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A型肝炎ワクチン [Hepatitis A Vaccine]

2010-04-01 | Vaccine 各論
A型肝炎ワクチン [Hepatitis A Vaccine]
旅行者のリスク
1000ヶ月の滞在に対して3-5件[steffen R, 1994]
100,000ヶ月の滞在に対して6-30件[Mutch M, 2006]


国内:エイムゲン®
用法と容量:本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.65mLで溶解し、通常、0.5mLずつを2~4週間間隔で2回、筋肉内又は皮下に接種し、更に初回接種後24週を経過した後に0.5mLを追加接種する。
免疫の賦与を急ぐ場合には、同量を0, 2週の2回、筋肉内又は皮下に接種する。しかし、長期に抗体価を維持するためには3回目の追加接種をすることが望ましい。
16歳以上を接種対象とする添付文書上の記載は、2013年3月に削除されて、小児への接種適応できるようになった。

輸入ワクチン:HAVRIX®, VAQTA®
用法と容量:筋肉注射を暴露2週間前に接種。暴露後の発症予防に使用するにはできるだけ早期に接種。
HAVRIX®: 2回目接種は初回同様1440 ELISA units (1 mL)を6-12ヵ月後に接種。
VAQTA®: 2回目接種は初回同様50 units (1 mL)を6-18ヵ月後に接種。
小児容量:
HAVRIX®: 12ヶ月から18歳までは720 ELISA units (0.5 mL)を成人同様に接種。
VAQTA®: 12ヶ月から18歳までは25 units (0.5 mL)を成人同様に接種。
接種方法:大きな小児や成人は三角筋部に接種。小児は大腿の前外側面に接種、効能が低下することがあるため殿部には接種しない。
対象:生後12ヶ月以上
妊婦への接種:データが不足しているため危険性は否定できないが、有益性が優先されると判断されれば接種可能
効果:推定では2回接種で20-30年の抗体持続。[J Med Virol 2004 Feb;72(2):194-6.]
価格(US):
HAVRIX®:
720 Elisa units/0.5 mL (0.5): $39.99
1440 Elisa units/mL (1): $64.73
1440 Elisa units/mL (1): $72.88
VAQTA®:
25 units/0.5 mL (0.5): $42.99
50 units/mL (1): $76.71

ワクチンの接種は授乳婦では問題ないと考えられるが、データが不足しているため妊婦では避けるべき

途上国での罹患率は近年1/10以下に低下しているが、ワクチン未接種者で飲み物や食べ物を気にかけない人には依然リスクが高い
流行地域での罹患率はレジオネラ感染よりも高いが、インフルエンザ、マラリア、デング熱、動物咬傷、PPD conversionよりもリスクは低い
ワクチン未接種者でのリスクは3/1000/monnthと推定されている(CISTM, Lisbon 2005)
難民キャンプでリスクは最も高いが、5つ星ホテルでも流行の報告がある

A型肝炎ワクチンの保存料について
Havrix®, Avaxim®:Aluminium
Epaxil®:ホルムアルデヒド、チメロサール
VAQTA®:なし

抗HAV 抗体が33IU/ml以上で免疫獲得を確認


A型肝炎+腸チフスのcombination vaccine
VIATIM: AVAXIM® & TYPHIM Vi® (MSD)
16歳以上に適応
HAV: 6-12ヶ月後に2回目の接種が望ましい (The Green bookによると20年以上の防御効果) 6-36ヶ月以内なら2回目接種可能
腸チフス:3年毎の接種が必要

Hepatyrix®: Havrix & Typherix (GSK)
VIATIMはHepatyrixに比べて早期に高い防御効果が得られるが、局所反応が多い(83% vs 53%)

Avaxim (160AU)とHavrix(1440)の比較では副反応が少なく、かつ免疫原性が高い
ref. MCQ(3rd)s-80

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