むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

カダフィの数千人殺戮が制裁対象になるのに、中国が制裁されないのは、黄色人種への差別意識では?

2011-03-21 19:43:39 | 世界の政治・社会情勢
リビアのカダフィ政権が数千人を殺したからといって、制裁にあっている。
しかし、アジア・アフリカ諸国で、ある独裁政権が数千人を殺戮するなんてのは、ある意味で日常茶飯事であり、それを「許しがたい」というなら、2年半前にウイグルで情報統制下で万単位のウイグル人を虐殺、さらにチベットに関してはこの60年の間に数百万人を殺戮してきたと見られる中国、反対するものを即刻処刑や収用所で殺してきた北朝鮮などは、何度も「制裁としての空爆」を受けなきゃならんことになるが、なぜか国際社会はダブルスタンダードである。

まあ、コメントでも書いたことがあるが、ひょっとして欧米は、アラブ人について蔑視感情を持ちつつも実は同じコーカサソイドだから、数千人でも大騒ぎするが、しょせんモンゴロイドでしかない中国とその国内植民地の人間など、人類だとも思っていないから、知らん顔ができているのかも知れない。

あまりのダブルスタンダードを見ると、欧米諸国の根深い人種差別意識を感じる。
実は、中国人および政府はこれ(欧米が中国人虐殺を制裁しないこと)に抗議すべきかも知れないw。

欧米によるリビア空爆に反対! カダフィの「空爆で虐殺」を批判して、自分たちも虐殺?

2011-03-21 19:43:00 | 世界の政治・社会情勢
日本の震災を尻目に、欧米・親米アラブの連合軍が、「国連決議にもとづいて」という口実で、ついにリビアのカダフィ政権への空爆を始めた。
これは、イラク・アフガン戦争の二の舞であり、リビアをイラクやアフガンと同じ長期的な混乱に陥れる暴挙である。

私はあくまでも反対だが、百歩譲ってもし空爆するのだとしたら、カダフィ政権による東部奪回の前、2月末あたりがベストだったはず。それなら、犠牲も最小限で食い止められたといえるだろう。ところが、今回のタイミングは、カダフィの奪回作戦で人民の被害が最大に達した時点で初めて行なわれている。まさに最悪のタイミングである。
まして理由はカダフィ政権による「人民への空爆など虐殺を阻止するため」などといっているが、連合軍自身は人民を巻き添えに空爆しているのだから、他人のことを批判できるのか?
まして、「カダフィ政権は人民に空爆して無差別殺人をしている」という消息も、実はかなり疑わしい。リビアが当初外国人記者の取材を一切認めなかったという問題があるからだが、実際にカダフィ政権が自国民に空爆をしているという証拠はどこにも出てきていないと思う。
むしろ「カダフィは欧米にあまり従わないから、除去する必要がある」という前提が先にあって、「カダフィによる空爆」はまったく皆無ではなかったかも知れないが、カダフィを攻撃するための口実としてでっち上げられた可能性が強い。

確かに私もリビアでベンガジを中心に反政府勢力が勢いを持ったときには、反政府勢力による「民主化」に一抹の期待を抱いた。
しかし、趨勢を見ると、いとも簡単に反政府勢力は反撃され、不利になった。
これについて日本のメディアは欧米の受け売りで「カダフィ側の兵器や兵力が圧倒的だからだ」と書きたてているが、社会的な近代化・世俗化が進んだチュニジアやエジプトで、その軍が反政府民主化勢力側にすぐについたことを考えれば、リビアはまだまだ部族社会であり、「民主化」勢力の基盤など、もともとそれほど強くなかったと考えるほうが妥当であろう。
単に「カダフィ側の軍事力が強かった」からというのは、社会の力、市民社会の要素をあまりにも無視した乱暴な議論ではないか?
しかも、ベンガジの運動も、よく見ると、昔の国王の写真を掲げていたり、どうも西欧の傀儡勢力の策動という側面も感じる。王制が悪いわけではないが、リビアの王制は無能だったことは事実なので、これでは建設的な解決方法にはならないし、民主化にもならないだろう。(中東で、王制下で民主化が可能なのは、ヨルダン)

ましてカダフィは徹底した情報政治と独裁という側面はあるにせよ、部族社会をうまく束ねる術に長けていて、原油の儲けを曲がりなりにも国民に還元し、そして米中ロなどあらゆる大国にも毅然とした対応を示してきたプラス面があったことは事実であろう。

チュニジアとエジプトは都市化が進み、西洋近代的な意味での中産層も多いから、「民主主義」はある程度の基盤があったといえるし、だからこそ軍部もすぐに民主化側に立ち、革命も成功したんだろう。

しかし、リビアは違う。ついでにいえばやはり部族社会のイエメンやアフガンも違う。部族社会とはいえないが宗派対立を抱えるイラクも違う。部族や宗派対立を抱える社会では、西欧的な多数決による代議制民主主義は通用しない。部族長を束ねる家父長的だが、有能な「独裁者」が、部族や宗派のバランスに配慮しながら政治を進めないと、ばらばらになる。キリスト教徒や女性の権利に気を配ったフセインが倒された後のイラクの混迷はまさにそこにある。

ある程度世俗化と都市化が進んでいるという意味では、シリア、ヨルダン、モロッコ、イランあたりがむしろ今後民主化に向かう可能性があるといえるだろう。
もっともイランは保守派政権が弾圧を強めているとはいえ、それでも多様な政治的党派や言論が存在していて、いまさら「民主化」の必要があるのか疑問ではあるが。

あんまり好きではないが、「らきすた」が台湾ANIMAXで4月5日から放映開始

2011-03-21 19:10:06 | 台湾その他の話題
日本人は震災とかになると、被災地以外でもやたら「自粛」ムードになるが、これはむしろ経済を停滞させて、復興を遅らせかねないと思う。
もちろん気持ち的にリラックスできないのは事実だが、こういうときだからこそ、アニメなどの話題を取り上げて、未来への希望を持つべきだと思う。

というわけで、台湾のANIMAXで近々「らきすた」(幸運星)の放映が始まるらしい。
4月5日から月曜から金曜18:30-19:00
 再放送:8:30.14:30.18:00.8:00.14:00.
4月9日から追加:5:30.5:00.

公式に放送されるのは台湾で初めてだと思うが、すでに公式のDVDも出ているし、youtubeでも角川公認とみられる全話の映像もアップされているから、台湾ではすでにアニヲタの間では知られている。

台湾ANIMAXの予告:
http://www.animax-taiwan.com/videos/826318520001

台湾アニヲタ掲示板「巴哈姆特」「【情報】ANIMAX台即將播出幸運星囉!!! 」
http://forum.gamer.com.tw/C.php?bsn=10468&snA=1605&tnum=34

ただし、私は京アニ三大作(ハルヒ、らきすた、けいおん)の中では、どうも「らきすた」だけは、どうもなんだかあまり好きになれない。
まず主人公の性格と全体のキャラデザが好きになれないし、話もあまり面白いと思わない。16話か、こなたがバイトするメイド喫茶に行く回だけはそこそこ面白いが。

大体、泉こなたなんて、リアルでいたら、単なる腐女子だろ。異性としてみると最悪だ。柊かがみのほうがまだいいが、それでもデザイン的にあの絵は嫌だな。
私はなぜか、らっきーちゃんねるのほうが好きだ。白石はウザイから好きではないが、小神あきらみたいな二重人格・性悪女はリアルでも嫌いではない。
また、京アニの他のアニメでいえば、ハルヒはエキセントリックだが、ああいう気が強くて変な女も嫌いじゃない(中の人は嫌いだが)。
またけいおんの唯も池沼だのなんだの言われているが、ああいう子もリアルにいたら、女の子らしくてかわいいし、付き合うのもいいと思うよ。

既存原発3箇所に加え、さらに原発推進している台湾で、市民の間に高まる原発への懸念

2011-03-17 18:20:10 | 台湾社会運動
今回の原発事故を受けて、台湾では、台湾電力会社と、監督官庁の「行政院原子能委員会」が「原発は安全」などと強弁、原発推進を強行しようとしている。
台湾には北部に2箇所、南部に1箇所、30年前に建設された原発があり、現在北部海岸に第4原発を建設中で、来年には運転開始予定だ。
第4原発は脱原発政策を掲げる民進党政権時代にはいったん建設がストップ、あるいは故意に遅らせていたが、国民党政権に戻ってから急ピッチで進められている。

既存の3箇所の原発も、福島原発より若干新しいだけで、かなり古い時代に建設され、とっくに耐用年数が切れている。
台湾も地震多発地帯であり、今回の福島の事故で、台湾市民の間には、原発への懸念が高まっているが、監督官庁と電力会社は、東電や経産省とまったく同様か、それ以上に危機感がないお粗末さで、これがさらに台湾人の懸念を強めている。

行政院原子能委員会副主委(原子力庁次官)黄慶東は台湾の立法院で民進党議員の質問に答えて、「台湾の原発はまるで菩薩が蓮の上にあるように、高台の固い岩盤の上にあるので、地震や津波は心配要らない」と断言した。
これを受けて、呉敦義・行政院長は15日「黄発言は言いすぎ」だとはいったものの、台湾の原発は福島のものよりも1世代新しく、さらに台湾では津波の記録は少ないことをあげて「より安全だ」と強調した。
(台核電廠如菩薩坐在蓮花台? 呉敦義:比福島進歩、安全(2011/03/15 10:12) http://www.nownews.com/2011/03/15/301-2696650.htm

また別の副主委謝得志は17日、国民党議員から「なぜ台湾では退避範囲は5kmだけなのか」追及された際、机を叩いて「専門家が議論して決まったことで、それで問題がない」と強調した。
(原能會副主委 立院拍桌捍衛核電 http://udn.com/NEWS/WORLD/WORS5/6217093.shtml) 

これには多くの市民は「台湾よりはるかに進んだ日本ですら想定外の事故だったのに、台湾ごときが断定するなんて」と呆れ顔だ。

実際、東京電力だって、地震前と地震発生直後には「福島原発は絶対に問題がない」といっていたし、宮城はともかく福島も過去には津波の経験は少なかった。
というか、中越だって、阪神だって、過去に見つかっていない活断層が動いたんだし、今回は事前の専門家の予想を上回る連続地震が規模を大きくしたものだった。
したがって、「菩薩の蓮の上」だの、「これまで記録がない」だのは、何の意味もない。
そもそも「菩薩」をあげているが、神ならぬ人間のやることを菩薩になぞらえること自体が、人智を超える存在(神や自然)に対する傲慢と冒涜である。

台湾という島そのものが、プレートがぶつかって盛り上がってできたもので、二つのプレートにはさまれている。ということは、東北級の地震は起こる可能性はあるわけで、台湾政府や電力の危機感のなさと慢心・傲慢は、逆に危険である。

実際、地震がほとんどない北欧・西欧諸国でも、今回の事態を重くみて、早速反原発運動が活発化し、いくつかの政府も原発推進政策の棚上げに動き始めている。
アジアでも、タイ、フィリピン、インドネシアなども比較的民主的な国は、原発に慎重になっている。

原発に対する反省が見られないのは、台湾、韓国を除けば、中国、ベトナム、UAEなど、いずれも独裁体制ばかりだ。台湾と韓国の政府の原発に対する盲信ぶりは、はっきりいって独裁体制並で遅れている。

天にツバする人たち・・・

2011-03-17 18:17:29 | 世界の政治・社会情勢
今回の震災で、日本をからかったり、非難したりしている人がいるが、遠いところならともかく、米国と台湾とドイツと日本国内にいるというのは、よほどのアホだろう。

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バスケットボールの米女子プロリーグWNBAのニューヨーク・リバティに所属する
キャピー・ポンデクスター選手(28)が短文投稿サイト「ツイッター」に、
日本が東日本大震災に見舞われ、多数の犠牲者が出たのは、真珠湾攻撃に対する報い
と書き込み、その後、謝罪していたことが14日分かった。
ポンデクスター選手は大震災後の12日「真珠湾攻撃に対する報い」とつぶやいた。
発言に抗議したとみられる人に対しては、日本人の蔑称を使って
「あなたはジャップ?」と記した。
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平均的米国人らしいお粗末さだ。
なぜなら、その真珠湾があるハワイのオアフ島も今回の地震で1mの津波が押し寄せ、物的被害が出ているからだ。カリフォルニアにも津波が来てこちらは物的だけでなく人的被害も出ている。多分、このアメ、ハワイが米国領であることも、米国西部の津波のことも知らない低学歴なんだろうね。アメリカ人の知的レベルは平均的には低い。

同じ米国でも、政府高官も
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クローリー国務次官補(広報担当)も11日には、「ツイッター」で東日本大震災で大被害を出した津波にかけて「中東全域に(民主化の)津波が押し寄せることを期待している。今は日本で違う種類の津波が押し寄せているのを見ている」と書き込んでいた。
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米国政府は福島原発事故で日本政府の対応を批判しているが、米国だってスリーマイル島原発事故では対応が後手後手だったし、政府高官にもこんな不用意な人間を出すんだから、他人のことを言う資格などないだろう。

台湾でも
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 台湾の黄昭順・立法院委員は14日までに同委員事務室の趙志勲主任を解任したと発表した。
 趙・元主任は12日、インターネットで「なぜ、日本人を助ける必要があるのか。釣魚島(尖閣諸島の中国語名)をまず考えるべきだ」との意見を表明した。「軍を釣魚島に出動させるチャンス」とのコメントが寄せられると、さらに「東京を攻めて、数千万人を殺してやりたい」、「訂正。殺すのは日本の犬どもだった」などと書き込んだ。
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多くの台湾人が日本に滞在・旅行しているし、台湾だって地震多発地帯で明日はわが身かも知れない。
民進党陣営は「国民党教育の結果」といっているが、反日教育に関係なく、想像力が欠如しているといえるのかも知れない。

まして、日本を非難するなら、ポイントは「尖閣」じゃなくて、日本の部品で建設が進められている第4原発のほうだろう。建設地は1895年台湾を植民地にするため日本軍が最初に上陸した地点の近くであり、先住民の遺跡を破壊して建設している。
本気で日本の侵略を批判したいなら、国民党が推進している第4原発に反対しないといかんはず。これもご都合主義だな。

あと、ドイツのメルケル首相。
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ドイツでは、福島第一原発の爆発や火災などに関する日本政府の対応について、不信感を強調する報道が目立っている。
メルケル首相も記者会見で「日本からの情報は矛盾している」と繰り返した。ザイベルト政府報道官は、「大変な事態に直面していることは理解している。日本政府を批判しているわけではない」と定例記者会見で釈明したが、ドイツ政府が日本政府の対応にいらだちを強めていることは間違いない。
(2011年3月16日17時48分 読売新聞)
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これもはっきりいって問題発言というか、この人にそんなことを言う資格はないだろう。この人は保守系ながら、就任時にはけっこう環境・リベラル寄りで評判も良かったのだが、原発を再推進したり、ギリシャ危機・ユーロ危機でもちゃんと対応できなかったりしたので、今回の日本政府を批判する資格はまったくない。
まして、ドイツみたいに地震があまり起こらないところには、震災というものが実感できていないだけではないか?
メルケルが日本首相だったら、ちゃんと処理できていないに違いない。
この発言、ドイツ語の原文は見ていないからわからないが、なんとなくかつての黄禍論的な人種差別意識があるような気がする。
大体、メルケルはオッシー。オッシーというのは全体的に共産党政権下の教育で頭が固くて視野が狭い部類が多いように思うんだが、この人も化けの皮がはがれたといったところか?

最後はきわめつけ、石原の「天罰」発言。
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石原慎太郎・東京都知事は14日、東日本大震災に関して、「日本人のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす必要がある。やっぱり天罰だと思う」と述べた。
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最近とみに相次ぐ地震や気候変動は、人類の文明に対する自然の報復だといえないことはない。だが、東北の人だけが被害を受けるのは不公平というものだろう。
しかも、「我欲」というなら、公費使って旅行したり、自分の馬鹿な「画家」の息子の絵を都庁が採用したり、4選出馬しないといいながら出馬を表明したり、「非実在少年」規制でちゃっかり自分自身が関わる小説は対象から外したり、と、この人のやることなすことは、私利私欲の塊以外の何者でもない。
天罰を受けるべきだとしたら、まずは石原が先に死ね。ていうか、原発を安全といってきたんだから、おまえが福島いって、水を注入しろ!
大体、「保守」を自任するいまどきのウヨクどもって、自分を棚に上げて、他人を「不道徳」だの「偏向」だの「売国」などと言い過ぎる。この点は毛沢東など共産主義独裁者とまったく同じ。自分がまったく見えていないというか、自分だけは高潔だと勘違いしている基地外が多い。
少なくとも原発推進なんかいってきた人間こそ、本当に武士道があるなら、真っ先に切腹、いや注水作業に行け!と言いたい。

原発はとりあえずすべて運転停止すべし

2011-03-16 02:27:19 | 世界の政治・社会情勢
私がもともと反原発論者だからというわけではないが、今回福島原発で起こった一連の事故を見て、やはり原発なるものは実用化すべきではない、未完成で誤った技術だという思いを新たにした。
この際、世界中すべての原発を運転停止にして、年数がたったものは廃棄、近年供用開始したものは補強を施し、そして新規建設はすべて停止するべきだろう。
本当は既存のものを全廃といいたいところだが、それはあまりにも理想論すぎる。現実に存在するものをすべて否定することはできない。それで生計している人だっているからだ。ただシュレーダー時代のドイツのように、年限を設定して全廃するべきだろう。

近年世界的に原油高や温暖化論にかこつけて、原発を増設する「原発ルネサンス」の流れができつつあったが、たとえ発電コストが高くなっても、たとえ温暖化になっても、子々孫々まで放射能汚染で苦しむことになる原発よりは、何十倍もマシである。
まして、温暖化論もCO2悪玉論は実は根拠が薄い以上、「運転中はCO2を生まない原発」というのは的外れもいいところである。
大体、原発の悪いところは、東電の対応に見られるように、事実を隠蔽・改竄する不透明性にある。これは原発に本源的にある性質である。いわくテロ攻撃を防ぐため。しかしテロに攻撃されたら危ないものなら、最初から作るなよ!
そして今回のように万が一事故が起こったら取り返しがつかない。原発については「絶対安全」でなければならない。ところが人間が作るものだから、「絶対」はない。
そもそも電気の作り方が、火力と同じように「燃料を加熱する」方式であるところが、技術としてはお粗末である。
さらに、廃棄物や閉鎖した原発を半永久的に封じ込められるかも難題だ。そういう意味で、原発は実用化には程遠い、できそこないで、未完成の代物なのだ。近代文明の発明の中で最大・最悪の失敗作というべきだろう。

今回の事故を受けて中国や台湾や韓国は「うちは大丈夫だ」といっているが、東電も以前および地震発生直後はそういってきたのだ。むしろ原発を「安全で大丈夫だ」などという傲慢と慢心こそが、大きな事故を誘発する原因というべきである。
逆に安全性については日本やそれ以上にある欧州が今回の事故を受けて新規立地を見直しつつあること、アジアでも、タイ、フィリピン、インドネシアといった、民主度がある程度進んでいる国で慎重論が台頭していることは注目すべきだろう。
供給が逼迫するというなら、今回の関東がそうであるように、節電に努めればよい。そもそも「供給逼迫」なるものは、電力会社が原発を作りたいがためにわざと宣伝してでっち上げている疑いもある。

そういえば、日本の電力会社でも、東京電力と中部電力は最悪である。「原発は安全で、事故は絶対に起こらない」などと言いふらし、そして事故が起こるとひた隠しにする。今回東電は醜態をさらした。
ただ、私が記者時代に接触したことがる電力会社でも、四国電力と中国電力はマシだった。四国電力は伊方原発差し止め訴訟を最初に起こされていることもあって、わりと率直で「原発は危ないです。だからこそ、細心の注意と市民からの批判が必要なのです」といっていた。また中国電力も私が記者時代に限れば、原発をあまり作りたくないという立場だった(科技庁が推進政策をとっているから仕方ないという感じだった)。
原発は危ない。しかし国から言われている、あるいは需要逼迫だから必要悪だ。だが危ないから細心の注意が必要で、絶対大丈夫だという慢心は禁物だという四国電力の立場は、まだしも良心的といえる。

それにしても、東電は最低だし、できそこないの原発なるものは全廃の方向を目指すべきである。

拙著もよろしく!

台湾×夜市(ワンテーマ指さし会話)
880円+税、情報センター出版局、127ページ
ISBN 978-4-7958-4303-5


「親日」台湾の幻想 (扶桑社新書)
740円、扶桑社、244ページ
ISBN 978-4-594-06260-6

日本が当初台湾の救援隊を拒否したのは、馬政権の根回し不足が原因

2011-03-16 02:25:32 | 台湾政治
各国が支援を申し出る中で日本政府は14日台湾政府からの支援の申し出を断ったという話が台湾で問題になった。
同夜の三立の討論番組などでは「日本政府が中国の目を気にしたのか」という邪推をしていた。また日本の民主党嫌いのネトウヨどもは「媚中ミンスだからだ」などと決め付けていた。
しかし実際には日本外務省が台湾からの救援隊が事前に通知していなかった救助犬を連れて行くということを知って、検疫の用意ができなかったから、断ったらしい。

だとしたら、これは台湾政府の根回し不足、コミュニケーション不足、手続きの不備が招いたもの。
大体「民主党だから中国の目を気にした」というのは、「媚米」のはずなのにイランの申し出を受け入れていることからも、成立しないし、そもそも災害救援は人道問題なので、外交関係のあるなしや良し悪しは関係ない。北朝鮮の赤十字社からの義捐金すら日本は受け取っているのだから。

馬政権になってから、行政の基本的な動作が失調傾向にある。これは国内政治では脱線気味だった陳水扁政権ではありえなかったことだ。
もっとも、この問題で馬政権バッシングを強める必要はない。

はっきりいって最近の台湾は、すべての問題で青緑の対立になってしまうことにはうんざりだ。実際問題、青と緑でどんな違いがあるのか?それこそ外国人から見たらどうでも良い「違い」に過ぎないことに、この小さな島国の住民は、感情的になっているだけだ。もちろん、「中華民国」という亡霊体制と、国民党というファッショ政党組織の清算は必要だが、「人」のレベルでは青と緑の違いはほとんどない。深青と深緑の盲目的で戦略のない感情論に問題がある。

中国の巨大ダム・三峡ダムが地震や異常気象を誘発しているという説

2011-03-16 02:25:07 | 世界の政治・社会情勢
今回の地震、津波に限らず、最近太平洋の西側で、やたらと地震が起こっている。9日が日本の東北地方、10日がパプアと中国雲南、11日にインドネシアと日本東北地方。
そして明らかに東北地震に誘発されたとしか思えないような東京湾、長野新潟県境の群発地震である。
さらに、アジアを中心に世界的に起きている極端な気象。

最近台湾のテレビで、これらが中国の巨大ダム・三峡ダムに起因しているという指摘があった。
もともとは米国の研究者が指摘したものらしいが、三峡ダムの水圧で地球の自転が遅くなったものを、大地震で自転を早めることで調整しているとか、中国内陸の地震はまさに三峡ダムが地質構造を変えて誘発されたとか、中国の大雪も三峡ダムで水循環がおかしくなったのでもたらされているとかいう話である。

一種のトンデモと一笑に付すこともできよう。だが、今回の地震の規模の大きさが専門家たちの事前の想定や想像をはるかに超えるものだったり、原発事故を東電が「想定を超える」といっているように、人智を超えることが起こるのが、大自然の力である。
科学者は現時点の科学で解明できないことをすべて「トンデモ」と切って棄てる割には、想定外のことが起こると「想定外だった」などと平気で責任逃れをする。自分が一番偉いと傲慢になっているとしか思えない。
大自然の摂理には、もっと科学者は謙虚になるべきだろう。
それが今回の未曾有の災害が与えた教訓だと思う。

台湾のメディアはここ数日日本の震災一色!日本人賞賛論広がる

2011-03-16 02:24:40 | 台湾その他の話題
東北・関東大震災が起こってから、台湾のテレビ(ニュースチャンネル)と新聞は、この話題一色で、まるで我が事のように心配し、注目している状況だ。
CNNやBBCもほとんどこの話題一色なので、それだけ台湾、アジア、いや世界全体にとって、日本の存在というものがいかに大きいかということを示すものである。
日本人はバブルを基準にして、また中国にGDPを抜かれたので「小さく貧乏になった」などと思い込んでいるが、中国のGDPを稼いでいるのが日本企業であり、日本の生産ラインストップが世界経済にどれほどの影響を与えているかを考えれば、日本はやはり米国に次ぐ巨人である。
しかもイランやパレスチナのハマースやベネズエラあたりまで「偉大な日本人への連帯と支援」をすぐさま表明したことに見られるように、日本のようにあまり敵を作らない平和的多角外交は、とかく敵が多い米国や中国と比べて、「いざというときの友情」が多いことを示している。もちろん人道支援には国境は関係ないとはいえ、米国で災害があればイランやハマースはここまで友好的ではないだろうし、中国が被災すれば台湾人やベトナム人など多くのアジア小国民は消極的になる。

そういう点で、日本の存在感の大きさを一番示しているのが、台湾である。
台湾のテレビニュースチャンネルは24時間ほとんどずっとこの話題一色である。
これは今回の震災被害があまりにも大きいというだけでも、台湾人が日本に多く滞在し旅行し通商しているというだけでもなく、最近とみに強まっている親日ムードが大きく作用していると思われる。「日本は他人事ではない」のだ。

さらに今回の各局の報道姿勢を見ていると、どうも今回の震災が台湾の文化、心理にとって大きな転換期になるような感じがする。

それは「明日はわが身」という問題意識である。
10年前なら日本で何が起こっても、こういう問題意識は起こらなかった。
反日教育を受けた世代は米国に大きな関心を寄せるが、日本には若干冷ややかだった。そもそもインフラやシステムが整っている日本はどこか遠い国の話だった。
ところが、今回、日本の災害を見ても、以前なら見向きもしなかったような

・日本の防災システム、訓練、啓発がいかに進んでいるかという言及
・日本人が災害にあっても決して騒いだり慌てたり暴動や略奪に走らず、整然と列をつくっている姿は、「日本精神」「文明」だという賞賛
・そして台湾自身のシステムや文化的不備への反省

がメディアの上で起こっていることだ。

ある意味で面映く、かつ気持ち悪いのは、TVBSのような香港系で外省人系で中国寄りだと見られているテレビチャンネルまでが、たとえば14日夜の2つの討論番組で「日本精神」を誉めそやし、台湾の不備を反省する趣旨だったことである。これは李登輝の靖国神社参拝やほんの3年前の尖閣問題での挑発の時には、ほとんど考えられなかった変化というか、進歩である。
(ただ、中天だけは、中国的な観点だが。まあ一局くらいそういうのがあってもいい)
これは、おそらく新幹線ができて、さらにMRTも台北と高雄で増えているといった、近代的・先進的交通システムが整いつつある関係で、日本のシステムやライフラインの問題が、それだけ「身にしみる話」になりつつあるのだろう。

そして、これらの報道や議論を見ていると、日本人自身には当たり前のことになっていることが、実はすごいことだったことが気がつかされる。

これを機に、台湾のメディアが青緑対立を超えて、社会的責任を痛感して、事実に立脚して公平に時の政権を批判する真の媒体に脱皮することを願いたい。