日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

三陸海岸縦断ツアー - 帰着

2016-10-11 22:51:12 | 東北
仙台宮城から二本松と、須賀川から矢板の両区間が東北道、あとは一般道を走破して、昨夜の帰着は二時台後半でした。経路も時間帯も前回と全く同様だったため、当初の目標から10分も前後しない読み通りの帰着でした。しかし道中を振り返る余力まではなく、最低限の片付けだけ済ませて休み、週明けの一日を乗り切って戻ったところです。

北海道編と合わせて16日にもわたる長旅でしたが、同様の長旅をした昨年一昨年に比べると、終わったという感慨は希薄です。その理由の一つとして、今季の構成が比較的単純だったことが挙げられます。北海道を出た後も一時帰京を繰り返しつつ、何週もかけて戻った過去二年に対し、今季は北海道編と東北編の二部構成で、八戸からの経路も一直線に近いものでした。東北での天候が初日を除き振るわず、空前絶後の完勝だった北海道との落差が際立ってしまったのも理由の一つです。その結果、北海道編と東北編が全く別物のように感じられ、行程の連続性が今一つ感じられませんでした。
しかしこれは、北海道での戦果が空前絶後だったことで、結果的に東北が霞んでしまったということであり、必ずしも物足りなさを感じているわけではありません。たしかに、景勝地を訪ねることについては見事なまでの空振りでした。しかし、復興の足跡をこの目で見届けるという主題に関しては、限られた時間の中でやれるだけのことをやったという実感があります。
更地に廃墟がぽつんと残った生々しい光景もさることながら、沿道に建つ看板で波がここまで来たのかと驚かされ、一度は壊滅した呑み屋街が仮設の店舗に集まっている光景には、捲土重来を期する人々の気概というものが感じられました。壊滅した市街から町外れに生活圏が移っているという現状も、よくよく考えれば当たり前とはいえ、実際に訪ねたからこそ得心できたことの一つです。五年の節目に再訪できたのは収穫でした。市街も道路もいまだに復旧中という現状では、完全なる復旧までにはさらに五年、十年かかるでしょう。毎年訪ねるのは難しいとしても、何年かに一度は現地に足を運び、復興への歩みを見届けたいと考えている次第です。

今回の道中では肌寒さを感じる場面が目立ちましたが、それは北国だけのことではなかったらしく、昨晩は久々に窓を閉めて休みました。今日の日中も半袖シャツでは肌寒く感じられました。北国への長旅が完結するのと同時に、長らく続いた関東以西の残暑もようやく去ったようです。二度の小旅行を挟み、月末からは西日本への遠征が始まります。
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