むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

『オペラ座の怪人』25周年記念公演 in ロンドン(歌劇魅影舞台版)、出来はよかった!

2011-11-26 02:02:58 | 芸術・文化全般
「歌劇魅影舞台版」(『オペラ座の怪人』25周年記念公演 in ロンドン、The Phantom of the Opera at the Royal Albert Hall)を25日夜に見てきた。場所は台北(たいほく)市西門町の「今日秀泰」。
同日から封切。
歌劇魅影舞台版 The Phantom of the Opera at the Royal Albert Hall

本当は25日からサヨンをリメイクした?「不一樣的月光」、「コクリク坂から」(來自紅花坂)」も封切だったのだが、いずれも短いので後でもよいと思い、ためらうことなく怪人を優先させた。

というのも、私は、ミュージカルでは、「オペラ座の怪人」とフランスの「ロミオとジュリエット」が好きだ。
怪人については、舞台公演を東京3回、NY2回、ソウル2回、ブダペスト1回と8回。エミー・ロッサムがクリスティーヌ役をやった2004年の映画「オペラ座の怪人」は劇場で2回、それから同映画のフランス版DVD(クリス役吹き替えがセシリア・カラ)も3回は見たから、合計で11回は見ていることになる。もちろんロンドンと東京やその他各国版のCDは繰り返しきいた。
上映を首を長くして待っていた(って、この表現は最近あまり使わないように思うが、死語?)

ワールドツアーが台湾に来たときの舞台公演では毎回チケットが売り切れるのでこれも人気かと思いきや、ぜんぜんガラガラだった。
舞台公演のときのようなインターミッションなしに3時間ぶっ通しで、しかも通常よりも10元高いと聞いて尻込みした人が多かったのか、あるいはあまり宣伝やアナウンスがされていなかったので知らない人が多いのか。

しかしエンドロールも含めて実質2時間50分というのは、やはりつらいものがあった。ハルヒの消失やセデックバレより少し長い。おまけに消失やバレをやったときより気温が若干低めなので、けっこうトイレが近くなっていて、私自身があまり好きではない「All I ask of you」の前後に一度席をたってしまった。まあいいや。

一言でいえば、 2004年の映画「オペラ座の怪人」よりぜんぜんいい。というか、これまで見た公演と比べてもよい。もちろん息遣い、演奏、道具の迫力など臨場感は落ちるが、それを補ってあまりある迫力ある映像だった。すごく力入れたんだろうね。

オペラ座の怪人 Ramin Karimloo
クリスティーヌ・ダーエ Sierra Boggess
ラウル・シャニュイ子爵 Hadley Fraser
カルロッタ・ジュディチェルリ Wendy Ferguson
ムッシュー・フィルマン Barry James
ムッシュー・アンドレ Gareth Snook
マダム・ジリー Liz Robertson
ウバルト・ピアンジ Wynne Evans
メグ・ジリー Daisy Maywood
ジョセフ・ブケー Nick Holder
競売人 Earl Carpenter
ムッシュー・レイエ Philip Griffiths
ムッシュー・ルフェーブル Simon Green

ただクリスティーヌ役そのものについては、サラ・ブライトマンのような、顔がカワイ目でやや儚い感じのほうがよかったと思う。まあシエラ・ボーゲスも悪くはないんだが。表現力そのものはシエラのほうが好いが。

演出は1幕よりも2幕のほうがよかった。

1幕はこれまでの多くの公演との演出の違いが目についた。
序曲部分ではシャンデリアが上に上がるのではなく、はじめから天井にあってきらきらしている演出になっていた。
ハンニバルでも象は出てこずに、コミカルな部分は抑制されていた。なぜだろう。
地下に向うところの「怪人」のテーマのところでは、階段を降りてくるのではなく、天井の橋が降りてくるようになっていた。それなら直に歌えるはずだが、普通の公演のときのように録音になっていた。

2幕は全体的によかった。
特に「Wishing You Were Somehow Here Again」はこれまで聴いたどれよりもよかったと思う。
ちなみに墓碑銘ではクリスの父の生没年は「1821-1872」。
私が一番好きな場面かつ曲の「The Point of No Return」と地下でのクライマックスも圧巻だった。

ただし、何回か数人で違う歌詞を歌う場面のところでは、完全にかぶらないように、一人だけが強く聞こえるような演出になっていた。これはどうなんだろうね。
中文字幕も一人分しか訳していなかったが、これは明らかに台湾人らしい手抜きだろうw(日本上映版ではクライマックスの地下での3人のかぶりは、ちゃんとすべて訳していて画面一杯になったらしいwが、これもどうかとは思うがw)

全体的にはコミカルな部分は抑制され、激情的で悲壮的な演出になっていた。これはこれでよい。

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