日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

三陸海岸縦断ツアー - かん

2016-10-09 23:02:57 | 居酒屋
今夜は結果として前回泊まったときの落ち穂広いになりました。二軒目は「かん」を訪ねます。
こちらについては、牛タンに固執しすぎて腹具合が限界に達したため、ひとまず宿に退却して出直すつもりでいたところ、そのまま力尽きて終了という結果でした。去年も立ち寄る機会がなかったため、これがおよそ二年半ぶりの再訪となります。

純然たる居酒屋だった「おのちゃん」に対し、こちらは日本酒バーと形容してもよい店です。細かい字でびっしり書かれた品書きは、最盛期を迎えたひやおろしで埋め尽くされており、この時期に来てよかったという実感が湧いてきます。
「おのちゃん」の店長によると、昨日から今日にかけてYOSAKOIまつりなるものがあったそうです。連休に祭も重なり、昨日はどの店もかなり賑わったのでしょう。しかし祭が終わってお客が引け、先客はカウンターに一名、テーブルに一組二名と落ち着いています。酒の消費が大幅に鈍っている昨今とはいえ、品書きに百花繚乱のひやおろしが揃い、なおかつお客も引けて静かな店内ということになれば、しみじみ呑みたいという意欲が湧いてくるというものです。半合も選べるところを正一合でお願いし、徳利二本を空けて席を立ちました。

かん
仙台市青葉区国分町2-13-11 ベルサイユビル2F
022-225-8148
1800PM-100AM

蔵王・田林
突き出し三品(スズキ・あん肝・汁物)
秋鮭塩焼き
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三陸海岸縦断ツアー - 居酒屋おのちゃん

2016-10-09 21:46:00 | 居酒屋
結果論ではありますが、牛タンを見送ったのは早計だったことに今更気付きました。時間的に無理だろうと判断したのは、日曜のため「旨味太助」以外に事実上選択肢がなく、それも八時過ぎには早仕舞いすることが多いと分かっていたからです。しかしよくよく考えれば連休中日であり、「雅」なら開いていたかもしれません。無料区間だけでも九時過ぎに着いたということは、利府まで高速を飛ばせば九時前に着いていた可能性は高く、それなら閉店間際に飛び込めた可能性は高いわけです。
もっとも、今回に関する限り、牛タンよりも居酒屋を優先したいという考えがありました。前回仙台に泊まったとき、調子に乗って牛タンを昼夜合わせて五軒もはしごした結果、居酒屋は半ば無理矢理寄った「源氏」一軒限りで終わってしまい、均衡を失した感があったからです。かような反省もあり、本日はそのとき立ち寄れなかった「おのちゃん」にやってきました。

この店についていうと、無休という前提で土曜はあえて温存し、日曜の帰り際に立ち寄るつもりでいたところが、よりにもよってその週から日曜定休となっており、まんまと足をすくわれるという結果でした。この店に寄るというと日曜が圧倒的に多かったにもかかわらず、その日曜が定休日となったことにより、訪ねる機会は大幅に縮小してしまったわけです。今回を逃せば次の機会がいつになるか何ともいえない状況の中、是非とも訪ねておきたかったのが、牛タンをあっさり見切った遠因でもあります。
かくして去年の暮れ以来の再訪を果たすと、定休日ができたこと以外にも変わった点がいくつかあるのに気付きました。作務衣はコックコートに変わり、品書きも一新されて、長らく名物とされてきた焼き飯、味噌ラーメンなどが姿を消しています。しかし店長も助手も変わった様子はなく、窓の外の欅並木も変わりません。味気ないLEDの照明が次第に蔓延していく中、赤々とフィラメントが燃える裸電球の明かりが心地よく感じられます。

今回改めて思うのは、やはりこの店には旅の終わりがふさわしいということです。牛タンをいただいた後、この店で定禅寺通の欅並木を眺めつつ道中を振り返り、目の前の停留所からバスに乗って、帰りの列車が出る仙台駅へ向かうという起承転結は、旅の最後を飾るにはまことにお誂え向きでした。それだけに、まだ旅が続くという状況には若干の違和感を覚えます。しかしこの状況も何度か繰り返せば慣れてくるのでしょうか。次の機会がなるべく早く巡ってくることを願っています。

居酒屋おのちゃん
仙台市青葉区国分町2-14-25 仙台リッチホテル2F
022-267-1909
1800PM-300AM
1800PM-500AM
日祝日定休

水鳥記・宮寒梅
お通し(南蛮漬け)
カツオ刺
秋鮭柚子正油焼き
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三陸海岸縦断ツアー - 仙台到着

2016-10-09 21:20:26 | 東北
柳津まで45号線、そこから三陸道に乗って無料区間が尽きる鳴瀬奥松島で下り、あとは利府経由の県道を走って仙台に着きました。日中は遅々たる歩みだったものの、日没後の長距離移動が効いて、本日も230kmの走行でした。気温は14.5度、しかし都市部ということもあるのか体感温度は高く、半袖でもどうにか耐えうる状況です。
仙台という土地柄宿の駐車料が高いため、定禅寺通の北側に時間貸の安い駐車場を探して止めました。ここから大荷物を担いで行くのも面倒です。最小限の荷物だけ鞄一つにまとめ、先に一杯やってから宿へ向かいます。
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三陸海岸縦断ツアー - 大禾多重力

2016-10-09 17:59:28 | 東北
六時を前に残照もほぼなくなりました。あとは本日の投宿地となる仙台までの大移動が残っています。
昨日に続き冴えない天候だったにもかかわらず、どういうわけか一日かけても気仙沼にすらたどり着きませんでした。本日仙台に宿をとったのは、三陸海岸を二日かけて縦断し、明日は芋煮の季節を迎えた山形を通って帰ろうという考えがあってのことでしたが、ここまで足踏みすると事情が変わってきます。今日は気仙沼に泊まり、明日もう一日かけて三陸海岸を南下するのが得策だったわけです。
このような事態が起こり得るからこそ、事前に宿を押さえることは極力したくなかったのですが。三連休の切迫した宿泊事情から、宿を押さえておくのも止むを得ない選択だったとはいえ、何とも悔いの残る結果です。もっとも、呑み屋街が壊滅していた釜石の状況を考えると、気仙沼も同様の可能性は高く、その点では仙台の方が断然有利ではあります。結果論をどうこういうよりも、久々に仙台で呑めることに感謝すべきでしょう。
問題なのは、移動にどれだけかかるかです。仙台までの距離は45号線経由で約160kmあり、少なく見積もっても三時間はかかります。残念ながら牛タンは見送らざるを得ず、居酒屋で呑めればよしといったところではないでしょうか。あまりに遅くなるとそれすら厳しくなってくるため、不本意ながらも自動車専用道を織り交ぜながら移動するつもりです。
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三陸海岸縦断ツアー - 旧道の駅

2016-10-09 17:36:14 | 東北
大船渡を出て45号線を西進し、陸前高田の市街に入りました。昨日から今日にかけて、震災の爪痕を様々な形で目の当たりにしてきましたが、最も生々しい光景がここで出現しました。かなりの広さだったであろう市街が完全に更地となっていたのです。
更地になった市街といえば大槌、山田もそうでした。大船渡の市街も釜石よりかなり手ひどくやられているのが車窓越しに分かりました。しかし、周囲にはそれらも霞んでしまうほどの光景が広がっています。現在道の駅から投稿中ですが、建物は被災したままの姿を晒しており、案内板にも「旧道の駅」とあります。少し手前の方に一棟だけ残っていたアパートも、最上階以外は津波で無惨に破壊され、北海道の炭坑住宅のごとき廃墟と化していました。わずかながらも明かりが残った時間帯に立ち寄り、被災の状況をしかと見届けられたのは幸いです。
道の駅の建物と向かい合う形で、国道側に屋根付きの慰霊碑ができています。犠牲者の冥福を祈り、合掌…
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三陸海岸縦断ツアー - 赤崎駅

2016-10-09 16:48:03 | 東北
岩手石橋から折り返して盛の市街も通り過ぎ、海側の終点である赤崎駅にやってきました。二階建ての駅舎は岩手石橋と同様に信号場然としており、三本ある線路には荷役設備が据え付けられて、荷下ろしされた石灰石がベルトコンベアでセメント工場へと運ばれていきます。こちらも模型の世界を見ているような構内です。
結局長安寺を除けば日が陰ってしまい、一応押さえたという程度の結果ではありました。日曜に重なったため貨物列車も運休でした。しかし、列車も走る晴天の日だったとすれば、この路線を訪ねるだけで一日がかりだったでしょう。曲がりなりにも一通りの駅を訪ねることができたという点で、日没までの残り時間の使い道はこれでよかったのかもしれません。
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三陸海岸縦断ツアー - 岩手石橋駅

2016-10-09 16:22:44 | 東北
国道から分岐する県道に入り、少し走ったところにあるのが終点の岩手石橋駅です。ホッパが鎮座する構内と、一部を二階建てにした信号場の詰所のような駅舎には、あたかも模型の世界を見ているかのような気分にさせられます。S字カーブを切って勾配を上り、駅舎の下を一旦通過してからスイッチバックするという線形が怪しげです。
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三陸海岸縦断ツアー - 日頃市駅

2016-10-09 15:57:56 | 東北
続いて訪ねるのは日頃市駅です。長安寺よりやや小柄な木造駅舎の玄関には庇が張り出し、そこに切り抜き文字で駅名が掲げられています。
ちなみに、長安寺を出る間際に怪しいものを目撃しました。保線の係員を乗せた軌道自転車です。貨物列車の運休日にはこうして日中に巡回しているのでしょう。釜石のSL以上に貴重な光景でした。
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三陸海岸縦断ツアー - 長安寺駅

2016-10-09 15:39:18 | 東北
大船渡の市街に入ったところで、今更ながら西の空が晴れ、待ちかねた日が射してきました。しかし時既に遅く、西日は小一時間もすれば山の陰に隠れそうです。今更足掻いても仕方がありません。海沿いの車窓はさておき、わずかな残り時間で岩手開発鉄道の駅を訪ねることにしました。まず立ち寄るのは長安寺駅です。
今更ながら知ったのは、かつて旅客列車が走っていた当時の駅舎がそのまま残っていることです。石北本線の信号場と同様、駅としてお役御免になった後も、係員の詰所として使われているのでしょうか。切妻瓦屋根の玄関部分をさらに延ばして車寄せを造り、その下に駅名を正方形で一文字ずつはめ込んだ玄関が印象的です。
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三陸海岸縦断ツアー - モスバーガー大船渡店

2016-10-09 14:12:37 | MOS
日没がますます早まり、わずかな時間の無駄も惜しまれてくる季節です。よほど空腹になるか、これはという品がない限り、時間を惜しんで昼抜きにするという流れが最近定着しています。昨日もほっかほっか亭の後はめぼしいものが見当たらず、空腹感が戻った頃には夕方だったため、そのまま飲まず食わずで釜石まで走りました。しかし今日は空腹になるのと同時に頃合いの店が現れました。大船渡のMOSでお昼をいただきます。

店舗が年々安普請になって、さらにはフードコートへの出店が本格化するに至り、今や新規に開店するMOSには何の興味も持てなくなりました。特に、フードコートの店舗についてはわざわざ訪ねる必然性を全く感じていないのが実情であり、ここまで来る間にも宮古と釜石に開店したその手の店舗は素通りしました。しかし、独立した店舗が経路上にあるなら、意図的に素通りする理由もなく、本日は久々の新規開拓となった次第です。
三陸の道の駅から45号線の旧道で峠を越え、大船渡の市街へ下りていく途中に店があります。市街の最寄りのICはもう少し先にあり、交通量は必ずしも多くないと思われる場所です。それにもかかわらず、このMOS以外にも郊外型店舗が相当数並んでいるのは、一見すると不思議ではあります。しかしよくよく考えると、これも震災の影響だろうということに気付きました。おそらくは、大船渡の市街が震災により壊滅した後、各社が代替地を模索した結果、ここに店舗が集まるようになったのでしょう。震災の影響がこのような形で現れるとは思いませんでした。

赤っぽい瓦屋根を奥から手前へまっすぐ下ろし、大きな窓の上に緑色の日除けを張り出させて、前面に樹木を植えてテラスを置いた店舗は、緑モスが高級路線のモデル店舗と位置づけられていた時代に量産された、南欧風の店舗の現代的姿といえるでしょうか。当時に比べて若干安普請な面はあり、特に幅の狭い張りぼてのテーブルはいただけません。しかし、壁はクリーム色、腰壁はクリーム色と小豆色の中間のような色で統一され、明るい店内は好ましいものがあります。近年MOSが多用する、白木「調」の安っぽい化粧板には苦言を呈してきましたが、ここの腰壁の場合、白木の木目を印刷したものではなく、実際に板を使っているのがよいのでしょう。新築直後にもかかわらず壁紙が浮いていたり、木と木の継ぎ目に隙間ができていたりといった、欠陥住宅並の安普請が横行した時期に比べ、素人でも一目で分かる難点はテーブル以外に見当たりませんでした。

それはよいのですが、気になるのは営業時間が10時から8時まで、しかも火曜は定休となっていることです。交通の流れから外れた旧道沿いに、苦肉の策で造られた店舗だけに、復興が進むにつれて利用が減っているのでしょうか。上記の通り安普請の使い捨てではないだけに、長く続いてくれれば幸いに思います。

モスバーガー大船渡店
大船渡市立根町字岩脇17-4
1000AM-2000PM
火曜定休
第8093号
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三陸海岸縦断ツアー - 不穏な風

2016-10-09 13:31:32 | 東北
釜石に午前いっぱい滞在した後、45号線で再び移動を始めました。只今三陸の道の駅で休憩中です。
昨日に続き悠長な展開となったのは、天候が冴えず先を急ぐ誘因が働かないという理由によります。昼前には晴れるといわれた空が一向に晴れず、加えて風があるため、17度という数字よりも体感温度はかなり低めです。仮に今すぐ晴れたとしても、時節柄あと二時間ほども経てば日が傾いてくるでしょう。実質的には二日続けて空振りに終わろうとしていますorz
昨日は断崖絶壁が屹立する北三陸を主に走りましたが、釜石を過ぎると複雑な海岸線を持つ半島がいくつも現れます。しかしこの天候では半島まで入り込んでも仕方なく、付け根を短絡する45号線を淡々と進む形になりそうです。既存の道に並行する形で自動車専用のバイパスが部分的に開通している状況ですが、今のところ一区間を除き全て旧道を経由しています。自動車専用とはいっても対面通行であり、交通の流れは旧道と大差がない上に、何より車窓が画一的で面白くありません。市街地だけは短縮効果が期待できるものの、復興途上の様子を確認しつつ進みたいということもあり、大船渡でも旧道で市街を経由するつもりです。
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三陸海岸縦断ツアー - SL銀河

2016-10-09 11:26:36 | 東北
僥倖です。釜石駅に立ち寄ったところ、SL銀河の機関車一般公開なる催し物があり、入場無料で誰でも見学できるとの張り紙が。鉄道の日が迫っていることからして、それにちなんだ催しなのでしょう。主役の機関車が撮影には不向きな位置に停まっているのが残念ではありますが、この日に限って職員用の通路が開放され、普段は見られない転車台の様子も観察できたのは幸運でした。
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三陸海岸縦断ツアー - 釜石ベイシティホテル

2016-10-09 09:14:25 | 東北
昨晩世話になったのは釜石ベイシティホテルです。そもそも釜石に泊まったのは、直接的には連休初日の逼迫した宿泊事情に起因しています。街に泊まることを前提にすると、釜石と気仙沼しか確保できる宿がなかったのです。そして、釜石に泊まることを前提にした場合には、サンルートともう一ヶ所の二者択一という状況でした。その結果、全国チェーンよりも地場の宿を優先するという方針に則り、後者を選んだ次第です。
震災の影響で呑み屋街すら失われた釜石市街とはいえ、表通りを挟んでサンルートと向かい合う立地は紛れもない一等地です。部屋はやや狭めながらも、玄関とロビーの造りにはそれ相応の風格が感じられます。加えてよかったのは朝食です。通常千円、前夜までの予約で750円というのが公式説明ながら、自分が手配したときには全てのプランが朝食付きでした。内容的には富山で世話になったホテルプライムに近く、正規料金を支払うならば、変わりに自分の好きなものを選んだ方がよいというのが率直なところです。しかし実質無料の朝食としては申し分ありません。無味乾燥な朝食会場などではなく、二階にあるガラス張りのレストランでいただけるのもありがたく感じられました。
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三陸海岸縦断ツアー - 三日目

2016-10-09 08:53:23 | 東北
おはようございます。昨夜は二軒目を出るやいなや再び雨が降り出し、駅でしばらく雨宿りをしてから宿に戻りました。路面がまだ濡れていることからして、あの後も断続的に雨が降ったのでしょう。最新の天気予報では間もなく晴れるとの予想ではありますが、今のところそのような気配は全くありませんorz
本日は引き続き三陸海岸を南下していき、夜は仙台に泊まります。ただし、昨日の実績からしても、明るいうちに走り通すのは難しいでしょう。場合によっては気仙沼あたりで日が暮れるという展開も考えられます。その場合は日が暮れた時点で内陸方向へ針路を変え、東北道で仙台へ向かうことになるかもしれません。
昨日に比べ海沿いを走る区間が増えてくるため、車窓については期待できそうな反面、この天候では残念ながら絵になりません。兎にも角にも早く晴れてくれることを願う次第です。
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