日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

九州沖縄縦断ツアー 2016 - 成^2

2016-10-29 23:31:49 | 居酒屋
「八合一升」を小一時間で辞去し、目当ての「成^2」にやってきました。時間と腹具合を考えると、さらなるはしごは考えにくいものがあります。三夜にわたる那覇滞在もこれにて事実上の打ち止めです。

那覇では何故か教祖の情報に頼ることがほとんどなく、特に近年訪ねているのは自力で開拓した店ばかりです。しかしその結果、立ち寄る店に偏りが出ているという面はあります。一昨日も述べた通り、広いカウンターとオープンキッチンを中心にした、若い店主による店というのがその典型的な姿です。さらにいえば、繁華街から少し外れた静かな路地裏という立地も共通しています。
そのような中、この店の特徴を挙げるとすれば、まず店主と女将が二人で仕切っていることです。店主に一、二名の助手がつき、場合によっては接客の青年かお姉さんが加わるというのが、那覇で世話になってきた店の典型的な布陣ですが、これは店にそこそこ収容力があり、店主と女将だけで仕切るには限度があるという事情からでしょう。店主と女将が仕切る店といえば、今回残念ながら長期休業に重なってしまった「びいどろ」ですが、あちらはカウンターにテーブル二つだけの小さな店です。経験則を踏まえても、二人で仕切る店としてはその程度が現実的なところなのでしょう。その点、倍以上の収容力がある店内を、わずか二人で仕切っているこちらの店は異色ともいえます。
和食を主体に沖縄料理を交えた他店に対し、ここでは洋が主体となっているのも特徴の一つです。洋風寄りの店といえばhinodeもそうですが、あちらは近年かなり居酒屋寄りの品書きになってきており、明らかに洋を主体にした店としてはここが異色の存在となりつつあります。
そして最大の特徴といえば、何といってもニス塗り一枚板のカウンター、古材を使った梁と柱とフローリング、それらを程良く照らす白熱球の明かりです。教祖の推奨店と違い、何十年にもわたって受け継がれてきた老舗というわけではないものの、店内の造りからくる居心地のよさという点では、那覇で世話になっている店の中でも傑出しているのが当店です。他店では珍しい一人客をしばしば見かけるのも、この居心地があってのことなのかもしれません。

もう一つの特徴として挙げられるのが、カウンターの正面にある大きな黒板です。手元にも品書きはあるものの、その日のおすすめは黒板に書かれるため、基本的にはそれだけ見れば十分です。その黒板の中から、今日は「自家製スモークサーモン」を選んでみました。しばらくして運ばれてきたのは、直裁にいうなら塩鮭のような切り身をそのまま薫製にしたものでした。よそで出てくるスモークサーモンが、いかにも「製品」と形容すべき見た目をしているのに対し、こちらはたしかに「自家製」だと納得できます。もちろん味わいも上々で、特に肴としては申し分ありません。このスモークサーモンと突き出しで泡盛一合があらかた空き、最後はパスタをいただいて締めくくりました。

成^2
那覇市牧志1-6-15
098-868-2329
1800AM-100AM(LO)

琉球王朝
突き出し三品
自家製スモークサーモン
ベーコンとナスのトマトパスタ
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 八合一升

2016-10-29 22:22:15 | 居酒屋
巡り巡って原点に戻ってきました。最後の夜に訪ねるのは「八合一升」です。
わずか三日の滞在で、同じ店に二度行くのも芸のない話ではあります。そのため今日は新規開拓を組み合わせるつもりでした。ところが、行こうとしていた店が早仕舞いで既に明かりを落としており、ズバリここだという店の心当たりはなくなりました。その結果、近年八合一升、hinodeに次ぐ第三極として定着しつつある「成^2」を中心に据えることで今夜の方針は固まりましたが、それにもかかわらず一軒目を別の店にしたのは、一杯目をオリオンの生にしたかったという理由によります。まずはオリオンの生、それに泡盛をグラス一杯だけいただき、しかる後に「成^2」へ移ろうという算段です。

昨年訪ねたときは品書きが様変わりした、玄関が改造されたといった変化を挙げましたが、実は今年になって変わったことが三つあります。外観上の変化として、玄関に行灯式の看板が置かれるようになったのに加え、お通しと品書きが変わったのです。まずお通しについては、一口寿司を含む三品あったものが一品に変わりました。品書きについては、冊子には酒だけを載せ、肴は全てA4一枚の日替わりにまとめられたという変化です。
前者については、細々したものを三つ出すより、一品に絞る代わりに十分な量とすることに狙いがあるのでしょう。これはあながち悪くはなく、特に一昨日出てきたもずくは上々でした。一方品書きについては、一昨日と今日とで異なる印象を受けました。縦長を三段組にしているのはどちらも同様ながら、一昨日の品書きは一見頼りなさげだったのに対し、今日の品書きはよくまとまっています。まず字が適度に太くなり、弱々しい印象はなくなりました。また上段は一品料理、中段は刺身、下段は沖縄料理に寿司という形で明確に区分され、そのうち上段と下段は縦書き、中段は横書きされているため、適度な変化があって見やすいのです。品数と内容は両日とも大差ないにもかかわらず、見た目の印象は全く違いました。呑み屋の品書きも奥が深いと得心させられた次第です。
一枚にまとめられたということは品数が絞られたということでもあります。そもそもお通しが三品から一品に絞られているわけです。以前はhinodeと同様目移りしそうなほどの品数だったと記憶していますが、ここまで絞られると序盤から終盤までの組立も自ずと決まってきそうです。実は、一昨日も今夜も手伝いの板前の姿がなく、調理をするのは店主一人でした。あの板前が辞め、後任が決まるまでは店主一人で仕切れるだけの品数に絞っているのかもしれません。ただし、根掘り葉掘り聞くのは潔しとしないため、真相を確かめることはしませんでした。次回の品書きがどうなっているかに注目です。

八合一升
那覇市牧志1-8-5 宮城ビル1F
098-863-3201
1800PM-030AM(LO)
火曜定休

オリオン
暖流
突き出し(しらすおろし)
赤まち
てびち煮込み
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - ロコイン沖縄

2016-10-29 21:42:18 | 沖縄
引き続き58号線を南下して那覇に戻りました。MOSについ長居してしまったこともあり、九時を少し回っての到着です。
那覇滞在も今夜限り、最後は定宿であるロコイン沖縄の世話になります。市内の宿が空前の混みようであることについては繰り返し述べた通りであり、特に土曜と重なる今晩は、最初に検索した時点では全くと言っていいほど空きがありませんでした。ゲストハウスと万単位の宿を除けば、呑み屋街には相当遠い宿が一、二軒空いているに過ぎず、それも通常料金に比べると割高でした。しかし、このようなときでもこまめに照会していると空きが出ることがしばしばあります。今回もそのようにして定期的に調べていたところ、数日経ったところで運よくここに空きが出たため、すかさず押さえた次第です。
今回の宿泊料は6300円、それ以上に痛いのが今まで無料だった駐車場が千円の有料になってしまったことで、これにより総支出は七千円以上にも上ります。前夜世話になったサン・コーラルに比べると二千円以上もの違いです。宿泊料が混雑を反映したもので、次回は例年並みに下がってくれるとすれば、実質な差は千円少々に縮まるため、快適性を考えればこちらに軍配が上がるところではあります。しかし宿泊料も据え置きということであれば、連泊するのは金銭的に厳しいかもしれません。とはいえ、今回ここを奇跡的に押さえられたのは幸いです。
一風呂浴びて出かけると、一軒目に入れるのは10時過ぎです。しかし遅くまで呑める店も多く、慌てる必要はありません。最後の夜を心ゆくまで満喫できれば幸いに思います。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - モスバーガー国道58号読谷店

2016-10-29 19:48:34 | MOS
今やMOSの新店舗の大半をフードコートが占める中、沖縄では独立型の店舗が比較的切れ目なく開店しています。那覇への帰り道にも新規のMOSがあるため立ち寄ることにしました。
かつて全国各地に存在した「ルート」を冠する店舗のうち、現存するものは果たしていくつあるのでしょうか。「国道58号読谷店」を名乗るこちらの店舗も、かつてならば「ルート58読谷店」を名乗っていたのかもしれません。その名の通り58号線に面しており、北谷店と同様に最近開発されたらしき郊外型商業施設の一角に店舗があります。
あちらと同様なかなかの名建築です。赤っぽい瓦屋根を頂いた外観は、MOSによくある南欧風です。建物の敷地が台形になっており、そこに建屋を斜め、まっすぐ、斜めに三つ並べたような外観に特徴があります。斜めになった両端の部分は切妻となっており、ファサードには緑看板が、その下には大きな格子窓があって、窓の上には緑と白の縞模様の日除けが。中央にはTHE TASTE OF HAPPINESS, EVERYDAY. MOS BURGERの切り抜き文字を飾った庇が張り出し、その上では同じく切り抜き文字で造られたMOS BURGERの電飾が輝き、下にはテラスが置かれ、玄関の前にはシーサーが鎮座します。
店内は天井が高くて開放感があり、その天井から下がった琉球ガラスのような照明が小洒落ていて、鴨居を小物で飾ったり、壁面に植木を埋め込んだりと装飾にも凝っています。テーブルは相変わらず張りぼての安物ながらも、首里のMOSに比べてかなり広々しているのは好ましいことです。宜野湾大謝名店、北谷店に続き、58号線沿いにまたもやMOSの名建築が誕生しました。

モスバーガー国道58号読谷店
中頭郡読谷村字大湾60
098-921-5858
700AM-2400PM
第5105号
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 屋我地ビーチ

2016-10-29 18:11:02 | 沖縄
その後本部半島を半時計回りに周回し、屋我地島、古宇利島を回ったところで日が暮れました。只今屋我地ビーチから夕景を眺めています。いや夕景といっては語弊があるかもしれません。というのも、本部の町を出た頃から日が陰ってしまい、曇った空が暗くなっていくだけなのが実態だからです。
うだるような暑さだった昨日までとは一転、過ごしやすい好天だったにもかかわらず、ここぞというところで曇ってしまい、終わってみればシャッターをほとんど切っていないという不可思議な結果となりました。結局、夕景に関していえば初日に眺めた具志川城が最高だったことになります。
昼の部はこれにて終了、あとは58号線で那覇へと戻ります。投宿して一風呂浴びると、今夜も九時前後というほどよい時間に一軒目へ入れそうです。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 宮里そば

2016-10-29 15:10:20 | B級グルメ
沖縄そばのはしごは久々のような気がします。続いて訪ねるのは宮里そばです。
三時過ぎという半端な時間帯にもかかわらず、テーブルと小上がりは半分近く埋まる盛況。一組出ればすぐさま次のお客が入ってくるという繁盛ぶりは大したものです。そのほとんどが一目で分かる地元客という雰囲気も好ましいものがあります。
もう一つ感心させられるのは、店を仕切るおばちゃん達が注文を完璧に記憶していることです。最初に食券を買っておばちゃんに渡し、各自空いた席に着くという仕組みからして、これはお客の顔を一瞬で覚えていることを意味しています。小さな店ならともかく、最大百人近くを収容できる大店では、相当熟練しない限りできない芸当です。一見愛想のないおばちゃん達による職人芸は、大衆酒場の名店を彷彿とさせます。

宮里そば
名護市宮里1-27-2
0980-54-1444
1000AM-2000PM
水曜定休
三枚肉そば600円
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 新山そば

2016-10-29 14:46:47 | B級グルメ
朝からたらふくいただいた昨日と違い、今朝はMOSのハンバーガーだけだったため空腹になってきました。しかるに数多あったそば屋を素通りしてきたのは、名護市街の老舗を目当てにしてのことでもあります。訪ねるのは久々の再訪となる新山そば、きしめんを彷彿させる平打ち麺が当店の特徴です。

新山そば
名護市大東1-9-2
0980-53-3354
1000AM-1800PM
新山ソーキそば700円
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 旧モスバーガー名護店

2016-10-29 14:23:47 | MOS
58号線を上って名護市街に入りました。MOSの跡地を定点観測します。
明るいうちに訪ねるのは久々ですが、よく見ると二階の天井から現役当時のものであろう球形の照明が下がっています。一階も跡地に入ったお茶屋の区画以外はそのまま残っていそうです。上陸40年を記念して作られたのは琉球クラシックバーガーでしたが、いずれ50周年を迎える暁には、記念事業としてこの店を復活させるわけには行かないでしょうか。そのように仮想させられるほど、かつての姿を色濃く残した旧名護店です。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 万座毛

2016-10-29 13:16:22 | 沖縄
無味乾燥な移動に対する抵抗はありながらも、時間を買って西原から屋嘉まで高速道を飛ばしました。浮いた時間で万座毛を訪ねます。
泊漁港と同様、ここも中国人観光客の激増により一気に俗化してしまった場所ですが、今回再訪してみて、昨日訪ねた残波岬との違いに気付いてきました。一言でいうとこちらの方が狭いのです。
残波岬の場合、観光客が集まる岬の周辺もさることながら、そこから離れた東側の崖も非常によい眺めです。しかしここでは、象の鼻のような巨岩が切り立つ南向きの眺めしか絵になりません。その結果、狭いお立ち台に歓呼校客が殺到する形となり、俗な雰囲気が強調されてしまうということでしょう。残波岬はともかく、ここについては毎回訪ねるほどの場所ではないのかもしれません。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 嘉数高台公園

2016-10-29 12:05:05 | 沖縄
移動の前に嘉数高台公園を訪ねます。沖縄の激戦地というと、「ひめゆりの塔」などがある南部に集中しているように思われがちですが、あちらで戦いが繰り広げられたのは大勢がおよそ決した最終盤のことであり、戦力としては既に形骸でした。それに対して真の激戦地の一つといわれるのがここで、件の普天間飛行場を見下ろす高台には、砲撃の跡も生々しいトーチカが残り、戦闘の激しさを物語っています。
ちなみにMOSを出た頃から青空が広がってきました。気温は27度、しかも昨日と違って適度な風もあり、涼しいとはいわないまでも格段に過ごしやすくなっています。終日活動できる唯一の日が、滞在中でも一番の好天となってくれたのは幸いです。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - モスバーガー首里石嶺店

2016-10-29 10:29:54 | MOS
空は次第に晴れてきたものの、依然として薄日が射す程度なのが現状です。これでは先を急ぐ必要性も乏しく、まずは腹ごしらえを済ませることにしました。去年素通りした新MOSの首里石嶺店に立ち寄ります。
近年MOSの店舗がすっかり安普請に成り下がる中、沖縄に関する限りは宜野湾大謝名店に北谷店など名建築が今なお輩出していることから、こちらの店舗もどうかという期待はありました。しかし結果は可もなく不可もない現代的な店舗でした。安物の健材を張り付けた、遠目に見ても安いと分かる店舗が横行する中、鉄筋コンクリート造なのはよいとしても、箱型の外観に特段の個性はなく、しいていうなら柱状に張り付けられた煉瓦風タイルにMOSらしさが感じられる程度でしょうか。そして何より店内が安っぽくていただけません。テーブルが幅の狭い安物の張りぼてなのに加えて、レジカウンターと間仕切りも同じく安物の張りぼてで、木目に見えるところは全て張りぼてというお粗末さです。
しかしよかったことが一つだけあります。当地限定の「琉球クラシックバーガー」なるものが販売されていたのです。店先の懸垂幕には、沖縄進出40年を記念したとの説明があり、さらには第一号店であるコザ店についての言及もあります。目先を変えるための安直な限定品には感心しませんが、このような趣旨でやるなら大いに結構です。今回は迷わずこちらを選びました。

モスバーガー首里石嶺店
那覇市首里石嶺町4-242-4
098-887-7755
700AM-100AM
第5043号
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 出発

2016-10-29 09:12:36 | 沖縄
荷物をまとめ、二晩世話になった「サン・コーラル」を出発します。宿泊費の節減のため、定宿のロコインから宗旨替えして泊まったこちらの宿ですが、安いなりの割り切りが必要であることについては既に述べた通りです。しかしよいこともあるにはあり、その一つとして風呂が別室になっていることを挙げました。そしてもう一つよかった点があります。一銀通りの呑み屋へ向かうとき、松山の繁華街を短絡し、静かな路地裏を歩いて行くことができるのです。ロコインの場合、客引きがたむろする最も猥雑な通りを歩いて行かなければならないため、その点ではこちらの宿に明確な利があることになります。多少の料金差を補って余りある快適性がロコインにあると感じたのは事実で、来年以降も全面的に乗り換えるつもりはありませんが、たとえば那覇に二泊するのであれば、一泊をこの宿、もう一泊をロコインという形で使い分けるのもよさそうです。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 四日目

2016-10-29 08:56:30 | 沖縄
おはようございます。結局昨晩は一軒限りで切り上げ、日付が変わる前には宿へ戻りました。既においしくいただける限度には達していたため、兎にも角にも腹ごなしをしなければどうにもならず、一旦休み、回復すれば出直すことも視野に入れつつ宿に退却したところ、そのまま力尽きるというありがちな結末でした。はるばる沖縄まで来ておきながら、少々もったいない結果ではありましたが、小刻みな継投が基本の長崎とは対照的に、一軒に腰を据えて呑むのが沖縄の居酒屋の基本だと次第に気付いてきました。その一軒で上々の時間を過ごせたことについては満足しています。
目が覚めるような快晴だった昨日に対し、今日は朝から曇り空となっています。ただし予報は終日晴です。次第に晴れてくれると期待して、今日は北部へ足を延ばします。
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