日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2016 - 帰着

2016-10-04 23:07:14 | 東北
昨日は東京駅から職場へ直行し、一日を乗り切って帰宅するやいなや、片付けもできないまま眠り込んでしまいました。キャンプの一泊と船中の二泊以外は宿泊し、ほとんどの日で早々と休んでいたとはいえ、十日以上の長旅ということもあり、自覚する以上の疲れが出ていたようです。

列車を降りるやいなや蒸し暑さに辟易させられましたが、今回はある程度の覚悟ができていたため、一昨年ほどの落差までは感じませんでした。とはいえ、いまだに蝉が鳴いている状況には驚きを禁じ得ません。一時の酷暑こそ去ったものの、鬱陶しい気候が延々続くたちの悪さという点で、今季の残暑は史上屈指ではないでしょうか。その残暑を逃れて清々しい秋晴れの北海道に十日以上も滞在し、しかもこちらが去ると同時に道内の天候は崩れました。直前の三連休とそのの週末は何かと空振り続きでしたが、それを取り返して余りある幸運だったというのが実感です。
道外の蒸し暑さとはあくまで別次元とはいえ、道内の気温も例年よりは高めでした。9月の下旬から10月の上旬ともなれば、真冬と同じ耐寒装備が一度は必要になってくるものです。しかし今回は、最も厚着をしたときでも長袖シャツ一枚に雨合羽を羽織っただけです。日中も長袖だったのは二日しかなく、Tシャツ一枚で汗をかく日がほとんどでした。表題に晩秋を冠したのは結果として時期尚早だったともいえます。
しかし、キャンプ場もライダーハウスも日毎に淋しくなっていき、中盤には一雨降って気温が大きく下がり、夜にはストーブが焚かれるようになりました。虫の声も大分か細くなっていました。現地の人々にいわせれば、その程度ならまだ序の口なのかもしれません。しかし、よそ者にとってみれば晩秋の季節感はたしかにありました。空前の好天に恵まれ、晩秋の季節感を一身に感じたという点において、思い残すことは何一つないと言い切りましょう。

次は酷寒期に汽車旅ができれば理想的です。しかし、新幹線の開業により、北海道への汽車旅はきわめて不便かつ高額となってしまいました。しかも、行くのであれば四、五日程度の日数が必要にもかかわらず、今季の暦ではそれを捻出できそうな時期がありません。北海道の鉄道が存亡の危機に直面している今、乗って支援をしたいのはやまやまながら、今季は見送りの方向で考えています。次に北海道へ行くとすれば花見の頃でしょうか。北国の遅い春を今から楽しみにしています。
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