日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2016 - 晩酌

2016-10-02 22:33:54 | 晩酌
出航から一時間も経つと、噴火湾の海岸線の明かりもかなりまばらになってきます。名残は尽きないものの、これが潮時とみて船内に戻りました。明日の八戸入港は4時45分、手短に切り上げざるを得ませんが、軽く一杯やってから休みます。

セイコーマートの出番が異例ともいえるほどに少なかった今回の旅ですが、道中最後の晩酌は酒も肴もセイコーマートで揃えたものです。滞在最終日にしてようやく出番が来るかと思いきや、まさかのセイコーマート空白地帯に重なってしまい、ようやく現れた店舗にもホットシェフがなく、朝ばかりか昼も機会を逃しました。せめて最後の最後は借りを返したかった次第です。
かような観点から、肴は100円惣菜、それもとりわけ愛用している品々を主体としました。全部で五品、いずれも道中では最初で最後の登場となります。これらが今まで一度も登場していなかったという事実が、セイコーマートの利用頻度がいかに少なかったかを物語っています。
缶ビール一本とホットシェフのフライドチキン、フライドポテトはデッキでいただいたため、あとは100円惣菜を肴にもう一本いただくことになります。ビール一本に惣菜五品は明らかに多すぎであり、全てを消費できるとは思っていません。北海道から戻って職場に直行する場合、セイコーマートで100円パスタを買っておき、翌日の朝兼昼とするのが常です。今回も100円パスタ各種を押さえているため、残った惣菜は明日それらとともにいただくつもりです。

サッポロクラシック
卯の花
海老しゅうまい
きゅうりの酢の物
北海道芽室産切干大根
ご飯にのっけてうまいパリパリ大根
フライドチキン
ポテトガーリック
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晩秋の大地を行く 2016 - 出航

2016-10-02 21:25:45 | 北海道
苫小牧に到着後、給油を済ませて土産を買い、最後に酒を調達して、道内での全行程が終わりました。滞在最終日も240kmを走り、出発からの走行距離は2113kmに達しました。北海道上陸後十日間では約1780kmを走ったことになります。終盤三日で距離を稼ぎ、一日あたりの走行距離は例年を二割ほど上回りました。
最後に萱野から苫小牧まで走る行程を何度か経験し、おおよその時間配分が分かってきました。六時過ぎに出ると正味の走行時間が約一時間半、それに加えて買い出し、給油などで小一時間を消費し、出航の40分ほど前に港へ着くという見当です。本日もその配分を踏襲し、港に着いて乗船手続きを済ませたのが出航の30分前、乗船し船室に入ったのが出航15分前、そこから直ちに一風呂浴び、上がってデッキに出ると、船が既に離岸を始めていました。
船は既に防波堤を通過し港外に出ています。苫小牧到着時の気温は16.5度あり、今も半袖でデッキに立てる暖かさです。後方には長い弧を描く噴火湾沿いの明かりが広がりつつあり、沖合には漁火も見えています。苫小牧港の眺めは無味乾燥だと常々申してきましたが、何度も乗船するにつれて、これも悪くないと感じるようになってきました。遠ざかる北海道の明かりをしばし眺め、名残を惜しんでから船室に戻ります。
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晩秋の大地を行く 2016 - トラクター

2016-10-02 17:49:01 | 北海道
滝川に戻って忘れ物を引き取り、そこから12号線を光珠内まで上ってきました。よくよく考えるとこの区間を走ったのは今回の道中で初めてです。30km近くに及ぶ全国一の直線区間を含む、北海道を象徴する路線の一つだけに、今回も最後に走ることができたのは結果として幸いでした。
もともと雲に覆われつつあったところで日が沈み、そこから30分近くが経ちました。西の空はすっかり色褪せ、曇り空がそのまま暮れていったのと見分けがつきません。とっぷり暮れようとする空の下で、照明を灯したトラクターが作業をしています。暗い中でも明かりを焚いて働く農機を、道中を通じ何度も見てきました。鮮やかな夕焼けこそなかったものの、北海道らしい光景で締めくくれたのは幸いです。
この後は岩見沢の市街を道道で短絡する形となり、必然的に萱野を通ります。朝方はそのまま出てきたため、管理人のお宅に挨拶してから苫小牧へ向かうつもりです。
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晩秋の大地を行く 2016 - 鶴沼駅

2016-10-02 16:14:56 | 北海道
最後に残った鶴沼駅を訪ねて、本日予定していた駅を一通り回ることができました。朝礼台にもう一両分継ぎ足したのは南下徳富でしたが、ここではコンクリート製のホームに朝礼台同然の板切れによるホームが継ぎ足されています。その下には於札内の待合室とよく似た形の、しかし一回りほど大きい待合室が、ホームを向く形で置かれるという造りです。
夕日は間もなく山の陰に隠れようとしています。しかも空が薄雲に覆われ光量もありません。西日を浴びた晩生内の駅舎を撮れれば完璧でしたが、駅めぐりはこれにて打ち止めとします。お世辞にも有終の美とは言い難い、中途半端な場所での完結です。しかし幸か不幸か、松尾ジンギスカンに忘れ物をしてきたことが判明し、今から取りに戻らなければなりません。その途中で新十津川を通るため、もう一度あちらに寄って締めくくります。
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晩秋の大地を行く 2016 - 於札内駅

2016-10-02 16:02:00 | 北海道
続いて訪ねるのは於札内駅です。沿線を訪ねた活動仲間から、駅周辺の道が軽自動車でも難儀するほど狭かったという話を聞きました。どれだけ狭いのかと身構えながら現地へ向かうと、比較的開けた場所にホームと待合室だけの小さな駅が見えてきました。そこへ至る砂利道も、さほど難なく通れそうです。ただし、先の方に思わぬ落とし穴があるのかもしれません。安全策をとって砂利道の入口に車を置いて歩きました。しかし、先へ行っても幅が狭まるようなことはなく、踏切の近くには転回できそうな空間まであります。今日訪ねた中で最も車で行きづらそうなのは豊ヶ岡ですが、あちらと混同したのでしょうか。ともかくここについては秘境の趣は希薄です。
四種踏切に接する形で造られたコンクリート製のホームには、トタンで造った物置同然の待合室がつきます。ただし、物置そのものだった糠南よりは多少なりとも待合室然としており、入口の上には国鉄時代の様式による錆びた駅名標が掲げられていました。
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晩秋の大地を行く 2016 - 南下徳富駅

2016-10-02 15:52:38 | 北海道
釣瓶落としの西日はますます傾いてきました。わずかな残り時間で札沼線の残り三駅を訪ねます。線路の西側を並行する農道を走り、南下徳富駅にやってきました。
踏切に接する形で、いわゆる朝礼台にもう一両分継ぎ足した短いホームがあるだけで、待合室はありません。冬はどうやって列車を待つかが気になりますが、一日一往復の発着となった今、そのような老婆心は無用なのかもしれません。ホームの両側に広がった晩稲の稲穂が絵になっています。
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晩秋の大地を行く 2016 - 松尾ジンギスカン

2016-10-02 15:18:41 | B級グルメ
今回の旅ではセイコーマートにどうも縁がありません。遅い朝食兼昼食は、筋書き通り松尾ジンギスカンとなりました。
既に日も傾き始めており、時間を優先する観点からもセイコーマートにしたいのはやまやまだったのです。ただしホットシェフのある店舗にしたいという考えがありました。晩酌でもう一度セイコーマートの出番があり得るとはいえ、ホットシェフの丼物をいただく機会はこれが最初で最後だからです。
ところが、ようやく現れた新十津川の店舗に、あろうことか二軒ともホットシェフがないという誤算が。この先月形まで戻っても、沿道にセイコーマートはありません。ただし、並行する12号線を砂川まで走れば、以前世話になった店舗にホットシェフがあるのは分かっています。そこでわざわざ滝川の市街に入り、沿道にホットシェフの設置店があれば直ちに入り、そうでなければ砂川まで12号線を経由するつもりで走りました。そして途中の交差点を曲がった先にセイコーマートの看板を見つけたためそちらへ向かうと、これがまたもや非設置店。しかし渡りに船というかなんというか、その店舗の斜向かいには松尾ジンギスカンがありました。その結果、ジンギスカンを食えという思し召しと受け止めて、そのまま入ったという結末です。

松尾ジンギスカン
滝川市明神町3-5-12
0125-22-2989
900AM-2130PM(LO)
大晦日及び元日休業
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晩秋の大地を行く 2016 - 新十津川駅

2016-10-02 13:18:20 | 北海道
跡形もない中徳富の駅跡を確認後、終点の新十津川に着きました。札比内と同様に一部が取り壊されてはいるものの、防雪林を背にして建つてらいのない切妻屋根の木造駅舎がよい味を出しており、コスモス畑となった駅前の雰囲気も好ましいものがあります。コスモスだけでなく花壇には様々な花が植えられ、駅舎へ向かって右側には10月にもかかわらず花盛りの紫陽花が。対する左隣には「のびのびぼくじょう」と名付けられた一角があり、三頭のポニーが昼寝中です。改札口にはモールで飾った歓迎の看板が掲げられ、列車の写真と木彫りの置物で飾られた待合室に、清々しい秋風が吹き込んできます。癒しの空間に誘われたか、同業者とは思われない見物客が時折やってくるのも印象的です。とうとう一日一往復に減便され、存続が危ぶまれているこの駅ですが、地元の人々の駅に対する愛着は何一つ失われてはいませんでした。
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晩秋の大地を行く 2016 - 下徳富駅

2016-10-02 12:29:40 | 北海道
鶴沼、於札内、南下徳富の三駅を飛ばし、木造駅舎が残る下徳富駅にやってきました。
農業倉庫が何棟も建つ駅周辺、天井の高い広々した待合室と、窓の外にそそり立つ立派な松の木からは、農産物の発送で賑わった古きよき時代が偲ばれます。しかし旅客も貨物も自動車に取って代わられ、今春の改正ではとうとう一日一往復に減便されてしまいました。もう最終列車が出た以上、この駅を訪れるのは同業者しかありません。がらんとした待合室には出札口と荷物窓口が残るものの、それらは板で塞がれて、ベンチにも虫の死骸が散らばるなど、他の駅に比べてやや荒れた様子なのが残念です。そのような中、出札口の台の上に二つ置かれた人形と、反対側の壁に掛かったアップリケの額縁がせめてもの癒しとなってくれます。広々した、しかし今ではがらんとした待合室は、近くでいうなら根室本線の茂尻駅のような雰囲気です。
序盤の駅での長居が響き、残念ながら駅舎の正面は陰になってしまいました。しかし屋根には依然として日が当たっており、清々しい秋晴れも変わりません。絶好とはいわないまでも、それなりの条件で記録できたのは幸いです。道内の中でも比較的再訪が容易な場所だけに、次の機会に再訪するのも一案でしょう。そのときまで路線が残ってくれることを願っています。
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晩秋の大地を行く 2016 - 浦臼駅

2016-10-02 12:08:08 | 北海道
続いては浦臼駅を訪ねます。近年改築され、診療所に駅が間借りするかのようになった建物は無味乾燥で、飛ばして先を急ぎたいのはやまやまながら、駅舎が東を向いている関係上、どうしても往路に寄っておかざるを得ません。既に日差しは側面に回ってきており、東向きの駅については時間との戦いになってきました。
ちなみに気温は順調に上がって現在22.5度、四日ぶりに20度を超えました。しかしこれでも関東の最低気温より低いわけです。あちらがいかに蒸し暑いかが想像できます。
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晩秋の大地を行く 2016 - 札的駅

2016-10-02 11:51:40 | 北海道
とりあえず浦臼までは飛ばさず進むことになりそうです。続いては札的駅を訪ねます。国道から左折しすぐの踏切に面して、コンクリート製の短いホームが一本あり、そのホームに接する形で木造モルタルの待合室が鎮座。切妻の妻側を玄関にして、その上に小さな庇を付けたところは、去年訪ねた知来乙を彷彿させます。あちらと同様玄関のガラス戸と窓のサッシは木製、さらにはベンチも古びた木製です。
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晩秋の大地を行く 2016 - 晩生内駅

2016-10-02 11:32:36 | 北海道
再び国道を進むと現れるのが晩生内駅です。ただし、国道に面していた札比内駅に対して、こちらでは線路の反対側にもささやかな市街があり、駅舎はそちらに建っています。札比内の駅舎を鏡に映したかのような左右反対の造りをした木造駅舎ですが、改札口の幅があちらより広く、その脇にあった小さな出札口がここでは荷物窓口となって、出札口はその隣にあるなど、細部の造りは微妙に違います。よくよく見ると、今回残念ながら立ち寄れなかった旧湧網線の計呂地の駅舎に似ていることに気付きました。写真で見比べれば相当違うとしても、縦横の比と屋根の上に突き出た煙突がよく似ているのです。
ちなみに、札比内の反対側に駅舎があるということは、午後に適した西向きの駅舎ということです。それにもかかわらず立ち寄ったのは、駅舎が西ということはホームが東にあり、こちらだけは午前に撮っておいた方が有利だからです。帰り道には西日を浴びた駅舎を撮りに再訪します。
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晩秋の大地を行く 2016 - 札比内駅

2016-10-02 11:07:31 | 北海道
続いて訪ねるのは古い木造駅舎が残る札比内駅です。左側に基礎が残っていることからして、その部分が取り壊されて縮小されたのは明らかですが、北海道らしい三角形のファサード、その下に掲げられた駅名の琺瑯看板、まっすぐ張り出た車寄せと、それらの左上に突き出た煙突が秀逸です。三和土の待合室には、座布団を隙間なくきれいに並べた古いベンチが置かれ、片隅にはささやかな文庫と駅ノートが。私鉄の駅のごとく斜めになった小さな出札窓口もよい味を出しています。国道に面した駅前は、秘境の趣漂う豊ヶ岡とは好対照ながら、小一時間滞在したくなる居心地のよさは変わりません。
それにしても、予想以上に雰囲気のよい駅が連続し、なかなか先に進みません。線路が南北方向に走っている関係上、午前向きの駅と午後向きの駅が出てきます。今のところいずれも午前向きの駅が続いていますが、この先は駅の方角を頭に入れつつ、午前向きの駅から先に回っていき、飛ばした駅を帰りに訪ねるという工夫が必要になりそうです。
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晩秋の大地を行く 2016 - 豊ヶ岡駅

2016-10-02 10:14:25 | 北海道
開始早々味わいのある駅に出会いました。石狩月形の一つ隣の豊ヶ岡駅です。
今更ながら知ったのは、この駅がいわゆる秘境駅として名高い存在だということです。たしかに、周囲から隔絶され、忘れ去られたかのような存在感という点では、秘境駅としての趣は十分あり、これが宗谷本線の駅だといわれても違和感はありません。

石狩月形から国道を進み、左に折れて1Kmほど走った場所です。しかし、国道沿いには駅へと至る道を知らせる案内板が見当たりません。よくよく見れば、都市部によくある通りの名前を入れるのと同じ看板が建ち、そこに豊ヶ岡駅と書かれてはいるものの、初見で気付くのは難しく、カーナビがなければおそらく通り過ぎていたでしょう。
カーナビを見る限り、駅周辺には他に道もなく、踏切に接した停留所のようにも思えます。しかし、線路と道が交差する地点から、駅が表示された場所までの間に微妙な距離があります。正確な位置関係が不明のまま車を走らせると、やがて線路を踏切ではなく立体交差で越えることが分かりました。跨線橋から階段を下りるのかと推測しつつ、速度を落として跨線橋にさしかかると、南側の少し離れた場所にホームが見えます。そして渡った直後に、駅へと至るであろう砂利道が分岐していました。跨線橋から見た距離感からして、必ずしも近くはありません。砂利道が分かれた地点に車を止め、そこから歩いて駅へ向かうと、左にカーブしつつ下っていく緩い坂の先に、待合室と思われる赤い屋根が見え、さらに進むと四種踏切に接した短いホームが見えてきました。

この待合室がよい味を出しています。切妻の建屋の妻側に、民家の玄関のような木製サッシのガラス戸を設え、その上には駅名を木彫りにした小さな扁額が鎖でぶら下げられています。暗くなるとその上にある裸電球が灯って、より味わいが出てくるのでしょう。
三和土の待合室は、玄関と同じく木製サッシを使った窓で二面採光となっており、そこから注ぐ日差しが暖かです。窓際に寄せる形で木製のベンチがL字に据え付けられており、中央に鎮座する小さな卓には駅ノートが。壁は列車の写真で飾られ、かつてここに石炭の積込施設があったという駅の由来を記した張り紙もあって、玄関の脇に掛かる古びた温度計がよい味を出しています。忘れ去られたようでありながら、この駅も大切にされている様子がありありと窺われました。
石狩平野の只中とは思えない、周囲を樹木に囲まれた鬱蒼とした雰囲気もよく、小一時間の滞在と相成りました。あと少しで新十津川からの上り列車が着くため、それを見送ってから次へ向かいます。
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晩秋の大地を行く 2016 - 石狩月形駅

2016-10-02 09:08:26 | 北海道
石狩月形を振り出しに、札沼線の駅を新十津川方面へたどります。去年訪ねたときは土砂降りと晴れ間が断続的に繰り返す不安定な天候だったため、この駅も雨の止み間に一応押さえた程度でした。正面から朝日を浴びた好条件で記録できたのは幸いです。
ちなみに、セイコーマートで朝食をと思ったところが、町内にはサンクスとローソンしかなく、さらには浦臼にも店舗がないため、最寄りの店舗は新十津川となるようです。新十津川まで行ってしまえば滝川はすぐそこ、終了時刻によってはお昼を兼ねて松尾ジンギスカンという選択肢も出てきます。またしてもセイコーマートの出番が遠のきそうです。
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