程度のレベル」だということである。だったら、中華文化なんていうな!
そもそも台湾人は歴史的には熟蕃なんであり、文化とか歴史なんてどうでもいいという商売人であり、現実主義なのだから。
だから、深緑の台湾民族主義と脱中国化も空振りに終わったのである。脱中国化が空振りに終わったのは、そもそも現実主義だから文化に興味がないためであって、国民党はこれを台湾人が中華を愛しているためだと勘違いしているようだ。馬英九と国民党の勘違いは、彼らの破滅を早めることだろう。

最初から失敗連続の馬英九政権 就任式もヘマばかり

2008-05-21 22:02:52 | 台湾政治
馬英九政権が就任早々から長続きしないとの観測が台湾社会で強まっている。そもそも門出として最も大事にすべきはずの20日の就任祝賀式にしてからがヘマばかりやらかしている。
早々と出席を表明していた対立候補の謝長廷・民進党主席代理の手元には遅々として招待状が届かず、謝主席は16日までに不参加を決めた。やっと3日前の17日に届いたと思ったら、今度は二枚届き、しかも一枚が普通席、一枚が来賓席だったという混乱ぶり。
さらに最悪なことに、自党主席である呉伯雄氏も「政党代表者」として「中国老兵統一党主席」の隣という末席にアレンジされ、それに切れた呉主席が一時は欠席すると息巻いた。結局、呉主席の席は前方に移されたことでこの件は一件落着した。だがこれで馬英九と呉伯雄の溝は深まったというのがもっぱらの観測だ。
さらに、就任祝賀式典が台北アリーナで開かれた時にも、またまたポカを起こしてしまった。「明天会更好」という90年代初頭に国民党がはやらせた歌を全員で斉唱することになったが、ここで壇上にいた馬英九夫妻や蕭萬長らは事前に式次第を知らされておらず、しかもこの歌を知らなかったとみえて、ポカンとしているのだ。しかも止めておけばいいものを、手振りをつけての斉唱にしたが、この振りも「主役」たちが知らず、みんなとばらばらになる始末。
ここ数日、反国民党系政治討論番組では、国民党議員からも「馬英九は側近ばかり重用していて、その側近が仕事があまりできないものだから、こういうポカをやらかすのだ」と猛烈な批判があがっている状態だ。

しかも国民党は官僚主義文化があって、こうした式典の処理はお得意のはずであり、就任式一つまともにできないようでは、台湾国政運営や外交などできるのか?先が思いやられる。韓国の新聞は馬英九を「台湾のMB(李明博)」と呼んでいるが、ポカの仕方もMBと同じだ。

しかも、就任当日に馬英九びいきのはずの極右系・聯合報が実施した調査ですら、馬英九の支持率は僅か66%、陳水扁の2000年就任直後の79%には遠く及ばない低調ぶり(聯合報で66%なら実際には50%程度でしょう)。

馬英九が台湾のMBなら、法則からいって8月には支持率が20%台にまで下降していることだろう。言いたい放題の評論家・李敖が先日テレビ番組でいっていたように、とにかく無能だからどうしょうもない。民主主義の失敗(民主主義にはできないこと)の好例だろう。

変節した台連、党本部がなぜか民進党本部の近くに引っ越した

2008-05-17 00:46:54 | 台湾政治
台湾団結聯盟(台連)の党本部が4月下旬に民進党本部に近い紹興北街3号7階に引っ越した。議席を失ったこともあって、館前路の銀行の物件から、いきなりかなりチンケな物件になった。台連は以前一度民進党が入居するのと同じビルへの引越し話があったが、値段が高すぎて折り合わず断念した。今回は互いの本部の場所こそ近くになったが、むしろ路線や思想は離れてしまってからの引越しというのは皮肉なめぐりあわせになっている。
ちなみに、台連は馬英九当選直後から、かつての「急進独立派として民進党には是々非々で臨み、民進党を独立の方向に牽引する」という意気込みはどこへやら、「精神的指導者」の李登輝の露骨な馬への擦り寄りと合わせて、完全に国民党に迎合。ナントカ院長の人選にも、党首の黄昆輝の名前が挙がっているくらい。

外省人の典型である馬英九を以前一番攻撃していたのはどこだったのかしらん?ww

まあ、台連には思想的な基盤などなく、ただ単に「時々の政権党に擦り寄ることだけが好き」というだけは一貫しているというか、どうしょうもない下劣な本性の持ち主であることは明らかになったわけだが。
2年後か4年後かわからないが、今度また民進党政権になったら、またまた「急進独立派」って言い出すんだろうね、きっとw。こんなものにしがみついている日本の李登輝信者のヒトたちも、すごく頭が悪いと思うけどw。

民進党、謝長廷主席お別れ会

2008-05-17 00:39:47 | 台湾政治
民主進歩党の代理主席(党首代理)を務める謝長廷氏が16日午前、主席離任(21日付け)を前に、18日の誕生日の前祝いも兼ねて、本部職員とのお別れパーティを党本部大会議室で開いた。
この日は結構機嫌が良く、ジョークを飛ばす謝長廷節が聞かれた。
メディアは国内の主要メディアだけだったが、メディアからの「今後の人生設計はどうするのか」との質問には、「泣き終わってから考える」とジョークをいってはぐらかした。

カム地方大地震 犠牲になったチベット族に謹んで哀悼を捧げる

2008-05-17 00:37:24 | 世界の民族・言語問題
12日、現在は「中華人民共和国四川省ガパ(アパ)・チベット族チャン族自治州」になっている大チベット・カム地方東南部を震源とした大地震が発生、数万人の犠牲者が出た。最初、このニュースを知ったときには、「中国四川省」と伝えられたため、成都あたりを想像し「中国と漢族に天罰が下ったか。ざまあみろ」と思ったものだが、よくよく調べてみると、山側でむしろチベット族やチャン族などの非漢族が多い地域が震源・被災地だと知った。しかも3月の蜂起・抗争でも立ち上がって、中国当局によって弾圧された地域でもあるという(ただ私はあのあたりに行ったことはなく土地勘もないから、ネット情報を根拠にしているため、間違っているかもしれない)。チベット族にとっては、中国植民地主義政権の官憲によって殺され、今回は天災で殺されるというきわめて理不尽な目に遭っているといえる。なぜチベット人ばかりがこんな目に遭わないといけないのか?

いずれにしても、亡くなったチベット族とチャン族の方々には謹んで哀悼を捧げたい。

憂慮すべきことは、この件で中国帝国主義の政府と漢族が、「被害者面」をして、チベット弾圧の焦点逸らしができたことであり、批判が多かったチベット人地域に対する弾圧軍の常駐を公然化、正当化し、「救援」の名目でさらに多数のチベット人を「始末」してしまうことである。
中国当局は「外国」(ここには台湾も含まれる、中国も台湾を外国だと見做すようになったか)からの義捐金はちゃっかり受け取りながら、一方では救援部隊を48時間以上にわたって拒んだ。それが救援の遅れをもたらしたわけだが、それは海外からの救援隊というヒトが流入すると、チベット人を助けず、むしろ殺して行っている実態がばれてしまうのを恐れたのではないか?
実際、新華社電などでは「民族を問わず、救援している」という記事を配信しているようだが、これ自体が自ら「民族差別して、漢族だけ助けている」ことを認めたようなものではないか?
というのも、私も阪神大震災当時、関西に住んでいた経験があるからわかるんだが、震災直後なんて民族なんてそれこそ問うていられてない状況であって、ここで白々しく、わざわざ「民族を問わず」と強調している時点で、怪しいというべきだからだ。

その一方で、この地震が二次災害の引き金になる可能性があるという。それは被災地一帯にあるダムにヒビが入っていて決壊する危険性があるということだ。もし決壊したら、その急速な水が長江を伝わって、三峡ダム貯水池に流れ込む。そうなると、ただでさえ、三峡ダム完成以降、地層の変化で群発地震が多発しているようなので、地震を誘発して、三峡ダムも決壊する可能性がある。そうなると、長江下流にある南京や上海などの大都市は水没する・・・・。
地震が起こって大変だというのに、いまだに聖火リレーなど五輪盛り上げに力点を置いたり、貧富格差や環境汚染が大変なのに軍拡に金をつぎこんでいるような中国と漢族のバカどもに良心を期待することは無理だが、そうした無理や非合理のツケが、弱い立場にあるチベット人を巻き込んで、最終的には漢族と共産党政権の存亡を揺るがす事態に急発展する可能性があるということだ。

一部で親中派がこのブログについて「地震で被害者が出ているのに天罰などと書いて喜ぶとしたら許せない」と書いている人間がいたが、それは単に媚中というだけだ。
もし私が天罰だと言うのが「許せない」という人道主義者なら、地震で何万人も被害者が出ているような時期に、北京五輪なんか開催したり、台湾に対するミサイルを拡充したり、米国との宇宙戦争を想定して軍拡したりしていることをまず「許せない」「中国なんか解体して、チベットから手を引け」というべきではないのだろうか?
しかも今回の地震の被害者の多くはチベット人である。それをあたかも中国全体が被害者かのように言い立てる神経こそが、それこそ人道に反した帝国主義的発想である。この地震を奇貨として、中国が被害者面をすることは、それこそ植民地支配を受けて、さらに被災者となっているチベット人を冒涜するものである。まったく、媚中派の神経にはあきれる。

そもそも、今回の地震は「中国四川省地震」ではなくて、「大チベット・カム地方東南部地震」というべきだ。そして、被害に対する慰問や義捐金は、まずチベット亡命組織に贈り届けるのが筋だろう。

加えて、今回のカム地方東南部地震について、台湾のマスコミ報道は、さすが国民党系・外省人系が主流というべきか、被災地が歴史的チベットの東端であり、チベット人地域であることを完全にオミットして、「中国四川省」とだけ報じ、相変わらずの「大漢ショービニズム」ぶりを発揮しているのには閉口させられる。
大体、震源地の地域名が「アパ・チベット族チャン族自治州」となっているのに、チベット族とチャン族というのがわからないのか、この点にはぜんぜん触れようとしない。日頃自身の民族問題について鈍感なはずの日本のメディアのほうがむしろ積極的にこの点を指摘している:

産経新聞:震源地は少数民族居留地 中国の多民族国家を浮き彫りに
2008.5.13 20:43
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080513/chn0805132043022-n1.htm

東京新聞:【関連】五輪控えまた難題 中国大地震 震源地にチベット族 救援、秩序に懸念
2008年5月13日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008051302010819.html

毎日新聞:クローズアップ2008:中国・四川大地震(その1) 少数民族を直撃
0514朝刊
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20080514ddm003030051000c.html

やはり外省人系マスコミはダメだ。こういう大事なときに、「台湾人がまだ滞在している」だの「台湾企業が義捐金を出した」だの「軍が迅速に救出している」などと、「漢族」の観点での報道に終始している。被災者の顔がまったく見えない。本当に台湾の外省人系マスコミのレベルは低い。糞だ。

パプアニューギニア・フィクサー詐欺事件に見られる台湾外交の困難さと台湾マスコミの愚かさ

2008-05-11 20:43:47 | 台湾政治
南太平洋の大国・パプアニューギニアは、「中華民国」を国家承認していて、台湾に対してかなり友好的なことで知られる。ところが、最近、「パプアとの国交樹立を仲介できる」と持ちかけたフィクサーに工作資金を持ち逃げされるという事件が発覚。民進党政権に敵対的な国民党系マスコミが一斉にこの件を連日大きく報道して民進党バッシングを展開している。

これが発覚したのは、台湾政府がシンガポール籍のフィクサーに資金返還を求める訴訟をシンガポールで起こしたことを、シンガポールのマスコミに報道されたため。シンガポールみたいな言論が不自由な国で、マスコミが報道するということは、政府の意を挺しているのは明らかで、シンガポール民主化を支援してきた民進党政権の末期に、さらに民進党政権の印象を落とそうというシンガポール独裁政権の意図だろう。さらに例によって民進党を叩きたい台湾の国民党系メディアがそれに乗っかって話が大きくなってしまった。
別に民進党を叩くことは悪いといいたいのではなくて、シンガポールみたいな独裁国家の尻馬に乗るだけで、独自に調査報道したのではない形で騒ぐ台湾マスコミは相変わらずマスコミの風上にも置けない愚劣な連中だ。

ただしこれが発覚した当初は、私もまずいことになったと思った。しかも時期が「倒扁」運動が起こっていたまさにその時期の06年9月だったわけだし、マスコミ報道を見る限りは「工作資金」がリベートの形で民進党政権高官にカムバックした可能性があったからだ。
ところが、それはすべて国民党系マスコミの常套手段であるペテンと印象操作だということが、日を経過するに従ってわかった。
要するに、連日報道しているわりには、新しい材料がまったくないし、関係があるとされた高官(辞任しているが)が金銭を授受した証拠がないどころか、どうみても単なる「騙された被害者」というしかないからだ。

もちろん、政府高官たるものが、こうも簡単に金を騙し取られたこと自体は大きな問題だろう。しかし、国際的に孤立している台湾が外交活動を展開する場合、こうした怪しげなフィクサーに依存せざるをえないのも実情だ。フィクサーというのは「やり手」であると同時に、どこかペテン師みたいなところがあって、畢竟、フィクサーを通じた秘密外交工作というのは、金を持ち逃げされるリスクと紙一重の綱渡りになるのである。

実際、06年4月陳総統のアラブ首長国連邦とリビア訪問、および失敗したがレバノン訪問計画でも、レバノン籍の怪しげなフィクサーが動いた。その人物は後に台湾とは別の問題で詐欺罪で訴追されているのだが、台湾外交にとっては成功をもたらしたやり手でもあった。
今回の場合は結果的に、たまたまその人物が本当に悪さをやっただけ、というしかない。

しかも金額でいえば10億元程度と、台湾全体にとってみて大した金額ではない。
10億元の損失でガタガタ言うのであれば、馬英九次期政権が公約している「農産物の大陸輸出」「大陸との直行便による観光客の3倍増」などは、さらに大きく損失を台湾にもたらす結果になることが目に見えているのだ。
そういう意味で、この件で騒いでいるマスコミとそれに踊られている台湾人の多くは、頭が悪いとしかいいようがない。「大きな損には目をつむり、小さな損失には騒ぐ」というのは典型的なバカの物言いだからだ。
10億元の損失で騒ぐなら、馬英九なんか選ぶべきではないだろう。

しかも、これに対して何を血迷ったのか、次期行政院長の劉兆玄や、かつて外交部長を務めた胡志強ら国民党の高官が「フィクサー外交はやめて、この件を徹底調査する」と叫んでいることだ。
フィクサー外交を否定したら、台湾の外交は成り立たない。
国民党次期政権は、外交は完全に放棄して、「両岸関係」だけに固執するつもりなのか?

しかも、胡志強はマヌケなことに、自身が外交部長だった時代に、パプアとの国交樹立を画策して失敗しており、そのときにも同じフィクサーを使って、さらにフィクサーがパプア政府から金を騙し取っている疑惑が浮上している。
何のことはない、国民党こそが問題の根源だったのだ。
それを抜けぬけと「民進党の問題」になすりつけようとしている劉兆玄や胡志強は、さすがシナ人というべきか、盗人猛々しいとはこのことだ。
胡志強は以前は、好感を持っていたが、台中市長としては治安を悪化させていて無能なことがはっきりしてきたし、最近の一連の言動を見ていると、どうもやっぱりおかしい。