ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

1983年3月12日付 ビルボード 全米 Top40 Bob Seger & the Silver Bullet Band - Shame On The Moon

2019-03-10 22:39:24 | 1983年ビルボードTop40
1983年3月12日付ビルボード All American Top40、2週目の1位はMichael Jacksonの"Billie Jean"。アルバム『Thriller』から2位を記録したPaul McCartneyとのコラボシングル"The Girl Is Mine"に続く第2弾シングル。ソロでの1位は"Ben"、"Rock With You"、"Don't Stop 'Til You Get Enough"に続く4曲目となります。

2位は前週と変わらずこれで3週目の2位、Bob Seger & the Silver Bullet Bandの"Shame On The Moon"。Bob Segerですが、5位を記録した"Trying to Live My Life Without You"以来のTop5ヒットで、この曲で5曲目のTop5ヒットですが、これまでの最高が"Night Moves"と"Still The Same"の4位ですので、彼ら最大のヒットになりました。
この週は久々の1位から5位まで同順位でした。1位の"Billie Jean"が強すぎた上が詰まってしまいました。

3位も前週と変わらずこれで3週目の3位、Stray Catsの"Stray Cat Strut"。Stray Catsですが、彼らアメリカでのファーストアルバム『Built for Speed』から、最高位9位を記録した"Rock This Town"に続く2枚目のTop10ヒットで、もちろん初めてのTop3ヒットとなりました。
4位も前週と変わらず、Culture Clubの"Do You Really Want to Hurt Me"。ついにきました、ボーイ・ジョージ率いるカルチャークラブ、この後、一大ブームを巻き起こします。もちろん初めてのTop5ヒットです。
5位も前週と変わらず、Duran Duranの"Hungry Like the Wolf"。もちろん解説の必要がないほど世界的人気ロックグループDuran Duran、アメリカでのデビューシングルです。

この週3週目の2位はBob Seger & the Silver Bullet Bandの"Shame On The Moon"。最高位はこの翌週まで4週間連続の2位。年間チャートは14位。残念ながら"Billie Jean"を抜けずに2位どまりでしたがこの時点での彼ら最大のヒットになりました。

Bob Segerですが、60年代から活躍するアメリカを代表するロックシンガー。日本では人気がありませんで、あんまり知られてもいませんが、本国アメリカではブルース・スプリングスティーンと並ぶほどのアメリカンロックを代表する人気シンガーです。

60年代後半から70年代前半にかけてはBob Seger and the Last Heard や Bob Seger Systemでブルースロックバンドとして活動、1974年からBob Seger & the Silver Bullet Bandとして活動、1976年に発表したアルバム『Night Moves』がアルバムチャート8位を記録する大ヒット、タイトルシングル"Night Moves"も1977年3月に最高位4位を記録する大ヒットになります。
このヒットを皮切りに、"Still the Same"が78年に4位、"Against The Wind"が80年に第5位、"Tryin' to Live My Life Without You"が80年に第5位と、Top5ヒットを連発します。
ソングライターとしても数々のヒット曲を手掛け、Eaglesの"Heartache Tonight"は彼が共作者として名を連ねていますし、この週8位の"We've Got Tonight"も彼の作です(hannahさん思い出させていただいてありがとうございます)。

さてこの曲"Shame On The Moon"ですが、最高位5位を記録したアルバム『The Distance』収録曲。
曲の作者はボブ・シガーではなくRodney Crowell。
実はRodney Crowellですが、カントリー系のシンガーソングライターとして有名な人なんです。ヒット曲は最高位37位の"Ashes by now"1曲のみですが、80年に13位を記録したThe Dirt Bandの"An American Dream"や81年に22位を記録したRosanne Cashの"Seven Year Ache"も彼の作です(ロザンヌ・キャッシュですが、カントリー界の大御所ジョニー・キャッシュの娘でありRodney Crowellの元奥さまです)

さて、曲から離れて小ネタ満載になってしまいましたが、この曲"Shame On The Moon"にはグレン・フライがバックボーカルで、Little FeatのBill Payneがキーボード奏者として参加、ボブ・シガーのボーカルは抑え気味ですが、味のある渋い歌声を聞かせてくれます。


今週 先週 song / artist
1 1 BILLIE JEAN / MICHAEL JACKSON
2 2 SHAME ON THE MOON / BOB SEGER & THE SILVER BULLET BAND
3 3 STRAY CAT STRUT / STRAY CATS
4 4 DO YOU REALLY WANT TO HURT ME / CULTURE CLUB
5 5 HUNGRY LIKE A WOLF / DURAN DURAN
6 9 BACK ON THE CHAIN GANG / PRETENDERS
7 11 YOU ARE / LIONEL RICHIE
8 8 WE'VE GOT TONIGHT / KENNY ROGERS & SHEENA EASTON
9 6 BABY COME TO ME / PATTI AUSTIN & JAMES INGRAM
10 15 SEPARATE WAYS / JOURNEY
11 18 ONE ON ONE / DARYL HALL & JOHN OATES
12 12 ALL RIGHT / CHRISTOPHER CROSS
13 20 MR. ROBOTO / STYX
14 16 TWILIGHT ZONE / GOLDEN EARRING
15 14 DOWN UNDER / MEN AT WORK
16 22 I KNOW THERE'S SOMETHING GOING ON / FRIDA
17 17 ALLENTOWN / BILLY JOEL
18 21 FALL IN LOVE WITH ME / EARTH WIND & FIRE
19 19 BREAKING US IN TWO / JOE JACKSON
20 25 COME ON EILEEN / DEXYS MIDNIGHT RUNNERS
21 28 I'VE GOT A ROCK N' ROLL HEART / ERIC CLAPTON
22 7 YOU AND I / EDDIE RABBITT With CRYSTAL GAYLE
23 10 PASS THE DUTCHIE / MUSICAL YOUTH
24 13 YOUR LOVE IS DRIVING ME CRAZY / SAMMY HAGAR
25 31 DER KOMMISSAR / AFTER THE FIRE
26 26 ON THE LOOSE / SAGA
27 34 JEOPARDY / GREG KIHN BAND
28 23 GOODY TWO SHOES / ADAM ANT
29 37 LITTLE TOO LATE / PAT BENATAR
30 30 DREAMIN' IS EASY / STEEL BREEZE
31 36 POISON ARROW / ABC
32 32 MY KIND OF LADY / SUPERTRAMP
33 33 THE WOMAN IN ME / DONNA SUMMER
34 39 MAKE LOVE STAY / DAN FOGELBERG
35 35 I'M ALIVE / NEIL DIAMOND
36 44 LIES / THOMPSON TWINS
37 29 YOU CAN'T HURRY LOVE / PHIL COLLINS
38 45 CHANGE OF HEART / TOM PETTY & THE HEARTBREAKERS
39 43 BURNING HEART / VANDENBERG
40 40 DON'T TELL ME YOU LOVE ME / NIGHT RANGER

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20 コメント

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Unknown ( 太ったボンジョビ)
2019-03-10 23:20:21
お世話になります
私はこの曲は2位でも望外なのでは?と思っています
さすがにこれで1位はないだろ、と
それに中途半端なNo.1(シェイクダウンなんか)よりは味のある4週2位の方が良いような
結局ボブシーガーの代表曲はこれになるんじゃないですかね?
ビリージーンを抜けなかったことよりストレイキャッツを抜かせなかったような
んで、月に吠える、というのは正しい訳なんでしょうか?と年末のオジーのアルバムが申しております
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バラードの名曲 (hannah)
2019-03-11 22:25:00
星船さん、こんばんは。
この曲B.Segar作曲ではなかったんですね。では、Top10に同時に2曲ではないかもしれませんね。
さて、当然パワフルなロックヴォーカリストのB.Segarですが、この曲をはじめ、♪Still The Same♪や♪Against The Wind♪のようにじっくり聴かせるバラードの名曲も多いですね。もちろん、もう1曲の♪We've Got Tonight♪も。
しかし、彼ほど本国と日本の人気のギャップがあるアーティストも珍しいですね。
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"Shakedown"で1位 (星船)
2019-03-11 22:57:01
太ったボンジョビさんこんばんは。
4週間連続の2位っていうのは結構インパクトありますね。でもまあ私としては1位になって欲しかった曲ではあります。
結局1位にはなれないアーチストなのかなぁ、と思っていましたが、この年からさらに5年後に"Shakedown"で1位になったのには驚きました。
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日本ではからっきし (星船)
2019-03-11 22:59:52
hannahさんこんばんは。
曲の作者としてはこの曲は違う人の曲でした。
"We've Got Tonight"は彼のバージョンも78年にシングルヒットしましたが、私としてはこのデュエットバージョンの方が曲に合っていると思います。
ホントなんででしょう、日本ではからっきし人気ありませんでしたね。
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星船さんへ (ミュウ)
2019-03-12 05:44:58
ボブ・シガーはそこそこラジオでかかってたように記憶しています。
確かに、いかにもアメリカ人が好きな声質で、スプリングスティーンと似てるところがあるかな?
でも、日本では地味なんですよね。
この曲はゆったりしていて、BGM向きという感じがします。
間奏のピアノがいかにも彼の曲っぽい雰囲気を出している感じがしました。
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日本では (golden_70s)
2019-03-12 21:35:06
ボブ・シーガーは日本ではさっぱりでしたね。
この頃は、日本はアイドル全盛期だったと思います。
そんな環境ではボブ・シーガーのような容姿では人気を得ることは難しかったのかもしれません。
それにしても、日本でも、もっと売れてほしかったですね。

7位に上昇した「ユー・アー」、好きだったんですけどね。
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遠い1位 (hannah)
2019-03-12 22:26:43
星船さん、こんばんは。
本当に数々の名曲を出しながらなかなか1位にはなれなかったですね。
この曲にしても、♪Against The Wind♪にしても、その時期に1位になった曲と比べても決して遜色ない曲だったんですが。
彼はアルバムアーティストだと思うので1位にこだわることもないのですが。
それにしても♪Shakedown♪が1位になったのは、皮肉にもというか、♪Bivery Hills Cop♪効果というか。
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月のせいにしちまうさ (音時)
2019-03-12 22:30:45
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/16686312.html
僕の和訳では"Shame On The Moon"は「月が出てないのが悪いんだ」と"月のせいにする訳にしているので、「月に吠える」邦題はやっぱりよくないかなと思っております。アルバム「The Distance」はオープニングの"Even Now"がなかなかよいです(バリー・マニロウさんとは別曲)
2017年にはグレン・フレイを偲んだ"Glenn Song"を発表してくれました…泣けました(*_*)
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/15312348.html
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アメリカで絶大な人気 (星船)
2019-03-12 22:35:49
ミュウさんこんばんは。
ブルース・スプリングスティーンとボブ・シガー、ハスキーボイスでアメリカで絶大な人気なところなど、共通点があります。が、やっぱり派手なライブパフォーマンスのブルースに比べ、渋い曲で勝負するボブの方は日本ではいまいちなんでしょう。
彼のヒット曲の中ではかなりゆったりとした曲ですよね。
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渋いおっさん (星船)
2019-03-12 22:42:16
golden_70sさんこんばんは。
そうですか、日本ではアイドル全盛時代だったのですね。洋楽界でもブリティッシュビジュアル系ロッカーが出てきました。そんな中でボブ・シガーが売れるのは難しかったのでしょうか。渋いおっさんなんですけどもね。
"You Are"はライオネル・リッチーの曲の中では、バラードすぎないテンポの良いところが良い曲でした。
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