世界保健機構 (WHO)が専門家会議において、今シーズンに流行したウイルス株について精査した結果、2014年に南半球のインフルエンザ流行期(3-10月)に推奨した同じウイルス株を2014-2015年に北半球で使用するワクチンのウイルス株に推奨することを決めた。
WHOが2014-2015年に北半球で推奨する類似ウイルス株は下記の通り
- A/California/7/2009 (H1H1) pdm09
- A/Texas/50/2012 (H3N2)
- B/Massachusetts/2/2012
また、4価ワクチンを使用する際には、昨年の推奨と同様に下記の類似ウイルス株の追加を推奨
- B/Brisbane/60/2008
これらの推奨を受けて、世界的に製薬会社は時シーズンのワクチン製造準備が開始され、製剤ができるまでに約6か月間かかる。
WHOは毎年、2月に次シーズンにおける北半球のウイルス株の推奨を、9月に次シーズンにおける南半球のワクチンウイルス株を推奨する。
2013年9月から2014年2月にかけて世界全体でインフルエンザA 2009 H1N1が最も流行し、推奨されたワクチン株と類似したものであった。
評価されたインフルエンザウイルスA H3N2は抗原性に特に変化はみられていない
インフルエンザウイルスBは山形系統が多く、これに準じたウイルス株であるB/Massachusetts/2/2012が推奨された。
薬剤耐性の評価が行われたほとんどのインフルエンザA 2009 H1N1はオセルタミビル(タミフル)に感受性であり、ザナミビル(リレンザ)に対しては全て感受性だった。
中国、日本、米国では少数のオセルタミビル耐性がみられ、日本の一部の地域ではオセルタミビルとペラミビル(ラピアクタ)の両薬剤に耐性を示した。
これらの全ての事例は、ウイルスはH275Y変異を有しており、ほとんどの症例で抗ウイルス薬を治療に要しなかった。
それぞれの国において、このWHO推奨株の発表を受けて、国内で使用するワクチンのウイルス株が選定される。
日本国内で使用するワクチン株については、国立感染症研究所にて選定し、厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会の部会にて発表
以下、厚生労働省資料からの引用